第3話
私には好きな人がいる。中学校2年生からずっと好きだった高橋笑輝だ。中学一年生の時私はいわゆるボッチだった。元からコミュニュケーション能力は低くない。じゃあ、なぜぼっちだったか?それは、私はライトノベルが大好きで仕方がなかった。入学式初日に発売の本を買ってから登校した。そしたら、話しかけられてることも気づかずに集中してしまい気づいた時には周りに誰もいなかった。まぁ自業自得ってことですね…
2年生になり彼と同じクラスになった。友達は作れないだろうなと思っていたそんな時彼だけは私に優しくしてくれた。もともと彼は正義感が強い人だから多分私に友達がいないことを知っていて優しくしてくれたのだと思う。笑輝のおかげで中2にして私は友達を作ることに成功する。それから私は彼を常に意識するようになった。
でも、ひとつ気になったことがあって中2の秋から笑輝は一切笑わない、しても微笑む程度もっと笑えばもっとモテるんじゃないかな?いやそれはそれで困るけど…
高校生になって笑輝は、身長170センチ前半の髪型はマッシュでかっこいいよりどっちかと言うと可愛い系男子。
そんな笑輝に少しでも意識してほしくてメガネを外し、少しだけお化粧して、髪型は、昔笑輝が可愛いと言っていた芸能人がポニーテールだったからポニーテールを貫いている。自分で言うのは気恥ずかしいけど、正直私はブサイクではない。なんなら可愛い部類だろう。そして高校では友達もたくさんできた。今はとても充実している。いわゆるリア充だ。一方笑輝は、池田智君とはよく話をしているのを見るし多少笑顔を見せる。でも、友達を作ろうとしない。笑輝が狭く深くの人間関係を作るのは知っていた。でも、中2の秋までは親しくしようとする姿勢は少なくとも見えた。いつも影で見ていたからわかるけど今は違う親しくもしようとしていないように見える。だから今の彼に近寄る人さえいなくなってしまった。
でも、彼は真面目で勉強もそこそこできて陽キャラでコミュニュケーション能力も高くてすごく優しくて愛想もいいはずなのに、今では授業もろくにきいてないし、ずっとボーとしてるし、誰とも関わろうとしていないし、どちらかというとスーパー陰キャラ…そしてまだ高校入って間もないのに私が、いや、クラスのみんなが1番見る表情は人生に失望したかのような生きる気力がなくなったような表情だ。黄昏ているようにも見えるが目が完全に死んでいる。確かこうなったのも中2の秋からだった気がする。
下校中今日も話しかけたいのに話しかけられなかった。とため息をつくと、
ピロン🎶と機械の音がした。
内容を見るとクラスのグループラインに高橋笑輝が入ったらしい。私は一度見てスマホから目を離した。ん?いや?まさかね?と思いもう一度スマホを見ると、あの笑輝が離した智から招待されて入っているではないか!!!私はすかさず追加をしてこうメッセージを送った
遥「明日二人で遊ばない?」
送った時はすごいドキドキしたし、よくこんな勇気のいることをできたのか自分でも驚いていたするとすぐに既読がつき返信が返ってきた
笑輝「俺はいいけど、お前は集まりに行かないのか?」
遥「上辺だけの友達の集まりだから嫌なんだよね」
笑輝「それって俺たちもじゃないの?」
そのメッセージに私は少し悲しみと怒りを覚えた。あんなに優しくしてくれたのに上辺だけだったの?!なんて思ってたら2分が経過していた。急いでメッセージを打って送る。
遥「上辺だけだから、これから仲良くしたいと思ってるんだよ。」
笑輝「まぁ断る理由がないから、いいんだけどね」
「良かったぁー」思わず安堵の声が漏れた
そして今日、授業内容は全く入ってこなかった。そんなこんなしていると4時間目の終わるチャイムが鳴った。今から昼休憩だ。近くの友達4人くらいで食べようとした時、笑輝が席につくのが見えた。私は知ってるあの後科学室でご飯を食べることを私だけが知っている。その瞬間
「ごめん🙏ちょっとトイレ!!」
と言って急いで弁当を持ち笑輝が向かう階段とは逆の階段から遠回りして科学室で待機をすることにした。笑輝が来るのは30秒くらい後のことだった。
コンコンコンとノックをする音が聞こえた。多分いつも誰もいないことわかっててやってるんだと思う。だから驚かそうと思って私はすかざす
「どうぞ」
と丁寧に招き入れた。案の定彼は目を点にして
「なんで、いるの?」
と聞いてきたから
「高橋くんと話すのを放課後まで待ちきれなくって…ダメ?ですか?」
と聞いたら
「全然いいよ」
と快く承知してくれた。
でも、今日も高橋君って言ってしまったことを少し後悔する。私は笑輝って呼び捨てをしたいのになかなかできない。どうしてだ?
そうこう考えてるうちに
笑輝はさっさと食べて寝てるし
「もう、私どうしたらいいかわからない」
と呟いてしまった。
起こそうと思うけどやっぱり、やめとこう
私は一人寂しく昼ごはんを食べた。
そんな時、彼の口から
「花奈、ありがとう」
と聞こえにくかったけど確かに聞こえた。
誰?そんな人この学校にはいないよ??でも笑輝が智以外に「ありがとう」なんて言ったところを見たことがない!そんな時、授業5分前の金がなったと同時に笑輝も起きた。彼はさっさと教室に向かおうとしていたけど、私はどうしても花奈と言う存在が気になって問いかけた。
「ねぇ、笑輝?花奈って誰?」
「なんで呼び捨て…?」
「いいから!!」
「まさか、俺寝てる時に花奈って言ってた!?」
焦ってる絶対焦ってる。普段表情をあまり変えない笑輝だけど今は絶対に焦っていると分かった。
「うん!で、誰?」
強めに聞いた。彼女でもないのに束縛しているみたいだ。何してるんだか私は…
「沖縄で出会った女の子」
「ふぅん。その子が夢に出てくるまで好きなんだ?」
「ち、ちがうよ、確かに俺は好きだった。けどもう好きじゃない。」
恥ずかしそうにそう言った。私に少しからかわれても怒らずにちゃんと説明できるところがまた優しくて好きなんだよなぁ、なんで惚気てるいると、
「遥もう時間ないから放課後にゆっくり話すよ俺が今まで隠してたこと。遥なら話してもいいと思うんだ。だから行こう」
「わかった」
と満面の笑みでそういって早足で教室に戻った
放課後になってクラスのみんなは
「どこいく?」
とか
「何するかぁー?」
とか随分楽しそうに教室を出て行った。
笑輝は教室で私と二人になるまで待っていてくれた。やっぱり優しい。
「ここにいてもいいけど、どうせなら暖かくなってきたし近くの公園とかでお話ししてもいいよ?」
私は、遊ぶ予定でカラオケとかに行こうと思ってた。でも、今は花奈と言う女の子が気になって仕方がなかった。
「うん!そうしよっか」
笑輝は公園までの道で口を開くことはしなかった。でも、さりげなく道路のほうに立ってくれたり紳士に振る舞ってくれた。
やっぱり好きだなぁなんて思ってたら公園に着いた
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