第8話 「私はフウくんのものじゃないの?」

 やあみんな、フウマさんだよ。

 今日は待ちに待った週末だ。いつも以上にオンリヴに打ち込めるよね。

 え、リンダさんとデートしないのかって?

 はっはっは、一緒にオンリヴをするという可能性だってあるじゃないか。

 ごめんなさい。白状します。そんな予定はありません。

 何ならリンダさんはユッキーとデートに行っております。ふたりでショッピングなんだってさ。

 俺はアイゼンブラッドの中央広場。そこにぼっち。


「いやはや……」


 リンダさんが羨ま……羨ま……しくはないな。

 むしろ同情する。ユッキーとデートとか心身が絶対に疲弊するし。

 故にリンダの方がこちらを羨ましいと思っているのでは?

 何故なら俺は今日おシズさんとオンリヴ内デートだから。

 いや冗談だよ。

 一緒には遊ぶというか、おシズさんのお手伝いはするけどデートではありません。男女がふたりっきりで遊ぶのはデートだ、というで解釈されたら何も言えませんが。


「さて」


 おシズさんはどこにいるのやら。

 中央広場で待ち合わせってことは決めてたけど、ここの中央広場って広さも人口密度もヤバいからなぁ。

 ま、どうにかなるでしょ。私達は自然と惹かれ合うから!

 なんて普段のノリで終わらせるべきじゃなかったかもしれん。メッセージ送っても返信がないし。

 もしかしてまだインしてない?

 それとも俺を置いてショッピング中?

 はたまた俺様の目の前に立つじゃねぇヒャッハー! してるとか?

 どれも十分にあり得る。


「ねぇ君、今ひとり?」


 どこに居んのおシズさん。

 そう思いながら広場をうろついていると不意にその言葉が耳に届いた。

 ナンパのようにも思えるが、パーティーを組みたいだけかもしれない。俺ならばよほどの理由がない限り、見ず知らずの相手を誘おうとは思わないだけにちょっとだけ尊敬する。


「良かったら僕とパーティー組んでくれない?」

「お誘いは嬉しいですけど、遠慮しておきます」


 声は明るいがきっぱりとした返事だ。

 もし俺ならこれで諦める。諦められる。

 それくらいさっぱりとした言葉……何か今の声、凄く聞き覚えがあるような。


「あ、待ち合わせしてるんだ。なら待ってるからその子が来たら聞いてみてよ」

「いえ大丈夫です」


 聞き覚えのある声だと思ったら、やっぱりおシズさんでした。

 特に髪色や髪型は弄っておらず、装備は革中心の軽装。でもショーパン派なリンダと違ってミニスカなのがおシズさんスタイル。長めのブーツを履いていることもあり、絶対領域が際立っております。

 でもそれ以上に目を引くのが背中にある大砲。

 これは《魔砲》と呼ばれる武器であり、名前が示すとおり魔法を砲弾として撃ち出す。ちなみに中折れ式を採用。ジョブ名はそのまま《魔砲使い》。

 このジョブは、砲弾の種類が多種多様であるが故に取得の仕方で火力型にも支援型にも慣れる。

 ただ複数の砲弾を同時に使用することは出来ず、別の砲弾を使う際にはカートリッジの切り替えが必要。

 また砲弾は全て魔法属性であるが故に対魔力の高い相手には効果が薄く、通常攻撃も魔力の砲弾であるためSPを消費してしまう。

 そのため状況に合わせた砲弾の選択や味方の行動確認、SP管理を常に求められる。攻略サイトなどではVRMMO初心者には推奨されていない難しいジョブのひとつだ。


「え、えっと……僕、これでも結構強いんだけどな。見た感じ君は始めたばかりって装備だし、それなりに手伝えると思うんだよね」

「待ち合わせしてる人が強いのでご心配なく」


 そこそこイケイケな剣士さん、取り付く島もねぇ!

 おシズさん、今日もパネェす。

 曖昧な返事をせずにきっぱりと断るのは良いことだと思うけど。でもだからって、あそこまで躊躇なく笑顔も崩さずに出来るのはおシズさんくらいではなかろうか。

 あと俺、そんなに強くないよ。

 ステータスで見れば遅れて始めたおシズさんよりは上だけど。でも一芸特化ビルドだから人型以外は同じレベル帯のプレイヤーと比べると並以下だし。


「あ、フウく~ん♪」


 ズギューン!

