第14話陰キャオタクの俺がなぜか美少女たちのグループになったんだが!?
「「俺、真奈ちゃんを誘おうかな」」
「「茜ちゃんと真奈ちゃんと同じ班とかだったらマジ天国だよな」」
周りの男子は会話などではちゃん呼びするがどうも本人の前になるとなぜか名字呼び+さん呼びになるといった不思議なことがある。
その会話を筆頭にクラスが騒がしくなる。男子は男子で女子は女子で集まり、あの男子はあーだの、あの女子はうーだのとグループに入れる人選びを既にはじめていた。
どうせ誰からも誘われなくて余り者で構成されたグループになるだろうと思い、決まるまでの間ライトノベルでも読んでおこうと本を取り出そうとしたところで、2人誰かがこちらに向かってくる足音が聞こえた。それと同時に少しクラスの会話のボリュームが落ちた気がする。
「綾人、私と一緒のグループにならない?」
「綾人君!私と同じグループにならないかな?」
と、ほぼ同じ事を言ってきた人物はそう、我らの学園一の''
「え?なんで俺?」
まさかそうそう早くにグループのお誘いがくるとは微塵も思っていなかったため、動揺する。
「そうだよ!でもなんで茜ちゃんも?茜ちゃんの周りにはたくさん友達いるんじゃないの?」
「わ、私だって綾人の幼馴染みだから。そちらこそ組みたそうにしてる人は沢山いるじゃない?」
「私は綾人君と組みたいからなの!」
「私だって!」
ぐぬぬっと可愛い顔で睨みあう、喧嘩している小動物のようだ。
威圧がまるで感じられないのは気のせいではないだろう。
な、なんとかしないと、、、
「そ、そうだ2人とも俺、と同じグループになればいいんじゃないか?」
そう案を出すとそうだ!と真奈が良いことを思いついたような顔をする。
「たしか3人のグループがあったよね!綾人君と真奈ちゃんと私で3人にちょうどなるらからそれで良いね!少し、府に落ちないとこもあるけど」
最後の方はあたかも独り言のような言い方でチラッと茜の方を見ながら言う。
あれ?真奈ってこんな感じだったけ?うん、絶対違う。
「なら決まりね。」
と茜は言い、先生に決まった事を報告しにいく。完璧に真奈のちょっとした文句はスルーしていた。あれ、前仲良かったように見えたんだけど、、、
何か複雑な事でもあったんだろうか。と綾人は自分のせいであるとはつゆ知らず思うのであった。
放課後、教師にちょっとした事情で職員室に召喚された後、廊下を歩いていたところ、2階に繋がる階段の踊り場で、聞いたことがある声が聞こえてきた。
「––––––––ん、、こんな時間に呼び出しちゃって」
途中からしか聞こえなかったが、多分ごめんと言ったのだろう。
「ううん、いいのそれで話って?」
聞いたことがある声の正体は真奈だった。話し相手は男子らしい。
「あのさ、、、、俺、、、夜桜さんのことが好きなんです!なの、なので付き合ってください!!」
ヤバいこと聞いちゃったよ。たしか真奈て入学式の初日から告白を数十件も受けた事があるって噂になっていたがそれは事実らしいな。可愛いもんな。ちょっと強引だけど。
「ごめんね、ちよっとそれはできないかも、、、」
「そっか、、もしかして好きな人、、いたりするのかな?」
それを受けて少しだけ真奈が頬を赤らめる。
「うん」
「それって、––––––のことか?」
ちょうどいいとこで救急車が通りかかったためよく聞き取れなかった。
ちょっとは空気読んでよ!しかも大事なとこで!いや緊急だから仕方ないけど!!
「うん、そうなるかな、、」
「分かった。じゃあ」
そう言って男子生徒は悲しげに立ち去っていった。なんかかわいそうだったな。
真奈が階段を降りてこようとしたので、半ばストーカー行為を終了し、急ぎ足で部活に勤しむ生徒たちの声が聞こえる学校を後にした。
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