第13話陰キャオタクの俺がなぜか美少女に膝枕してあげるって言われたんだが!?
茜から逃げるように教室に入った。
「ちょっとー、綾人待ってよー」
綾人という言葉が出た瞬間クラスの男子が一斉にこちらに視線を向ける。
「くっ!!!」
男子の悲痛な呻きが聞こえてくる。本当、なんで真奈と言い茜といいなんで俺に構うようになったんだよ。
そんな状況に気付いているのかいないのか分からないが、また爆弾を落としそうな人がやって来る。
「おはよう!綾人君!」
本当に殺されそうなぐらいの殺意を込めた視線が綾人に深く突き刺さる。
「お、おはよう真奈、、」
「あれ?なんか綾人君元気ない?」
いや、あなたのせいでもあるんですよ、、
もちろん、そんな事本人の前では言えないので、、
「いや、大丈夫寝不足なだけだから」
一応事実でもあるから大丈夫だろうと思ったが人生そんなに甘くない。
「え?寝不足なの?大丈夫?私で良ければ''膝枕''してあげるけど?」
「いえ、結構です」
もちろん嘘である。
綾人も既にそういう年頃、本当は夜桜真奈という存在から膝枕なんて光栄好きで成仏してしまいそうなくらいに嬉しいが、状況が状況。それに超絶美少女の膝枕なんて日本中、いや世界中の男子が望んでいる事だろう。
「え?なになに?真奈ちゃんより私の膝枕の方が良いって?」
対抗しているのか分からないが茜も余計な事を言い出す。
「「くそ、俺だって真奈ちゃんの膝枕して欲しかったのによう!!」」
「「俺は茜ちゃんだな」」
そんなことが男子らから聞こえてくる。女子は男子達をマイナス50度ぐらいの物凄く冷たい目で見ているが。
「いや、誰もそんなこと言ってねぇーよ!」
綾人は必死で反抗する。それにちょうど良いとこに––––––––
「お前らー自分の席に着けー」
残業でみるからに疲れていそうな担任の教師が口を軽く抑えながらあくびをしながら教室に入ってくる。ナイスタイミング!
そう言われ自分も含めクラスメイトたちが静かに自分の席に戻っていく。
教壇に立った教師が今日の日程や連絡事項を伝えていく。教師はそれと–––と付け加え、
「以前から言っていたように林間学校についての説明を6時限目でするからなー」
と綾人からしたら大変迷惑な事を知らされる。
林間学校か、そういう系のはあまり好きじゃないんだよな。なんたって、
〈〈友達いないから。〉〉
そんな自分を悲しく思っている間にホームルームが終わり、皆、ぞろぞろと掃除の準備をする。
それから午前の授業が終わり、6時限目が始まる。
綾人は6時限目なこともあり半ば眠りそうになりながら、授業を受ける。
「HRで言っていたように、今日は林間学校の詳細とグループ決めをしてもらう」
げっ、、、、
班決めは世界で一番嫌いなことなのに....
これまでグループ決めは数回あったが全部、自分を誘ってくれた人は誰1人といなかった。
「このクラスは合計43人のクラスなので5人グループが8つ、3人グループが1つといったことになる。3人のグループは、少し大変になるがそこは頑張ってくれ」
できるだけ人が少ないグループがいいと思っていたため3人グループが良いなと綾人は思った。でも入れてくれるかが問題だよな。
グループでの活動内容、グループ構成ついてはこういったことが言われた。
・食事はグループごとに作る。
・部屋はグループ全員共同。
・行動はグループで行う。
他にも色々と言われたが重要そうなのはこれくらいだった。
又、グループ構成については
・男子、女子だけのグループは禁止
といったものだった。要するに今回の林間学校は男女合同ということなのだろう。
男女同じ部屋で一夜を明かすということは学園側はちゃんと分かっているのだろうか。
何か問題が起きそうなものだ。
逆に学園側はそう仕込ませているかもしれない。流石にそれはないだろうけど。
「では今からグループ決めをしてもらう。決まったグループから伝えにこい」
そう言い教師は自分の役目は終わったと言わんばかりに、教壇から離れていく。
「さぁて、どうしたものかな」
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