 そのへんの男子なら一目惚れしてもおかしくないだろうな。そう思えるくらいの愛くるしい笑顔を向けられました。

 まるで付き合いたての彼女が彼氏に向けるような顔です。

 何でおシズさんがリンダたそっていう彼女が居るお前にそんな顔すんだよ!

 なんて言いたくなる人がいるかもしれない。が、こんなの俺とおシズさんの間では日常茶飯事。だから諦めて。

 というか、実際のところおシズさんは目の前に居る男を撒くために普段より盛ってるだけだと思う。だから嫉妬とかしないで。


「もう遅いよ。私ずっと待ってたなんだから」


 彼女ボイスで近づいてきたおシズさん。

 その勢いを殺すことなく俺の腕をがっちりとホールド。

 お胸の感触が実に堪りません。

 まあリンダさんのお胸に負けてるけど。

 でもそれはリンダさんの成長度が凄いのであって、おシズさんのお胸も十分に大きい。そんなお胸の感触をそれなりに味わえる俺の立場を考えると……そのへんだけはやっぱ嫉妬してもいいわ。


「ささ、時間ももったいないし早く行こう」


 俺に一言も発する余裕も与えずに退散に入るとは。

 もしかしておシズさん、そこの剣士さんだけでなく他のプレイヤーからもナンパされてたのかな。その対応をしていたから俺のメッセージも返せなかった的な?

 こう考えるとこの流れるようなおシズさんのムーブにも納得できる。


「ちょっ、ちょっと待って!」


 はい、制止が掛かりました。

 待ち合わせ相手が男だと分かっても引き下がらないこの剣士さんマジパネェ。

 いや待て。

 もしやナンパのように見えていただけで実際はパーティーメンバーを探していただけなのでは?

 俺は状況だけでこの剣士さんをダメな方向に考えてしまっていたのではないか。


「き、君の待ち合わせの相手ってそいつ?」


 そいつ。

 初対面相手にそういう呼び方はどうかと思いますが、まあ相手はイケイケな感じだし。俺は平凡ですから下のように見られる発言は理解できます。なので怒ったりはしません。

 だがしかし。

 こいつのこの「そんな奴は釣り合わねぇよ」みたいな顔からして、パーティーメンバーを探していただけ的な考えは消えた。こいつはシズをナンパしていただけ。この手の手合いに絡まれるとか美人は大変だわ。


「フウくん、気にせず行こう」


 相手にするな。面倒臭い。さっさと立ち去りたい。

 シズの笑顔の下にはそういう感情が見える。

 会話の流れからして話を聞くタイプのようには見えない。

 話を聞いてくれるのならば、シズが断った段階で身を引いているはず。

 俺が口を開くのも悪手だろう。

 多分そこの剣士さんは俺とは話していない。シズと話しているんだ……的なムーブをするはずだ。

 ならシズの言うように無視してこの場を去るのが正解だろう。

 そうと決まれば即退散。善は急げ。


「おい、ちょっと待てよ!」


 シズへ伸びる男の手。

 だがそれ以上に俺が気になったのは、感情の色が消えたシズの瞳だった。

 こういう目をしている時のシズは一切の容赦がない。

 故にこの状況で導き出される答えはただひとつ。

 男の手を自分の身体に触れさせ運営に報告。セクハラを行ったという体で男のアカウントを停止させること。

 それがシズの狙いのはずだ。

 確かにその方法が今後この男に関わらない可能性が最も高い。

 が、俺はこの男をシズに触れさせたくはない。シズが許容したとしてもシズがセクハラされることに俺は抵抗を覚える。リンダだってその話を聞けば悲しみ、そしてシズを叱るはずだ。

