第9話 マンション
大神組の屋敷を出ると車は小高い場所に建つマンションの地下駐車場に
入った。
車から降りるとエレベーターが3基あり、父である織田さんが一番端の
エレベーターに向かう。
「部屋にはこのエレベーターでしか行けません。このカードキーをここに
かざしてください。そうすれば自動で部屋の階までいくようになります。
ちなみに部屋は7Fになります。」
エレベーターを降りるとドアが二つあった。
「この部屋は若の側近と組のものが3人で住んでいます。
若と玲さんは奥の部屋になります。」
織田さんの後に続き部屋に入ると、広い玄関・・ここだけで私が一人で住んでた
部屋の分ありそうだった。
玄関から直ぐの扉を開けると、広いリビングが広がっている。
「うわー、凄い・・」
40帖はありそうなリビング、正面には大きな窓があり、そこからはこの街が
一望でき、その先には海が見えている。
「夜は夜景が綺麗ですよ。」
「そうなんですか!?」
リビングの隣には、キッチンとバーカウンターまであった。
そして、リビングの脇には上に続く階段があった。
「玲、上に行ってみるか?」私の視線に気がついた龍生が私の手を取った。
「うん。」
階段を上がると、龍生が説明する。
「ここが、俺の書斎、向かいが玲の部屋、そしてここが俺達の寝室」
龍生の書斎は黒で統一されたシックな部屋で、私の部屋は白を基調とした
可愛い感じの部屋だった。
そして、寝室は・・・キングサイズの大きなベットと大きな窓。
窓からは、リビングから見えた景色が広がっている。
「後、こっちのドアはクローゼットだから、こっちが俺で反対が玲」
「え、この服やバックは?」
クローゼットを見ればたくさんの服やバック、アクセサリーがあった。
「これは、全て玲のもの。俺が選んだものだけど、気に入ってくれたら
嬉しいんだけど」
「い、いつの間に準備したの?」
だってここに来るのは、今日決まったことだったのに・・・
「あぁ、そうだよな。玲を保健室に連れて行った日、あの後こっちに来て
3日で用意した。まあ、詳しい話は追々教えてやるよ。」
龍生はいつものように私の頭をポンポンとして微笑むから、私は「うん」
と返すのが精一杯だった。
一通り部屋を周った私達がリビングに戻ると、コーヒーが準備してあり、
ソファーには織田さんと3人の男の人達が座っていた。
「先ずは自己紹介をしましょうか。」織田さんが声を掛ける。
ソファーに座る3人は視線でお互いに確認すると、手前に腰かけていた
ミルクティー色の髪の人が話始めた。
「初めまして、僕は
龍生さんの側近兼親友。歳は玲ちゃんと同じ16歳で~す。
今後は玲ちゃんとの行動が増えると思うので、よろしくね。」
そう言うと私の手を掴んで握手をした。行動の速さに、驚いていると
後ろからは「チッ・・」舌打ちの音が・・・。
今井さんは、二次元から飛び出してきたかのような甘い顔の容姿。
可愛い雰囲気なのに、耳には沢山のピアスがついている。
「次は俺かな。俺は
明日から、玲の兄になる。龍生の側近で龍生と同い年の17歳。
よろしくな。」
私の兄になる宗志さんは、一重に薄い唇の塩顔のイケメンだった。
近寄りがたい雰囲気ながらも、私には笑顔を見せてくれたのでホッとした。
「よろしくお願いします、お兄ちゃん。」
私も笑顔で挨拶できた。
「最後は俺だな。俺は
大神組の情報系を主に担当していて、20歳。
俺達3人は、隣の部屋に住んでいるから困った事があればいつでも
呼んでくれればいい。よろしくな。」
前田さんは、中性的な雰囲気で皆のお兄ちゃんって感じの優しい感じの人。
「早坂 玲・・・改め、織田 玲です。
分からない事ばかりですが、よろしくお願いします。」
皆の目を見てから、深々と頭を下げる。
これから、織田 玲としての生活が始まる・・・・・
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