第10話陰キャオタクの俺がなぜか美少女に萌え萌えキュンしてもらってるんだが!?

「に、似合ってると、思う...」


本当は物凄く可愛いと思っているのだがどう考えたってそんな事言えやしない。


「ほんとに!?良かったーー恥ずかしいのに似合ってないなんて言われた飛び降りるところだったよ」


「いや、飛び降りるまでのことかっ!!??似合ってるって言って良かったわ」


「だって綾人君のために着たんだから似合ってないなんて言われると....」


「お、おう」


客やメイドらが温かい目でこちらを見ている。


「絶対勘違いしてるよな、、、」


「ん?なんか言った?」


「いやなんでもない」


ようやくオムライスが運ばれてきてやっと食べられるのかと思ったがそういう訳にはいかないようだ。


「綾人君!ハート描いてあげるね!あと萌え萌えキュンとそれに食べさせてあげるから!」


真奈が嬉しそうに言ってくれるが嬉しさなんかより恥ずかしさの方が勝ってしまう。

考えてみろ、学校一の美少女に萌え萌えキュンとかはいあーんとかされるんだぞ。いやまてよ。全然良くね?いやいやマズイだろ。


「美味しくなーれ萌え萌えキュン!!」


そんなこと考えていたらもう既に時遅し。既に萌えキュン言いながらオムライスにケチャップ描いてやがる。


「は、ちょ、」


みるみるうちに顔が赤くなっていくのが自分でも分かる。


相当パニックな綾人のことなどつゆ知らず、オムライスをスプーンですくって綾人の口にスプーンを近づける。


「はい、あーん」


もうやめてくれ。そう切実に願った。


仕方がないので口を開ける。


オムライスが口の中に入っていく。そもそもメイドカフェにあーんサービスとかあったけ。


「どう?」


「まぁ、良かった」


「ならもう一回する?」


「だが断る」


真奈が心底残念そうな顔をする。


「えー、そんなぁー、まぁいいよね!!」


「何がいいnッッ!!!」


真奈がその綾人が食べたスプーンでオムライスを食べる。


「真奈、おまえ、、いや、なんでもない」


真奈が今日という今日はなんかグイグイくる感じがものすごくする。


それから食事が終わり、店を出る。


もう帰りたい。疲れた。


「次どこ行く?」


「まだどこか行くのかよ」


「ダメかな?」


出たよダメかな攻撃。


「いや別にいいけど、どこ行くんだ?」


「そうだねーどこかいいところはー、、、」


「あっ」


綾人はスマホを取り出しちょっとした事からあんな事やこんな事まで教えてくれる物知りな先生をつかって検索する。


「よし、空いてるな」


「どうしたの?綾人君」


「ちょっと急ぐぞ」


綾人は真奈の手を握り、走る。


「ハァ、ハァ....」


「着いたぞ」


真奈が顔を見上げる。


「映画館?」


「そうだ」


「チケットはどうするの?」


「もうとってある」


綾人は座席の番号が書かれたスマホをみせる。


「え!!ありがとう綾人君!」


「いや、別に礼を言われることじゃねぇーよ」


機械からチケットを受け取り上映されるシアターに向かう。


「ポップコーンでも食べるか?」


「私は良いかな。太りそうだし」


「そうか、なら俺もいいかな」


「何の映画?」


「それは見てからのお楽しみだ」


「分かった」


チケットに書かれた座席を探す。


「えーっとEの16はー」


「あったよ綾人君!」


「おう」


座席に座り上映を待つ。


「「映画の違法ダウンロードは犯罪です」」


映画の予告や映画館でのマナーなどの映像が流れていく。


ただ真奈との距離が近い。映画では物凄く近距離になるんだった。いい匂いがする。


室内の明かりが消えていき暗闇の世界になっていく。


「楽しみだね綾人君」


真奈が小声で喋りかけてくる。


「まぁな」






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