第16話陰キャオタクの俺がなぜか美少女を甘い雰囲気を作ってしまったんだが!?

2年生の全生徒が並び終えた後、教師による林間学校での主な予定を20分程淡々と聞かされた。事前にしおりで大まかな内容は記載されていたが、しおりに書かれていない注意事項やその他の連絡事項などを話すためでもあったのだろう。


ちなみにこの2泊3日の林間学校でのスケジュールはこのようなものだ。


[1日目]

・登山

・体育館でのレクレーション

・カレー作り


[2日目]

・勉強会

・グラウンドでの運動

・食堂での食事


[3日目]

・自由時間 

・帰校


といったものだ。

東京という大都会では味わえない環境なので、普段経験しないもの多数ある。

なんと言っても登山と運動という陰キャオタクの俺にとっては地獄でしかないため綾人ら陰キャ組からしてみれば初日から憂鬱でしかない。


なぜ登山の後に男子が適当に野菜を切ってそれを女子が怒ってみたいな感じでまたいろんな意味で体力を使いそうなカレー作りなのかと思ったが、山の天候は変わりやすいのはもちろん2日目の夜は降水確率が高く曇りのうち雨の予報なので急きょカレー作りを1日目に持ち込んだらしい。


そうこうしているうちに教師の日程説明や代表生徒の「悔いのない林間学校にしましょう」とか個人的にいる?って思ってしまうような到着式が終わっていた。


どうやら次は2日間お世話になる校舎に入って、グループそれぞれの部屋に荷物を置いてまた再度集合するらしい。


ふと肩を軽く叩かれたので誰?と思い振り返ってみると、そこにはそこはかとなくこの林間学校が楽しみな表情をしている美少女がいた。一本一本綺麗に透き通っていて風になびく腰ぐらいまでの長さがあり、黄金のに輝く金髪姿がトレードマークの美少女––––––––真奈だ。


「綾人君、他のグループの人たちも動き始めてるから私たちも動こっか」


「そうだな....って茜は!?」


荷物を持ちいざ!ってところで大事な忘れ物..いや忘れ人か?をしていることに気づく。


俺の幼馴染みの髪はピンク色でギャル染みた美少女。

真奈とまではいかなくても学園TOP5以内にはランクインする人気な女子だ。


「あー、茜ちゃん?それならあそこの女の子たちと話してるよー」


真奈が指を向けた先には茜と同じようなギャル高校生たちとワイワイ騒いでいる茜がいた。


(茜、やっぱ目立つなぁー)


チラチラと茜の様子を窺う男子たちの姿も見てとれる。


(まぁー可愛いしな...当然俺なんか茜に釣り合ってないよな)


ここ山奥に世界最高クラスの鈍感スキルを持った男子がいた。


綾人は茜の元まで歩いていき茜に話しかける。


「茜、部屋に向かうぞー」


「あっ、そうだったねオッケー」


茜はまたねと友達に告げると綾人の隣に並んで歩き出す。

隣にはもちろん真奈もいるが。


「綾人ー」


「ん?なんだ?」


「私たちの寝込みを襲ったらダメ、だよ?」


「へ?」


唐突に意味のわからないことを言ってきたので思わず間抜けな声を出してしまう。


「どうせ綾人のことだから不埒なこと考えてるんじゃないかなーって」


「いや襲う気なんて1nmナノメートルもねぇーし、それに俺をどんな奴だと思ってやがるんだ」


そんな人間だと思われてるんなんて....全く迷惑なものだ。まずそんなことをする勇気が無いからね、、


「1nmってわかりにくいようなー」


茜がん〜と唸る。


「綾人君!私なら襲ってきても良いよ!」


いや、便乗するとこじゃないだろ。周りの視線が痛い。女子たちもえっ、て顔をしている。


「遠慮しときます」


「えぇー、そんなに私魅力ない?」


「いや、別に真奈に魅力がないわけじゃないしつ、つーか魅力がありすぎるというかなんというか、、」


しょぼんと顔を暗くした真奈だったがすぐに顔をぱぁ!と明るくして笑みを浮かべた。


「そ、そう?あ、ありがとね!」


頬を少し赤らめながらためらいがちに言ってくる。なんとも可愛いらしい。


「お、おう」


その途端左腕をムニっとつねられた。


「隣にも美少女がいるっていうのに放って置いて」


少しムスッとした茜がそっぽを向く。つねる強さも増していく。


「す、すまん、だからつねるのやめてくれませんか!?」

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