 そんな未来を回避するためにも即座に行動を起こす。

 シズと男の間に身体を入れ込み、シズへと伸びる男の手を掴んだ。


「な、何だよ……」


 こうなることを予想していなかったのか男の顔には動揺が見える。

 シズも自分の考えたとおりに事が運ばなかったからか、俺の行動に驚いたのか瞳に感情の色が戻っていた。


「悪いがこいつは俺のだ」


 面倒事は嫌いだが決闘を申し込まれたら受けて立ってやる。

 それぐらいの気持ちで言葉を発したわけだが、男にはそこまでの気概はなかったらしく、俺を腕を強引に振り払うとそそくさと退散していった。

 これくらいで逃げるならシズに断られた段階で諦めろ。根が小心者ならナンパなんて最初からするな。そう思わずにはいられない。


「あーあ、逃がしちゃった。あの人、絶対他の子にちょっかい出すよ。それで被害者が出たらフウくんのせいだね」

「助けた礼がそれか」

「別に助けてとか言ってないし」


 いやまあ、それはそうだけど。


「お前はもう少し自分を大事にしろ」


 ついでに今みたいな場面は普通にお礼を言え。

 そんな気持ちを込めておシズさんの頭に軽くチョップ。

 女の子にチョップとか最低。

 とでも言いたげな顔をされたが、それも一瞬のこと。


「フウくん、私のこと心配してくれてるんだ」


 さすがはユッキーの上位互換。

 こういう時に見せるニヤケ顔もユッキーよりも上だわ。ほっぺを抓っても罰が当たらないのでは? って思えるくらい腹が立つ。

 まあだからって行動には移しませんが。

 これくらいでムキー! となっていてはゲーム部で活動なんて出来ない。ストレスマッハで即行退部だ。


「友達の心配をするのは当然では?」

「え、私ってフウくんの友達だったの?」


 え、そういう返ししちゃいます?

 日頃からあんなにもイチャコラしてるのに友達ではないと?

 もしかして友達ではなく親友だとか悪友、ソウルメイトみたいな上位の言葉を求めているのだろうか……おシズさんなら十分ありえる。


「私はフウくんのものじゃないの?」


 ……それかあぁぁぁぁあぁぁぁッ!

 そこを拾っちゃいますかおシズさん。今日のあなたは性格悪いですね。

 それは言葉通りの意味合いではなく、あの男を退かせるための脅し文句的な感じだってのは分かってるでしょうに。


「流れで言っただけです。あなたは自由だ」

「えー」

「先に彼女ムーブしたのはそっちだろ」

「それはそうだけど」

「何で不満そうなんだよ」


 この話題に乗って対応しろってか?

 そりゃあ乗ろうと思えば乗れるよ。そういうムーブは出来ますよ。

 でもさ、ここに至るまでの流れってものがあるじゃないですか。

 そんで今のに乗っちゃうと、あとでリンダに……いやリンダはともかく。

 ユッキーに知られた時さ、とてもとても面倒なことになるじゃないですか。

 そういう展開になるのもおシズさんの気分次第だし。俺は弱みをひとつ握られるようなもの。乗っても何の得もない。


「だって……この胸の中に芽生えたトキメキを持て余しちゃう!」


 トキメキ?

 え、もしかしてお前は俺のものだって言われてキュンってしちゃったんですか?

 誰が?

 おシズさんが?

 ありえねぇ……


「おシズさん、嘘は良くない。あなたがトキメキを覚えるはずがない」

「それは私に対して失礼なのでは?」

「私が望むのって対等な関係だから俺様キャラって推せないケースが多いんだよね。そう前に言っていたのはどこの誰だったかな?」

「あなたの目の前に居る超絶美少女です」


 は? そんなのどこにいるんだよ。

 とユッキーが相手なら言っていただろう。あいつなら今のセリフをそこそこなお胸を張りながらドヤって言っていただろうから。

 でも上位互換たるおシズさんは自然体にも見えなくもない絶妙なあざとさで言い放ってくる。それによる補正と元の見た目も相まって否定する材料が見当たらない。

 なので超絶美少女という部分については肯定する形で返すことにしましょう。


「流れ的に超絶美少女さんも俺の言い分を認めたってことでおけ?」

「俺様キャラが推せないって部分に関してはおけ。でもトキメキに関してはノン」

「何でよ? おシズさんは俺のものって俺様セリフじゃん」

「そうだけど、別にフウくんは俺様キャラじゃないじゃん。無愛想だけど根は優しい、でも時折鬼畜なおっぱい星人さんでしょ」


 うんうん、確かに俺は俺様キャラじゃないね。

 無愛想だって言われることもあるね。根は優しいってところは褒められてるから良いとして。

 そこから先の言葉は必要だったかな?

