第4話 「あたし」

 草原エリアから進むと鉱山エリアへと変わる。

 ここに出現するモンスターは、草原エリアとは違って攻撃的。プレイヤーを発見すれば、積極的に襲い掛かってくる。

 故に運営が推奨している攻略レベルは5~8。

 数字にムラがある理由としては、多少のレベル差はプレイヤースキルで補えること。ジョブの成長度合いがジョブによって異なるため、スキルの選択や成長具合で攻略が楽にも苦しくもなるからだ。


「先輩方、モンスターですよモンスター。ちゃっちゃと片付けてください」


 人使いの荒い後輩の言うように今まさに戦闘が開始された。

 敵はゴブリン種が2体。これといって防具の類は装備しておらず、手に握られているのも不格好な棍棒。まだまだ序盤に該当するエリアのモンスターだけにステータスが高そうな見た目はしていない。


「フウマ、右はあたしが殺る。あんたは左よろしく」


 攻撃面に置いて戦力外の後輩に文句ひとつ言わずリンダは疾走。

 直後、リンダの身体が一瞬赤く発光。視界の左隅に映る彼女の簡易ステータスに攻撃バフと防御デバフが現れ、HPが減少。

 これはリンダが選択しているジョブのひとつ《狂戦士》の専用スキル《バーサーカーソウル》を発動させたからだ。

 このスキルは、HPを代償に攻撃力を格段に上昇させるが同時に防御力も格段に落とす諸刃の剣。本来はおいそれと使う技ではないのだが……。

 リンダは、ゴブリンの前に滑り込みながらブレーキを掛けつつ身体を捻って右拳を握り締める。それと同時に右拳が真紅色に発光――


「――火拳ッ!」


 真っ直ぐに突き出された拳には炎が纏わりつき、ゴブリンの顔面に直撃。

 爆発音を巻き散らしたかと思うと、ゴブリンの身体は後方へ吹き飛ぶ。その間、ゴブリンのHPは見る見る減少し、ついにはゼロへ。

 ゴブリンは地面で一度跳ねると、ポリゴンとなって霧散した。

 リンダが放ったのは《格闘家》の初級スキルである《火拳》。

 属性値は高くないが火属性が付いており、確率で敵の防御力を下げる使い勝手の良い技である。

 ただリンダのプレイヤーレベルは8。

 多少ステータスはゴブリンよりも上だろうが、本来ワンパンできるほど火力が出る技ではない。

 にも関わらず、何故ワンパン出来たのか。

 それは《バーサーカーソウル》でバフを掛けたのもある。が、それ以上にプレイヤーレベルが上がった際に得られるボーナスポイントをリンダが攻撃力に全振りしていることが理由だろう。

 そう、俺の彼女は火力至上主義。

 ワンパンの『パン』の部分にこだわりがあるのか、己が拳でワンパンを実行するのがリンダ流。


「さて……」


 相方の解説はここまでにして俺も敵を仕留めることにしよう。

 仲間を殺されたことで残っているゴブリンの意識はリンダへ向いている。

 腰にある刀を引き抜き、左手を刃に沿えてなぞる。《侍》のスキル《一刀入魂》の発動モーションだ。鈍色の刀身はなぞられた部分から淡く青色に発光する。

 このスキルは次に放つ攻撃の威力とクリティカル率を上昇させ、状態異常などの追加効果がある場合はその確率も上昇させる。

 序盤に習得できるスキルにしては破格の性能ではあるが、そのぶん習得や成長に必要なスキルポイントは他と比べると膨大。

 また自身に掛かるバフの上昇率は、後半にかけて大きく伸びる傾向にあるらしく、ゲーム開始序盤で習得するメリットはあまりないと言える。

 しかし、俺の戦闘スタイルにとっては必要不可欠な技だ。

 後方からゴブリンに近づきながら《侍》の初級スキル《一閃》を発動。

 この技を始め最初から使える技の多くは、構えが無数に存在していることもあり、基本的にどんな体勢からでも発動することが出来る。

 また硬直時間が短いため、今後は連続技の繋ぎとして使われる可能性は高い。

 後で習得できる技の方が威力や効果は高いだろうが、初期技もきちんと育成すれば十分に使っていける。それが俺の自論だ。故に俺は攻撃系の技はこの《一閃》しか今のところ習得していない。


