そして舞台の幕があがった 7
私はその声を不審に思いこう呼びかけた。
「誰かいますか?」
するとすぐそばの木から一人の男性が落ちてきた。その男性は一人で何かを呟いていた。何を言っているのかはよくわからなかったけど……
聞こえた限りではイメージトレーニングはばっちりだったのにと呟いていた。
イメージトレーニングばっちりだったのに落ちてちゃダメでしょうと思ったが、あえて口には出さないようにしていたのにラシェがこう言った。
「お前かっこ悪いな。それとイメージトレーニングはバッチリとか言っちゃダメなセリフだろ……」
それ私が言わないようにしてたセリフ! なんで言っちゃうのかな……でも彼には聞こえていなかった様子でぽかんとしていた。
そして彼は勝手に自己紹介を始めた。
「僕の名前はローガン・フォーサイス。忍に憧れているんだ。忍知ってる? かっこいいんだよ? 僕はね憧れているんだ! 忍は昔、確かスフィナヴェールのカールキャビクという土地だったと思うんだけど……よく覚えてないや。でも足音をさせないで走ったり布かなあれはそれに木の幹の絵が書いてあったりしてそれを使って隠れるんだ! 凄いでしょう? あとね……」
と永遠に忍の魅力について語りそうだったので私はそれを遮った。
「忍の魅力は分かったよ。でもなんであんな所にいたの?」
「高いところからバレないように様子を伺うのも忍だからね! でも君の方が凄いと思うよ? 動物と話せるなんて! 僕にはニャーニャー言ってるようにしか聞こえなかったから」
と言われたので私は驚いた。そういえば人前では話さないようにってラシェが言っていた気がする。私はまずいと思ったが彼はそんなこと全く気にしてないようだった。
彼はさらに続ける。
「でも動物と話せるなんて凄いね! 僕にはない力だよ。羨ましい……僕にあるのは魔法の能力くらいだからね一通りの魔法なら出来るよ! 基礎魔法、上級魔法色々ね人に習えば直ぐに出来るようになるから僕は魔法士見習いをしていたのだけど逃げてきちゃった。勿体ないことしたかな? 師匠今頃探してると思うな」
私はその話を聞いて羨ましいと思った。そんな気持ちを察したのかラシェが話しかけてきた。
「君も魔法使えるようになるよその封印が解けるならね。それに君が魔法を使えるようになるために僕がいるってこと忘れないでよ?」
「そうだね。ありがとうラシェ」
「ちょっと! 僕にも通訳してよ? 僕わかんないだからね」
そう不満を漏らすローガンを無視して私は考え事をする。
読者の皆様へ
誠に勝手ながら、この作品は完結とさせていただきます。
申し訳ございません。
見習い魔法使いと幸運を呼ぶ白猫 星塚莉乃 @americancurl0601
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