第12話陰キャオタクの俺がなぜか幼馴染みにからかわれてるんだが!?
「ふぁーーっっ」
騒がしいアラームがなる朝、目を擦りながら、なんとも見っともないあくびをする。
今日は月曜日というつらい一週間が始まるという日なのに、昨日、世界中が想像しなかっただろうハプニングが起きて、全然寝付けなかったのだ。
なにせ超高額投げ銭、、、
マジぱねぇー。
「ベットから出たくない!」と伝わってきそうな体を無理矢理動かし、一階に降りる。
「母さん仕事行ったんだっけ」
目を覚ますために、自分の顔を叩く。
「痛いな」
リビングに行きキッチンの棚からチョコパンを取りだし、かぶりつく。
チョコパンはいつでもどこでも美味しい。
そう思いながらリモコンを手に取り、テレビの電源を付ける。
「「昨日、T○itterのトレンド入りしたあることがネット上で有名になっています」」
「「そのあることとは!?」」
そうアナウンサーが続きが気になるような事を言い、CMが流れる。
テレビでよくあるやつだ。
ものすごく嫌な予感しかしない。
CMが終わり、またニュースに移る。
「「そのあることとはなんと、とあるゲーム配信者が配信をしていたところ、視聴者からなんと100万円以上の投げ銭があったという、普段生活していて考えられないことが起こったということでした!」」
案の定予想していたことだったため興味がなくなったニュースを尻目に学校の準備を始める。
準備を終えて、誰も居なくなった寂しげな家を出て、学校に向かう。
家を出て15分ぐらいでとある人物に話しかけられた。
どうせ真奈だと思ったがそれは違ったみたいだ。
「おはよー綾人ー」
軽い挨拶とともに現れたのは俺の一応幼馴染みの茜だ。
「おう、おはよう茜」
「朝から元気ないねーなんかあった?」
そういい茜が俺の顔を覗いてくる。
近距離で覗いてきたため、茜の女子高生の甘い匂いが伝わってくる。綺麗にセットされたまるで桜のような薄いピンクの髪もしっかり見てしまった。
それに見惚れて、一瞬立ち止まってしまった。これは不可抗力。
「どうしたのー綾人もしかして私に見惚れた?」
「べ、別にそんなんじゃねぇーよ」
図星だったため、いかにもツンデレなフレーズを言ってしまった。
「それはそれとして何があったの?」
逸れてしまったが話を茜が戻す。
「いやT○itterのトレンド入りしたものがネット上で有名になってるだろ?」
「あー、うん私それ見てないけど、確かに有名なってるよね」
「その配信者俺なんだ」
「ん?え?今なんて?」
茜の反応も無理もないだろうと言うかその反応が普通だろう。
しかもそれが「昨日、友達と遊んだんだ」レベルにあたかも普通のことのように言ったからな。
「だから、ゲーム配信してたらお前も知ってるというかほぼ毎日会ってる人に投げ銭されたんだよ」
「え?それってマジ?」
いかにもJKみたいな反応をする。いや本当に茜はギャルよりのJKなんだが。
「うん」
「へー驚きー、というかその投げ銭してきて人って誰なの?」
聞いてくると思った。
「聞きたいか?」
そう言い、聞かないで欲しいオーラ全開にした。
「まぁー、気になるけど、、、あっ、、、なんとなく想像できたかも」
「なんだ?分かったのか?」
「100万円も投げ銭できて、綾人のこと知ってるって言ったらあの人しか居ないよね」
「それ以上は、、、もういいだろ?」
そう言い、その話はほぼ強制的に幕を閉じた。
「そういえば、林間学校がもうすぐあるよね」
「あー、そういえばそうだな」
「班どうなるんなろうねー綾人大丈夫?」
「全然大丈夫じゃない、仕方がなくなったらお前の班に入ろうかな」
「えー、別に私は構わないけど班の女子がね、、」
「冗談だ」
「半分本気だったんでしょ」
事実だが、なんだか恥ずかしいのでスルーしておく。
それに林間学校なんて、陰キャオタクの俺にはきつすぎる。俺のカレー誰がつくるの?レベルでボッチだから。
「確か綾人ツインテール好きだったよね」
「え?あーうん好きだが?」
「あの1年生の子ツインテールだよねそれに確か相当男子から人気だったよね」
あの子も由比ヶ崎学園のTOP5メンバーだが充分茜もそのうちの一人だから。
だってほら既に、怒りと恨みをのせた視線がグサグサ刺さってきてるし、ね?
「お前それ、ブーメランだぞ、まぁ可愛いと思うけど、俺には関係ないだろ」
「綾人真奈ちゃんと私という存在がいながら、やるねぇー」
「なぜ真奈が出てくる」
「ほら"真奈"って言ってるし」
「そう呼べって言われたんだよ、それだけの関係だ」
これ以上からかわれ、もとい関係を探られるのは避けておきたいので、いそいそと速く歩く。
「逃げてるところがまず怪しいよね」
そう茜がニヤニヤ笑いながら追いかけてくる。
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