第11.5話陰キャオタクの俺がなぜかとある人に高額投げ銭されたんだが!?

真奈とのデート...デートなのか?いやもうあれはデートだ。

それから一夜明け今日は日曜日だ。

寝過ごすという失態を犯し家に着くのが遅くなり寝る時間が遅かった為かまだ眠気がある。


自分の部屋から出て一階に降りていく。


「うわっっっ!?!?」


その瞬間、綾人は階段を踏み外し、こけた。家中に鈍い音が響く。


「痛ってー」


「どうしたの?綾人?」


自分以外にいるはずもない家なのになぜか声が聞こえた。

心霊現象なのか?いや違うこれは、、、


「お母さん?」


「ただいま綾人~それより哀れなこけ方してたけど大丈夫?」


「帰ってくるなら言ってよ、心配してくれるのはいいけど一言余計だよね」


「ごめん、ごめんって」


いかにも反省もなにもしてなさそうな謝罪だった。


「それより今日も1人で居るの?」


昨日はデートしてきたと言いそうになったがめんどくさそうなのでやめておく。


「早く彼女作ったほうがいいよ~高校生のうちにしておかないと損するよ」


社会人になったらキャッキャッウフフができなくなるということだろう。

陰キャにとって彼女という単語はNGワード。話を変えなくては。


「そ、そんなことより、ゲーム開発はどうなったの?」


そう、お母さんはゲーム開発に携わっているのだ。ギャルゲの。


「あー、あれなら終わったよ。ベータ版持って帰ってきてるけど綾人はする?」


「いやいいかな、自分で製品版買ってするよ」


「そんなことに貢いでるから彼女出来ないんじゃないの?」


「べ、別にいいだろこれで満足してるんだから」


「そ、ならいいけど」


親との会話をした後、朝食などを済ませ、部屋に戻る。


「よし、始めるか」


部屋の電気を消し、ゲーミングチェアに座り、配信の準備をする。


それに伴ってゲームを起動する。今話題の現代戦FPSゲームだ。


ちなみに一度日本大会で優勝したことがあるため、配信を見る者は以外に多い。


配信から30分ぐらいたった後突然投げ銭が飛んできた。


「えーっと、い、一万!!ナイトチェリーさん投げ銭ありがとうございます!ガチャにでも使ってください。ありがたく使わせていただこうと思います」


あ?ナイト、、チェリー、、、夜と桜だよな。


「ハッッ!!??」


まさかそんな訳ないよな。教えてないし。


もう一回投げ銭が飛んできた。それもまたナイトチェリーからだった。


「またナイトチェリーさん一万投げ銭ありがとうございます!!」


こんな一分もしない内に二万円も使うなんてもう財閥の令嬢でもある真奈しか思いつかない。

しかも昨日はありがとうともきた。何がありがとうなんでしょうか。これじゃデートするから金払えみたいじゃないか。


しかもそれが後二回も続いた。合計で10万も投げ銭された。嬉しいけどなんか嬉しくない。十万課金しろと!?


同じ人が立て続けに大金を投げ銭したことで配信の視聴人数が3400人になった。


チャットには

「もっともっと!」

「さすがに草通り越して森」

「俺にもこんなに投げ銭してほしいわw」

「もちろん全額課金しますよね?」


とかで溢れていた。視聴人数増えたのは良いけど、、、全額課金は控えめに言って論外だ。


「なら、五万円分ガチャ引きたいと思います」


宣言通り五万円課金しガチャを引く。


五万円分なので相当十連を回せるはずだ。


結果はかなり引かないと当たらないURが5回だった。

他はSSRが23回、SRが60回だった。


他人のお金を使って課金しているのでなんとも胸が痛い。真奈からしたら痛くも痒くもないだろうけど。


「ん?」


予想もしなかったことが起きてしまった。もう投げ銭がトラウマになることが。


「ひゃ、百万!?!?」


なんと真奈から百万円投げ銭された。

逆に百万以上の投げ銭できるんだとわかった。

もう次元がおかしすぎる。


こ、これは夢だな。


そう思い頭を机に打ちつけたが、痛みを感じた。


課金、課金ばっかチャットで飛び交っている。

そんなに課金したくないんだが。


――体どうしたらいいんだ。――


ちなみに某つぶやきサイトではトレンド入りしたのは周知の事実。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る