第9話『倒れる陰、ヨガミ』

 前回のあらすじ


ベヒモスの他にランクSSSがまだ居るそうで。

ランクSSS捜索隊結成!!

こんなイベント無かったから少しわくわくしている自分がいる。でもどんな魔獣なんだろ?笑顔でえげつない事を言うスピルカ先生が…いや、ナンデモナイデス。



「へぇ…魔法学校の中ってこんな感じなんだ。何処かの王宮みたいだ。っはは!」


『…。』


「ルシファー?」


『何か、居ます。』


「魔獣だろうね。取り敢えず手を加えるつもりは無い。俺はゼウスじゃなくてが気になるんだ。


まるで…


が。」


『追跡しますか。』


「あぁ、そうしよう。

ルシファー、頼むよ。」


『承諾。飛行に移行します。』


……


『…』


ゼウスが右を向いていた。

あっちは僕らがベヒモスと初めて出くわした所だ。


「ゼウス?」


『…いや、何でも。』


?変なの。プロメテウスは嫌そうな顔をし


『ケッ…

んな奴ほっといてさっさと行こうぜぇ〜?』


と言うとヨシュアに


「こら。」


と短く怒られていた。メルトちゃんはスルーし、キョロキョロと辺りを見回す。


「取り敢えず動かないと探せないわ。」


「僕達は中をよく知らな………」


いや、僕は建物の構造をよく知っているはずだ。此処は沢山あるホールの内の1つ。

場所が変わってないのなら把握出来る!


「大丈夫!何とかなるよ!

皆に被害が及ぶ前に探そ!」


「「うん!」」


とても広いこの空間。歩くのは大変だ。

かといってプロメテウスに頼むと僕の席は無い。

ゼウスに言うとプロメテウスと喧嘩する。


神様なのにな…。


「あ、ねぇ!あそこみて!」


メルトちゃんが前を指差す。

対象物は少し遠く、目を凝らすと…


見知らぬ人が倒れていた。


「ええぇえ!?」


「と、取り敢えず介抱しよう!」


黒いウネウネの髪の毛…

毛先が紫に染まっている…


「ま、まさか…」


こいつは…


「エクス君、知ってるの?」


「うん…知ってるよ…この人は…」


「「ごくり…」」




「僕の1番苦手なタイプ、【陽キャ】だ!!」



「「?」」

『『『?』』』


「間違いないよだってこの髪の毛なんて絶対高校でパッとしなかったから大学デビューして身も心も変わったと勘違いして乗り気になってる1番関わりたくないタイプだってマジでこれは」


「え、エクス?急にどうしたの?!」


「ハッ!」


あくまで個人の感想です!!


『マスターがおかしくなったのは兎も角…

コイツ、何者だ?』


気を取り直して…メルトちゃんがその人を

つんつんしている。


「おーい、大丈夫でーすかー?」


「ん…うぅ…」


声からして男の人だな。

メルトちゃんがつんつんするスピードを上げていく。最早啄木鳥レベルだ。


「ったいわ!!!

どうせ俺はロクデナシだよばーーーか!!」


つんつんされていた人物は怒りながらいきなり起き上がる。


「はれ?」


直ぐに間抜けな声を上げた青年は僕、

ヨシュア、メルトちゃんを見てからゼウス、

プロメテウス、アテナを見た。


「喰われる。あぁ、ホントに碌でもない人生だった全てはアイツを召喚したからであって俺自身は」


頭抱えて喋り始めたよ。ん…?何処かで…


「危険なこの場所でどうされたんですか?」


ヨシュアが男性に聞くと


「急な地震で魔獣達が興奮しちゃって暴走に巻き込まれた挙句に食い止めろとか無理難題を押し付けられたんだよ!あぁもうホントしんどい…!もうお前らが代わりにやってくれよ帰って寝たいんだっ!!」


と顔を近付けられる。よく見ると隈がひどいなこの人は。あれ?この人…もしかして。

でもこんな性格の人だから名前聞いて合ってたら疑惑メーターが振り切れるだろうしな。陽キャだと思ったら超が付くほどの陰キャだったな。仲間意識芽生える。


「ぼ、僕らはスピルカ先生に頼まれて檻から逃げたベヒモス以外のランクSSSの魔獣を探しているんです!」


僕を疑いの目で見た後、彼は首を横に振った。


「…お前ら新入生だよな。

スピルカがこんな危険な事を頼む訳ない。」


「それは俺らが勝手についてきただけです。

スピルカ先生は観念して託してくれましたよ。」


「…なんだと?」


ヨシュアの話を聞いて男性は目線を落とし

考える。やがて重たい口を開いた。


「名前は?」


「え、エクス=アーシェです。

 こっちが僕の相棒のゼウスです。」


『…』


「…」


いや無言て。


「俺がヨシュア=アイスレイン。こっちが俺のパートナーのプロメテウスです。」


『ふんっ』


「…」


プロメテウスに怒りもしない…

けど何考えてるのか分からない。


「私はメルト=ガーディア!

こっちの美人がアテナよ!」


『ま、マスター…』


「…はーん。オリュンポス十二神プラスアルファか。」


『プラスアルファて。

マスター、何か腹立つ殺していいか。』


プラスアルファのプロメテウスが青筋立てている。


「ダメに決まってるだろ。」


ヨシュアがそう言うと『チッ』と舌打ちして諦めた。


「…俺はヨガミ。ヨガミ=デイブレイク。」


ヨガミ=デイブレイク?……あ!!

やっぱり性格に難アリのヨガミ先生か!!

本人は口が悪いし根暗だけど、いざ言い返されるとガラスのハートが砕ける面倒臭い人!


「…何か失礼な事考えていないか、お前。」


ギクッ


「か、考えてませんよ!!」


「ヨガミさんは……その…

俺らと一緒の生徒ですか?」


違うよヨシュア!彼は先生だ!でも本人の口から聞いていないから喋れない!


「あ?俺は先公だよ。しーかーも!

お前らの副担任だそうだ暇じゃないのにアイツに任せればいいのにあーーーーもうホントやだ!これも全部アイツのせいだっ!!

おいお前ら!俺の……召喚獣見てないか!?えーと…頭キラキラでぱっぱらぱーの!!」


ぱっぱらぱー……。


「そんな感じの…神様?は見てませんが…。」


神クラス副担任を任せられるくらいだから

相棒が神族なのは間違いないな。

確かヨガミ先生の相棒って…


『あ!ヨガミ!

良かった、無事だったんだね!!』


「うげぇええええっ!!!」


四つん這いになって僕の真後ろに隠れる

ヨガミ先生。その原因は


『やぁ、何だか見た事のある顔が多いね!』


目が開けられなくなる程の光を放つ彼のせいだ。

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