 おっぱい星人はまだ受け入れるとしても鬼畜って言葉は本当に必要だったのかな?


「加えてフウくんは私ことおシズさんにとって数少ない身近な男の子。そんな存在にお前は俺のだから、ってマジなトーンで言われたらキュンとしてしまうのは仕方ないのでは?」


 と言われましても私ことフウくんは女の子ではないのです。

 しかし……


「素直に共感はできないが立場を逆にして、おシズさんから俺が言われたと考えると……グッと来そうではある」


 そうでしょうそうでしょう。

 と言いたげにおシズさん自慢げ。

 これまた立場が逆なら同じことしていた気がするだけに俺とおシズさんマジで似た者同士。見た目や性別は違うけど、もうひとりの自分感満載だわ。


「さすがはもうひとりの私……どうかした?」

「いや別に……ただ似たようなこと考えてただけだ」

「マジですか。いやはや、私達息ぴったり相性抜群ですな」


 そうですね。

 あなたと付き合っていたら衝突なんて起こらないのでは? と思えるくらいに考えや価値観が似てますわ。

 でも実際のところ、こんなに相性が良くても付き合ってはいない。

 だけどしょうがないよね。だって人間って自分とは違うものを持つ人に惹かれやすいから……


「……なあおシズさん」

「何でしょう」

「どうしてまた俺の腕に引っ付いてきたのかな?」

「普通に歩くよりもこうしてバカップルを演じる方が絡んでくる人が少ないと思うからです」


 なるほど。

 男が横を歩いているのにナンパしてくる輩は滅多にいないと思うけど。

 でもおシズさんは超絶美少女だからなぁ。俺くらいの平凡なメンツの抑止力では、イケイケな輩を止められないかもしれない。

 むしろ、あれくらいの野郎ならあの超絶美少女を奪えるんじゃね? と燃えさせてしまうかもしれない。

 だがバカップルを演じれば、見た目は良いのに趣味が悪い的になって抑止力増大。

 ナンパしてくる輩の出現率はさらにダウン。

 うん、十分に考えられる。

 実際は考え過ぎだろ、と思わなくもない。でも親しい女の子に引っ付かれて嫌だと思う男はいないよね。だけど……


「おっぱいが当たってるんですが」


 親しい中にも礼儀あり。

 え、直接言ったら失礼だろ?

 いやいや、当たってるものは当たってるんだよ。そんでもっておシズさんは俺の彼女でもないの。なら一応言わないとダメでしょ。俺はこっそりとおっぱいの感触を楽しむむっつりさんではない!


「当ててるんです」


 そっか、当ててるのか。


「あとでリンダに脚色して話したりするなよ」

「ひど。私ってそういう奴だって思われてるんだ。抑止力とお礼を兼ねてやっているだけなのに。話すにしてもありのままだよ」


 本当でござるか?

