第11話陰キャオタクの俺がなぜか美少女の世界遺産級の笑顔を見たんだが!?

雨が降り注ぐ夜10時の街灯一本で照らされる都内の公園


「「なんだよ、こんな時間に呼び出して」」


「「私、他に好きな人ができたの....」」


「「どういうことだよ真奈子...冗談だよな?昼ドラの真似か?」」


「「いや違うの、本当のことなの、それにもう赤ちゃんもできたの」」


「「嘘...だろ...」」


「「綾男がいけないんだよ?私見ちゃったの、残業で忙しくなるからって言っておきながら見知らぬ女と一緒にホテルに入っていく瞬間も」」


「「た、ただの見間違いだろ!?」」


「「ううん、ちゃんと証拠もあるの」」


綾男が女性の腰を抱きながら、「ご休憩3000円~」と書かれた建物に入っていく瞬間が写された一枚の写真を見せる。


「「ツッッ!!??」」


「「やっぱり、、、」」


「「もう、別れましょう」」


真奈子が走り去っていく。


「「ちょ、ちょっとまてよ真奈子ーーー!!!」」


「「「完」」」


画面が黒くなり、曲が流れスタッフロールが流れる。


「いや、なんだよ!この映画!!」


「つーかなんだよ真奈子と綾男って!」


「んぐっ、うぅ、、」


真奈がなぜか鼻をすすりながら泣いている。


「ど、どうしたんだ真奈!?」


「いや、あのね悲しすぎて涙がなぜか止まらないの、、、」


「お、おう。そうなのか、真奈が感動したのならそれでいいけどさ」


そういやこの映画がツッコミどころ満載で真奈のこと全然気にしてなかったな。

それとなんだよあの名前。


映画館を出ると既に夕方だった。



「うわ、もうこんな時間か」


「なんか今日一日中あっという間だったねー」


「そ、そうだな」


今日は学校一の美少女と一日中一緒にいたというなんと素晴らしい日だ。

そんなことが学校、真奈に告白したが無念にも玉砕していった奴らに知られたらと思うと、、、


「今、運転手を呼ぶね!」


「あ、俺はまだ用事があるし電車で帰るから俺は大丈夫かな」


「そうなんだ...うん分かった!」


「じゃあまた学校でな」


「あっ、綾人君!」


歩きだそうとした途端、真奈に呼び止められた。


「なんだ?」


「あの、今日一日中付き合わせてごめんね、私は楽しかったよ!」


「迷惑だったかな?」というような顔を真奈はしている。


「いや、あんまり誰かと行動することなんてあまりなかったから、疲れたけど俺も

それなりに楽しかった、うん」


なぜか物凄く恥ずかしい。確実に顔が赤いだろう。


「それなら良かった!また今度誘っていいかな?」


「え?べ、別に構わないけど」


「ほんとに!?ありがとう!」


真奈が今日一番の笑顔を見せる。夕日に照らされた綺麗な金色の髪はより一層美しく輝いてみえた。一日中色々なことがあったけどそれらを一瞬で忘れさせる程までに美しかった。


もしかしたら俺は夜桜真奈という存在に惚れてしまったのかも知れないそう思った。


「綾人君顔赤いよ?」


「ゆ、夕日のせいでそう見えるんだよ」


綾人はすぐに下を向く。


「そ、そんな笑顔を見せられたら絶対に次から断れねぇーよ」


そう小声で呟いた。


「何か言った?」


「いや、なにも...」


すると二人の横に数時間前に乗った黒塗りの高級外車が止まる。


「そう、もう迎えの車が来たみたいだし、今日はこれでお別れだね」


「ああ」


「ではまた今度綾人君!」


「ああまたな」


真奈は車に乗り手を振ってきた。


それに応えるように綾人も手を振る。


真奈を乗せた車は動き出し、数十秒後には見えなくなった。


「俺も帰るか、あ、食材買い忘れないようにしないとな」


綾人は電車に揺られ、一日中動いた反動もあり綾人は目を閉じてしまった。


「、、、、」


「———です」、「——終点光塩山こうえんざん駅です」


「—ハッ!」


目が覚め、車内の電光掲示板はみると「「次は終点、光塩山」」と表示されていた。


「ねっ、寝過ごした!いや待てよ!?....乗る電車すら間違えてるじゃねぇーか!!」


~~現在夜9時37分~~

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