「……ッ!」


 俺の存在に気づき振り向くゴブリン。

 だがもう遅い。スキルによって加速された刃は、すでにゴブリンの首元を捉える直前だ。

 青色に輝く刀身がゴブリンの首に触れた瞬間、クリティカルを知らせるライトエフェクトが弾ける。刀を振り切るのとほぼ同時に甲高い音が鳴り響き、ゴブリンのHPは一瞬にしてゼロへ。

 俺もリンダと同じで火力全振りなのか?

 その疑問への答えはノーだ。俺は攻撃力には一切振っていない。

 俺が全振りしているのは素早さ。

 素早さはこのゲームにおいて移動速度だけでなく、クリティカル率や状態異常率にも補正を掛ける。

 そこに俺が選択しているもうひとつのジョブ《暗殺者》。

 そのパッシブスキルであり、クリティカルヒット時に即死率を上げる《暗殺》。

 背後からの攻撃時にクリティカル率と即死率を上げる《急襲》。

 このふたつでさらに補正を掛ける。

 これらの効果によって、《クリティカルヒット時に低確率で即死》という効果を持った《一閃》が輝くわけだ。


「よし、終わったな」

「だね……どしたのユッキー、微妙な顔して」

「いえ別に……ちゃっちゃと片付けてとは言いましたけど、まさかふたりともワンパンするとは思ってなかったんで」


 だからって引いたような顔をするのは違うと思います。

 もしかして俺達が寝る間も惜しんでステータス上げてたガチプレイヤーだとか思ってる?

 違うよ、違いますよ。

 俺もリンダと同じでプレイヤーレベルは8。

 ガチ勢はレベル2桁とか余裕で行ってるらしいし、俺達とは二回り以上の差が出来ていると思います。なので俺達は健全なプレイをしている範疇です。

 というか、レベルに関しては道中で伝えてたよね?

 具体的な戦闘スタイルまでは伝えてなかったけど。話がすぐに脱線したり、ユッキーのお目当てとかそっち方面の話をしていたから。


「そんなにおかしいことかな? あたしは火力盛って殴っただけだし」

「俺は即死狙って運良く即死が決まっただけだしな」

「いやまあそうなんですけど……現状で火力でワンパン、初期技で即死決めるとかとかなり偏った構成にしてないと無理ですよね。今後の連携もあるので、先輩方の今のスタイルを詳しくお聞きしても?」


 それは別に構いませんが、そのあまり聞きたくないなって顔はやめなさい。

 まあ似たようなゲームの経験はあるだろうから。俺達のスタイルに嫌な予感を覚えるのは分かるけど。

 でも聞かれたからには答えましょう。

 ということで、俺とリンダは現状選んでるジョブやスキル、ボーナスの振り方などを手短にユッキーに説明した。

 俺達が言葉を紡ぐ度にユッキーの顔が、何とも言えないものになったのは言うまでもないでしょう。


「えっと……今の話を聞く限り、先輩方のスタイルって」

「ワンパンはロマン!」


 リンダさん、良い笑顔。

 レベルを上げて物理で殴る。最終的には物理が最強。ワンパン出来ればこれ以上に気持ち良いことはない。

 と言わんばかりの目をしている。

 リンダさんは分かりやすくて良いね。俺はというと……


「人型以外は基本的に並以下だな」


 こういう表現になります。何故なら

 首や心臓といった箇所が急所に設定されていることが多い人型ならば、意図的に即死を狙いやすい。

 が、人型以外となると急所が体の内部に存在したり、物理属性の急所を持たない可能性もある。

 また俺が使っている得物は刀。

 物理が通っても斬属性が有効でない相手には火力が出せない。即死に耐性があれば足手まといの何物でもないから。以上。


「汎用性低めなわたしが言うのもなんですけど……先輩達、尖り過ぎじゃないですか?」

「ユッキー、中途半端にまとまるより尖ってた方が需要あるよ」

「その言い分は分かります。分かりますけど……火力ブッパなリンダ先輩はまだしも、フウマ先輩を必要とする人っていると思います?」


 率直に言って……いないんじゃね?