 俺の記憶が正しければ、つい先日あなたの顔を見て話さなかっただけで爆撃レベルのことをされた覚えがあるんですが。

 まあでもこれ以上疑ったところで相手を煽るだけだろうし。

 ここは我が親愛なる友であるおシズさんを信じることに……


「……今回の場合、ありのままでもやばくね?」

「大丈夫、リンダちゃんなら分かってくれるって。むしろ良くやったって褒めてくれるよ」

「そうか? いやそうだな」


 だってリンダだし。

 シズがナンパされてるのに何もしませんでしたって方が怒る。


「でもあのうるさい後輩がな……」


 俺らしくないムーブするなんてって驚愕混じりに褒めてくれそうにも思える。

 が、リンダではなくシズにやったと知ればたちまち豹変。罵詈雑言の嵐が飛んでくる未来しか見えない。


「ならふたりだけの秘密にする?」


 おっぱいをより押し付けながらの上目遣い。

 もう少し別の気の引き方はなかったんですか。そういうことされると男の子はドキッとしちゃう。

 もしもリンダと付き合う前にこんなことされてたら惚れていた……惚れて……いや惚れてねぇな。だって付き合う前も似たようなこと何度かされてたし。


「秘密にはしません」

「その心は?」

「多分あいつらと顔を合わせたら話題として普通に話しそう」

「オープンだね。さすがは彼女と真剣におっぱい談義する男」

「おい、その言い方は語弊が生まれるだろ」


 俺がリンダと真剣に話しているのは、三次元のおっぱいではなく二次元のおっぱいだ。三次元ではなく二次元。ここ大事!

 というか、三次元のおっぱいについて深く話してみろ。

 リンダさんは顔を真っ赤にするに決まってるじゃん。同性におっぱい揉まれるだけで恥ずかしがる人なんだから。

 あ、でも「何カップ?」って聞いたら「は?」の後に答えてくれると思う。

 ボソッと言うか、恥ずかしそうに言うかはその時の流れ次第。場合によっては堂々かつ淡々と答える可能性もある。

 そう考えると……リンダさんってよく分からんな。サバサバしているようで、そうでもなかったり。まあ時と場合によるってことなんだろう。


「大体そっちの方がオープンではなかろうか」

「そりゃあフウくんとか相手に隠すのもバカらしいし」

「いつでもどこでも今のおシズさんで居てください。俺を発散の窓口にしないで」

「私は基本的にいつでもどこでも今の私だよ。ゲーム部を除いたその他大勢がこの手の話題を私に振らないだけで」


 つまり変えるべき対象はおシズさん本人ではなく、おシズさんの周りということですね。

 はっはっは、人気者であるおシズさんの周りを変える?

 そんなの無理に決まってんじゃん。そこに労力を割くくらいなら対おシズさんスキルを向上させる方が効率が良い。


「そんなことよりおシズさん」

「どしたのフウくん。私のおっぱい揉みたくなった?」

「先日から何かと揉ませようとしているが、もしかして欲求不満なのか?」

「そういう日はあるけど、欲求不満ってよりはただのノリ?」


 ノリでおっぱい揉んでいいよって言うべきじゃないと思うのは俺だけですか?

 そういうのは気がある相手とか彼氏だけにすべきだと思います。俺だって男の子。いつか本能に任せて揉んじゃうかもしれないだから。


「もっと自分を大切にしなさい」

「私はフウくんに大切にしてほしい」

「何の告白?」

「愛の告白?」


 疑問で返さないで。


「真面目に答えなさい」

「私が私を大切にすると、フウくんが私を大切にしてくれなくなるのでは? と思いまして。我が親友であるリンダちゃんは、たまに平然と傷つくような発言もしてくるので、フウくんには私を大切にして欲しいなと」

「リンダの胸を揉まなければ解決する問題では?」

「あの感触を一度味わうと忘れられなくて」


 我が友人は寂しげな顔で何を言っているんだろう。

 俺もリンダさんのお胸を揉んだら理解できるのかな?

 でもリンダさん、ああ見えて乙女だしなぁ。

 あっちからしてくる分には照れもなく堂々としてるけど。

 したいならしたいと言えと先日言われたわけですが、言ったら絶対一度心の準備をさせろって言われるね。ゲームだけでなく現実でも高火力紙装甲なのがリンダさん。まあリンダさんらしいし、そういうところ含めて好きなんですが。


「その話長くなる?」

「フウくんがリンダちゃんのおっぱいについてどれくらい知りたいかによる」

「なるほど。じゃあ長くなるわ。だから移動しながら話しましょう」


 何たって俺達が今居るのはオンリヴだから。

 モンスター狩ったりしないなら現実で話せばいいよね。


「おけ」


 親指立てた姿も可愛い。

 おっぱいの感触も良き。

 外に出たらこのおっぱいから解放される思うと、ちょっとだけ名残惜しい。

 でもフウマさんは真面目だから外に出たらちゃんと戦闘します。おシズさんの成長のためにモンスター倒します。

 というわけで、いざ街の外へ。



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