3話 MRT
ある程度の時間が経つと、ゆっくり降りた。そこは路地裏だ。
「少し待っててくれ」
彼の腰に付けてる鞄から”スマホ”を取り出し、何かを起動した。
そしたら、周りの風景が変わり、後ろで活気あふれた街並みの声が聞こえる。
もどってきた、と思った。
「おい、そこのドアを開けてくれないか」
喋る子グマが言う。
「く、くまが喋った!」
そのくまは怒った。
「クマじゃねーよ!!!」
「え、あ、ごめんなさい」
僕は謝って、その赤いドアを開けた。彼が先に入った。その先は地下に続く階段があって、奥は闇に包まれてる。先に入ったアグマの姿はない。
僕は勇気を絞り、降りた。以外のも階段は長く52段あった。
階段を下りきった先はオレンジの照明が照らすバーっぽいところだ。
アグマと深く黒い帽子をかぶった白い髪の男性とカウンターの向こう側にいるスキンヘッドの黒い丸眼鏡をかけた男性と暗闇に誰かがいるのを感じた。
「アグマ、やっと帰ったか」
帽子の男が言う。
「覚醒した子だ、連れてきたぞ」
「名前は?」
正直に言った。礼儀なので。
「飯田咲です」
僕の名前を言うと、暗いところにいた女性?が出てきた。それは僕の知ってる人物だった。
「え、咲?・・咲ちゃんじゃない〜!」
彼女は僕の幼じみである魚沢
「え、花音?なんでこんなところに?」
帽子の男性が言う。
「花音、知り合いか」
馴染みが答える。
「幼じみなのよ、源。」
源と呼ばれた男性はハッと思い出したかのように
「あ、そういや名前言ってなかったな。悪かった。
俺は長谷川
源さん、どこかで聞いたような気がするが、あまりここでは言及しないでおこうと、思う。
「新島
小声で言う、カウンターの男性。名前は聞こえたが、その後に何を言ったのか聞こえなかったので、源さんが説明した。
「彼は、新島祐介。俺たちの作戦参謀の役割を果たしてくれてる。」
僕はなんとなく、分かった。
「やっぱり来てくれたんだね♪やっぱり来てくれたんだね」
僕はふと、ハテナが浮かんだ。
「やっぱり?」
そこで、源さんが言う。
「彼女は、異能称号”予言者”なんだから、未来予知で君がくるのが、分かった」
予言者・・・何もかも透かされてるような気がした。
「それに、彼女が君を助けたいとか、言ってたよな」
花音は顔を赤くした。
「ちょっと、それは言わないでよ〜」
そこの二人でガヤガヤしてる。仲がいいようだ。
そこで、アグマが言う。
「こいつら、兄弟なんだぜ。血は繋がってないけどな」
僕にとってはまさかの事実であった。
「おいおい、アグマ〜。それは言わない約束だろ」
アグマは源に指摘され、何かを思い出したかのよう話をそらした。
僕はその話について追求したかったが、今の関係が、僕を必要としてるこの居場所がなくなるのではないかと思い、何も言えずにいた。
それに何か察知したらしく、源が言ってきた。
「・・大丈夫か、咲。何かあったら言えよ。」
それに同情して、花音も言う。
でも、僕は「大丈夫」としか言わなかった、怖かった。
本当にこの人たちを信頼してもいいのかと。
「そうだ、花音。飯田万里子の様子はどうであった?」
僕は驚いた、それは僕の母さんだと言うことに・・・
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