 人型オンリーで即死が有効なクエストなんてあんまりないだろうし、基本的にボスとかに即死って効かないから。

 だからパーティー募集しているところに参加にしたとしても、スキル構成話したらお帰りくださいって言われるか、そのときの一度限りで終わりだと思う。


「いるよ」

「リンダ先輩、マジで言ってます?」

「マジに決まってんじゃん」

「マジですか……じゃあ、どんな人がフウマ先輩を必要とするって言うんです?」

「あたし」


 え、やだ、何このイケメン。

 この場面で自分が必要としているんだって堂々と言い切るとか、男前すぎるんですけど。改めて惚れそうになっちゃうんですけど!


「……フウマ先輩‼」

「何だよ」


 羨ましい、妬ましい、忌々しい。

 そんな感情が凄く伝わってくる顔してるな。うちの彼女のイケメンムーブに非リア充なところを刺激されたのかな。


「何でフウマ先輩にはこんなカッコいい彼女が居るんですか!」

「何でって……俺達が付き合った経緯は話したろ」

「あんな経緯でこんな彼女が出来るとかずるいです、卑怯です、反則です! わたしにリンダ先輩をください!」


 罵倒されることに関しては、良くないけど納得は出来るから良しとしよう。

 でもだからって彼女くださいって言われるのは意味が分からん。

 だってユッキー、女の子じゃん。男じゃないのに彼女が欲しいっておかしいじゃん。同性もイケる口なのかもしれないけど、その場合どう考えてもリンダが彼氏だと思うんだよね。彼氏側がユッキーとか想像できん。


「あのな……俺の許可を取るより本人の許可を取る方が手っ取り早いぞ」

「おいこら、そこは彼氏として一応は止めるとこだろ。リンダはものじゃない、とかそういうセリフを言うところだろ」

「そういうセリフを言ったらこの面倒臭い後輩は絶対に妬む。リア充爆発しろ、と暴走を始める。そうなる方が面倒だろ?」

「確かに」

「ちょっと先輩方、ナチュラルに後輩ディスってますよ! わたしのガラスのハートを傷つけてますよ。わたしのどこが面倒臭いって言うんですか!」


 そうやって自分は面倒臭い女じゃありませんって自信満々で主張するところ。

 ちょっとしたことで激しく妬むところ。

 構って欲しいのか、リア充爆発しろ故の行動なのか、基本的に俺とリンダの間に立とうとするところ。

 挙げようと思えばいくらでも出てきますが、本当に言っちゃっていいの?

 

「あ、やっぱりいいです。というか、言わないでください。何かボロクソに言われそうな気がするので。自分の悪いところとか聞きたくないです」


 ユッキーは今の自分が好きなんだね。

 悪いところを直した方が今より素敵な女性になれる気がするけど、ユッキーが今の自分が良いというのであればそうしよう。

 言う側も疲れるし……ケンカにでも発展したらそれこそ面倒臭い。


「というわけで、気を取り直して奥へと進みましょう。わたしの初モンスターのために」


 奥へと進むのには賛成ですが、こっちの返事を待ってから動き出しなさい。

 そのせっかちさは、いつか自分の身に災いを呼び込むから。

 例えば……突然モンスターに襲われたり?

