4話 精神世界へ

飯田万里子、それは僕の母さんであり、僕に虐待をした張本人である。

その彼女が彼らの目的ターゲットになっている。

それが当たり前なはずなのに、僕はこの時彼女に同情してしまった。

なぜ、そう思ったのかはわからない。


「花音、計画の内容を全て話してくれ、彼女にわかるように」

花音は手元にある手帳の中身を読み始めた。

「さてそれでは、作戦会議を始めます。咲、ゆっくり聞いてていいよ。では、まず目的ターゲットは飯田万里子、彼女にはプリズンにて歪んだ欲望の塊、ディーボが存在していることが分かった。そのディーボは、自分の苛立ちを子供に虐待をすることによって、なくすといった極悪非道な感情である」

僕は、なぜか悲しくなった。その理由は僕にはわからない。

「そのためには、飯田咲の協力が必要不可欠である」

僕は怖くなった。この子、僕が覚醒することを見透かしていたはずだから、

予言の能力が恐ろしくなった。

「さあ、行くか。プリズンに」

源が言うと、花音が反対してきた。

「バッカじゃないの!咲は、初めて覚醒したのよ!覚醒疲れがあるはずだわ!ね、咲?」

確かに、少し疲れてるけど、こんなのは昔に虐待を受けていた傷ほどでない。

「・・大丈夫」

心配そうに見てくる花音、

「本当に?」

僕は大きく頷く。そしたら、

「じゃあ、明日行くか・・」

明らか元気なくなった源さん。アグマが教えてきた。

「こいつ、プリズンの歪んだ欲望が持つ”ユガミ”が大好物のどへんt」

途中で源さんに殴られて、話が中断した。何お話かはわからない。

「おい、黙れ」

アグマは地面でグタ~と倒れた。



1日後、僕はこのバー?の奥にある3部屋のうちの黄色い扉の部屋で寝させてくれた。初めてベッドで寝た、今までは床で寝させてられたから、あまり寝られはなかった。朝の7時ごろに起き、バー?に向かった。そこには、祐介さんと花音がいた。

「あら、もう起きたの」

僕は頷いた。そしたら、彼女が僕に向けて話した。

「咲・・ごめんね、私が不甲斐ないばかりに、助けられなくて」

僕は感じた、彼女は僕を助けようとしたことが。

「ううん、大丈夫。」

その空気感は重くなってしまったが、その空気感をぶち壊す人物がいた。

「ふわあ、よく寝た、よく寝た。ん?おう、先に起きてたのか」

彼女がその彼を睨んだ。

「おいおい、花音、どうしたんだよ」

彼女がそっぽを向き、

「別に」

その会話が面白くて、つい笑ってしまった。それに気づいた彼女が

「咲が笑った〜」

そう、僕は今まで人前で笑みを浮かべたことはなかったのだ。そのセリフに気づいた僕はすぐさま表情を元に戻した。その後、初めて楽しい朝ごはんを食べた。



朝食後、みんなの顔は一気に真剣モードに切り替わる。

「さて、咲。今日から仕事よ。」

仕事?僕には少し分からなかったが、多少は予想できた。

「反発したいでしょ、お母様に。」

確かに僕は母さんを憎い。でも、今まで育ててくれた母だから、あまり反発はんぎゃくをしたくないような変な極地に今、立っている。

「・・・もちろん、逆らいたいよ・・でも・・」

「でも・・・?」

「僕を今まで、育ててくれた母に反発するのは・・」

僕はそう言った、しかしその後のセリフは全く見当違いのことだった。

「何言ってるの、まさか現実の母に反発しようとしてる?違うよ、精神世界の母に反発するのよ」

僕は驚いた。そしたら、アグマが言ってきた。

「お前、向こうの担任をやっつけたじゃないか」

僕はそういうことか、と思った。

「・・・ああ、なるほどね」

そしたら、源がツッコんできた。

「今、わかったんかい」

花音が源のほっぺをつねる。

「咲は昨日目覚めたばかりなのよ...💢」

源さんはひたすらに謝ってきた。


数分後、

「さて、ひとまず行きますか」

と、源さんが言いスマホをタップした。

「ちょ、待って。まだ、話が...」

話の途中で遮断され、このん世界が変なモヤと歪みが生じた。



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