美味しものは幸せを運んでくる 2
今日の夕飯はビーフシチュー! 野菜切って煮込んでルーを入れるだけ簡単! 普段はもうおしゃれな料理を作っているのだけど今日は疲れたので簡単な料理にしてみた。おしゃれな料理例えばカルパッチョとかマリネとかかな? 基準がよくわかんないけど……
そんな訳で今日の夕飯は手抜きだ。夕食の話とは全く関係ないけど……私の兄は家と外では口調が違う。本当に信頼した人でないと口調を崩さないのが私の兄だ。その経緯についてはまぁ追追かな。
でも久しぶりに兄の猫被りモードを見たから少しおどろいた。
それより、今日のあのケーキは美味しかった。ノートに書きたしておこう。私は自分が美味しいと思ったものについてはノートに書いて残しておくことにしている。自作の絵付きで絵の自身はあまりないけど、人に見せるものでは無いし、いいかって思っていた。
まぁ兄には「お前今日の料理手抜いたな」
とか言われて若干イラッときたが、
「もんくあるなら自分で作れば?」
と言ったら黙々と食べていた。兄は料理が出来ないからね。自分でも作ればいいのに……料理は私が全部作るっていう宣言をしたから仕方ないけどね。そのせいで学校の友達とは一緒に出かけた記憶が無い。
たまには友達と出かけたいけどそんなわがままは言えない。
だから、私はいつも家に帰って家の仕事をするのが決まり事のようになっていた。
そんなある日のこと、私はいつものように買い物に出かけるとケーキ屋のお兄さんと偶然会い、なぜか家に招待されることに……
私は断ったのだけれど、どうしてもお願いしたいことがあると言われついて行くことに
でもついて行かなければよかったと後悔することになる……
私がケーキ屋のお兄さんに黙ってついて行っているとお兄さんが話しかけてきた。
「急にごめんなさい! いつも見かける常連さんがいて嬉しくてそれに君に頼みたいのことがあるのは本当だよ? 自己紹介がまだだったね僕は
夕凪ってどこかで聞き覚えがあるような……
私は思い切って聞いてみることにした。
「もしかして
「梓のこと知ってるんだね? もしかして梓から話聞いてるの? それなら話早いよね?」
と質問を次々とかさねてくる。その勢いに圧倒されてしまってたが何とか返事をした。
「いえ、夕凪くんとは少ししか話したことなくて……何の話ですか?」
彼は少し残念そうに答える。
「話聞いてないならこれから説明するよ。さあ僕の家に着いたよ入って入って」
「おじゃまします」
そう言って入りリビングに案内されると私は固まってしまった。
リビングにはたくさんの人であふれていたから
「楓! その子がもしかして? 可愛いー。ねぇ名前なんて言うの?」
「あれ? 固まっちゃってる? 緊張なんてしなくていいのに」
「もしかして何も話さずに連れてきたの? 事情話さないとダメだよね?」
そんな話をしていたけど、わたしの耳には入って来なかった。過去の記憶がフラッシュバックしてしまっていたから。
「妹ってうそなんでしょう? 本当は彼女のくせに!」
「妹です! 兄に確認していただければわかることです」
「妹だかなんだか知らないけどあの人に近づかないでくれない? あなたじゃまなの」
その言葉が頭の中にひびき顔が真っ青になっていくのを私は感じた。
それに気づいたのか女の人が声をかけてくる
「ねぇ大丈夫? 顔色悪いよ?」
けれど、その言葉もむなしく私の意識は途切れた。途切れる前に兄さんのどごうが聞こえた気がした。気のせいかもしれないけど
そして目が覚めると心配そうな兄さんの顔が目の前にあった。
「あれ? 兄さん? 私倒れたの?」
「ああ倒れた。ったく心臓止まるかと思った……梓が連絡してくれたからよかったものの連絡してくれてなかったらどうなってたことか」
私は少し違和感を感じで兄さんに問いかける。
「兄さんと夕凪くんって知り合いだったの?」
「お前何言ってんの? お前と梓は幼馴染だろうがってお前は覚えてないか女だと思ってたのかもしれないな。昔遊んだろう?」
「え? あの子が梓くんだったの? 全然きづかなかった……」
そこに梓くんが入ってくる。
「やっぱりきづいてなかったか。まぁ、僕も学校では夏希ちゃんに話しかけないようにしてたしね。中学のとき、偶然君が先輩たちにからまれているのをみかけて秀先輩を呼びに行ったの僕なんだ。だから楓にも人に囲まれるのは苦手って言っておいたはずなのにあんなに呼びやがって……あいつは人の話基本聞き流しているんだ。でも僕は直ぐにわかったよ。うちのお店に来てくれているのが夏希ちゃんだって僕は基本は厨房にいるから接客は出来ないんだけどね」
「え? あのお店のケーキ梓くんが作ってるの? あの美味しいケーキを?」
「そう。だから、夏希ちゃんに新作ケーキの味見役を頼もうかと思っていたんだ。ケーキ食べたあと何か書いてる様子だったし……もしそれが感想だったりしたら今後の参考になるかと思って」
そう言われたので私はおどろいた。
まさか梓くんがあのケーキを作っているとは思っていなかったから。
美味しいを食べに行こう 星塚莉乃 @americancurl0601
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