 それで死んでデスペナで道具とか紛失。何で助けてくれなかったんだって文句言ってきたら……さすがの俺もオコだな。後輩だからって容赦せずにオコだろうな。


「ねぇフウマ」

「ん?」

「ユッキーのお目当てのプチゴーレムだけどさ、どう弱らせる?」


 さらっと暴露されましたが、今回のテイム対象はプチゴーレムってモンスターです。

 プチなんて可愛らしい言葉が付いていますが、それでも全長1.5メートルはあります。成長させる際の能力の振り方次第ではいったいどこまで伸びることやら。

 まあそれはユッキーの次第なので置いておくとして。


「どうと言われてもな……」


 ほとんどのゴーレム種は、岩や金属で身体が構成されていることが多い。そのため物理耐性が高い傾向にある。

 弱点となるゴーレムの核を狙えば物理でもダメージは入る。

 が……斬属性のスキルは点ではなく線での攻撃が多いだけに地味に狙いづらい。

 また斬属性は突属性や打属性に比べると有効ではないことが多い。それだけに


「俺だとそこまで火力は出せないだろうし、火力出すために急所狙うと即死が入るリスクがあるからな」

「ならあたしが殴るしかないか」

「バフは盛るなよ」

「……ダメっすか?」

「ダメだろ」


 エサを与えて倒したら一定確率で仲間になる、なんて仕様じゃないんだから。

 モンスターの体力を削ったり、状態異常にしたりして捕獲率を上げ、魔物使いが戦闘中に固有スキルの《テイム》を行う。

 これが一般的というか最適解な方法だってのはお前も知ってるでしょ。


「いやでもモンスターによってステータスにも差があるわけだし。あたしの最大火力に耐えられる個体を捕まえた方がユッキーのためになるんじゃないかな」

「全ての個体が耐えられなかったらただの経験値稼ぎだ。ワンパン欲求はあいつが1体捕まえるまで抑え込め。全部殺してたらあいつ泣くぞ」

「だよね……くっ、これも可愛い後輩のため。鎮まれあたしの右腕」


 中二病乙。

 ま、リンダのこういうところ嫌いじゃないけど。

 こういうノリが出来るところもこいつの魅力のひとつだし。人から好かれる理由だろうから。


「その右腕が暴走しないように握っててやろうか?」

「魅力的な提案だ。だが断る!」

「その心は?」

「その提案を受け入れると暴走しかねないから……後輩が」


 だよな。

 今も俺達からリア充オーラでも感じたのか、首だけ振り返って目を見開いた状態でこっち見てるし。

 ユッキー、その顔は今すぐやめなさい。

 可愛い顔が台無しだぞ。率直に言って怖いだけだぞ。


「先輩方、もしや今わたしに隠れてイチャコラしようとしてました?」

「「いや全然まったく」」

「そうですか……まあ確かに今の先輩方からイチャコラオーラは感じません」


 でしょうね。

 ただ普段どおりの会話してただけですから。


「ですが! ハモるだけでなく同じセリフを吐いたり……ハモったのにお互い恥ずかしい素振りを見せるどころか、割とあることと言わんばかりに自然体のままで居たり。何ていうか、その長年連れ添った夫婦感が気に入りません!」


 ……だそうですがリンダさん。

 え、俺が何とかしろ?

 いやいや、あいつがあんなに突っかかってくるのはリンダさんに惚れてるからでしょ。俺以上にあなたがどうにかするべきでは?


「あのー先輩方、アイコンタクトで会話するのやめてもらっていいですか? 分かりやすくイチャコラされるより何か疎外感がハンパないんで」

「やれやれ、ユッキーは我が侭だな。仕方がない。妬み嫉みが人一倍なユッキーに俺が秘策を授けてやろう」

「うん? 何か余計な言葉があった気がするんですけど」


 え、何かありましたか?

