第17話陰キャオタクの俺がなぜか美少女と同じ部屋なんだが!?
茜につままれて少し痛い腕を軽くさすりながら自分たちの部屋に向かった。
扉を開けるとそこには林間学校とか小中学生の頃の自然教室でよくみるような木でできた2段ベッドが並んでいた。綾人らのグループは3人構成だが4人部屋しかなかったのか1つベッドが多い。
荷物を置き、次は誰がどのベッドにするか決めることにした。
自分は女の子が寝てると思うとなんかあれなので1人分余る方の上段のベッドにしたかったのだが...
「私、綾人と一緒に寝る〜〜」
「おっと、お嬢ちゃんそれは困りますぜ」
急に想定外な質問投げかけてきたので変な口調になってしまったが絶対にそれはダメだ。
「えぇー、いいじゃん〜それに何その喋り方」
「綾人君、それなら私とならどうかな?」
茜に便乗してか次は真奈が聞いてくる。
「んー、真奈ならいいか?....いやいやそもそも一緒に寝るなんてダメだから」
「「えぇー」」
「ていうかなんで真奈ちゃんはいいの?」
「いやまぁ、真奈は茜とちがって優しい子だから」
真奈がそれを聞いてドヤる。それに対して茜は頬を膨らませる。
「それって私が性格が悪いって言いたいの?」
「悪いというよりかいじわるつーか腹黒というか」
「ぬぐぅー...」
茜が可愛らしい唸り声をあげる。
自分でもよくいじわるなことしていると分かっているのか反論はしてこない。
いや、ね?俺だって隣にS級美少女がいる状態で寝てみたくはあるが、第一今は林間学校。そんなふしだらなことはダメだろう。しかもぜーったい理性を保てなくて襲ってしまう。
「てことで、俺は一人で寝るから真奈と茜は、あっちな」
俺が寢らない方のベッドに指を指して言う。
「つまんないのー」
「綾人のヘタレ」
「いや、2人のこと考えて決めた結果なんだが!?」
2人が悲しまないように考慮して決めたというのにこの始末。ひどくね?
「と、とにかく荷物置いて集合場所に向かうぞ」
「あ、綾人君逃げた」
「やっぱりヘタレ」
当然俺はスルーする。いやするしかない。2人とも可愛いから理性が崩れるかもしれないという理由なんて言えない。
「そ、そうだお前らは登山とかしたことあるのか?」
「私はないかな、それに私どちらかと言うとインドア系だしね」
「私もないねそもそも体力持たないんだよねー」
真奈はスポーツはある程度できる方だが茜に関してはスポーツはからっきしだ。
「綾人はどうなの?」
「俺に聞くとは、これでも茜とは幼い頃からの関係なのに分からないのか?家から出ることなんて稀な俺がそんなWi-Fiに繋がらないとこに行くと思うか?」
なぜか誇らしげな顔の綾人を2人は少し引いた目をして見ていた。
「どうしたんだ?2人ともなんか死んだ魚の目なんかして」
「気のせいだよ、ね?茜ちゃん」
「うん、それよりも集合場所に行こうよ」
2人は俺を置いて部屋を出ていってしまった。
「ちょ、ちょっと俺を置いて行かないでくれ」
俺は2人の後を追いかけようとして、、ドスンッ!、、
ドアのへりにつまずいてこけた。
「ん?どうしたの?綾人君!?」
続いてやって来た茜が転んだ理由を察し、スリムなお腹を抱えながら笑った。
「ははは!綾人って、はは、昔からこうドジな所あるよね、はははは!」
痛みを押さえながら立ち上がった俺の肩をバンバン叩いてくる。予想以上に痛いんだが。
「綾人君大丈夫?」
「まぁ、なんとかな、やっぱり真奈は優しいよな」
「そ、そんなことないよ」
そう言いながらも真奈の頬はほんのり朱色に染まっている。
「ごめんって、綾人ー」
「絶対に思ってないだろその顔」
軽く謝りながらも少し口角が上がっている。
「まぁー、別にお前には前からこういう場面を見られてばっかりだからもういいだけどな」
「確か綾人、小学生の頃に家族とボーリングに行った時...」
「スト、ストーップ!!茜そこまでだ」
それはダメだ。俺の人生の中の数ある黒歴史の中のひとつだ。
「どうしようかな~、今度カフェしてくれるなら黙っててあげる」
「分かった!分かったから早く行くぞ」
「えぇー物凄く気になるよー教えてよー」
そんな真奈を隅に茜は口元に笑みを浮かべながら「綾人を脅すネタも見つかったしそれに今度カフェ行けるんだし、林間学校も捨てたものじゃないね」と思っていたが、登山が想像以上にきつくて後悔することになることはまだ知らない。
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投稿遅れてすみません。多分、もともと低い腕がもっとなまっていると思いますが、次話からはなるべく早く出せるようにしますので....多分。
陰キャオタクの俺がなぜか、ハーレムラブコメ主人公になったんだが!? 琴葉あきと @akitoyt_NIino_
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