 俺はユッキーに適切な言葉しか言っていないと思うんですが。


「……まあいいです。その秘策とやら聞いてあげますよ。クソな内容だったらボロクソに貶しますけど」


 普通に会話してても貶してくる時があると思うんですけど。

 というか、女の子がクソだとか言うんじゃありません。清楚系の見た目してるのにもったいないでしょ。男の子はそんなギャップ求めてないよ。

 本当ユッキーは中身がクソだな。

 いや、中身がクソだからクソだとか言うのか。ならユッキーの口からクソとか出ちゃうのも仕方がないと割り切ろう。

 ここまで考えてなんだけど、正直どうでもいいことだし。


「いいか、俺の秘策というのは……この話を一刻も早く終わらせて、お目当てのモンスターに探しに行く」

「それだけですか?」

「んなわけあるか。人の話は最後まで聞け。いいか、その際ユッキーが俺かリンダのどちらかを拘束し、ずっと話しかければいい。そうすれば俺とリンダがイチャコラすることはない。イチャコラがないということはユッキーも嫉妬しない」

「なるほど……何か適当あしらわれているような気がしなくもないですが、言っていることは正しいですね」


 適当にあしらうつもりならユッキーのことガン無視で先に行ってますよ。


「仕方ありません。気は乗りませんが時間ももったいないので、ここはフウマ先輩の策を実行してあげましょう」


 さてさて、可愛い後輩は俺とリンダのどちらを選ぶのかな。

 ……うん、分かってた。分かってたよ。

 この後輩は絶対にリンダを選ぶって分かってました。だから悲しんだりしません。

 むしろユッキーの相手しなくてラッキー!

 というわけでリンダ先輩、その子のこと頼みます。俺はひとりで伸び伸びと歩いとくんで。


「ねぇユッキー」

「何ですかリンダ先輩」

「フウマって選択肢はなかったのかな?」

「ないですね」


 即答。

 それくらい俺という選択肢はないらしい。

 故に諦めろリンダ、そいつはお前が引き受けるしかないんだ!


「そっか……」

「リンダ先輩、何か微妙な顔してますね。もしかして……わたしの相手するの面倒とか思ってます?」

「いや別に……ただ腕を組む必要はあるのかな、と」

「ありますよ、あるに決まってるじゃないですか。急にモンスターが襲ってきた時、近くにいないと守ってもらえません」


 守って欲しいなら自由に動けるようにしといて欲しいんだけど。

 みたいにリンダは思ってますね。否定していたけど、十中八九ユッキーの相手をするの面倒と思ってますね。いやはや、モテる先輩は大変だ。


「それに……フウマ先輩にこういうことすると密かにわたしの胸の感触を楽しまれるかもしれないので」


 フウマ先輩は変態ですから。

 みたいな目を向けるな。お前の胸なんてそこまで興味ねぇから。

 俺は大きな胸の方が好きだし。彼女であるリンダは巨乳だし。まだ一線は越えてないけど、抱き着かれたりすることはあるから胸の感触は知ってます。

 そもそも、胸の感触を楽しみたいならリンダに面と向かってお前の胸を揉ませてくれって言いますから。下手したら殴られるかもしれないけど、多分最後は触らせてくれるだろうし。

 まあユッキーも小柄な割にはそこそこあると思うよ。

 でも俺に興味を持って欲しいならリンダ並みの大きさになってから出直せ。そしたらお前のその視線を素直に受け止めてやるよ。


「……何だか見下されてるというか、鼻で笑われてるような気がしてなりません。リンダ先輩、フウマ先輩は今何を考えているんですか?」

「さあ」

「さあって……」

「だってあたし、今フウマの方は見てなかったし。さすがに何の情報もなしに推測するとか無理でしょ。何よりフウマが今何を考えていたとかどうでもいい」


 ど、どうでもいい……付き合ってる相手に向かってどうでもいい、だと?

 って顔をすべきなのはユッキー、普通はお前ではなく俺であるべきだと思うぞ。


「というか、さっさと先に進もう。ここで立ち止まって話すのは時間の無駄だし」

「で、ですね。じゃあ気を取り直して進みましょう。フウマ先輩、あなたは黙ってついて来てください。くれぐれも戦闘時以外はわたしとリンダ先輩のデートを邪魔しないように」


 はいはい、分かりました。

 あなた方の邪魔はしませんから先に進んでください。

 俺は大人しくあなた方の後ろを歩きますから。



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