第3話 「フウマ先輩は鬼畜です」
アイゼンブラッドの東口を出ると、辺り一面に草原が広がる。
この草原にはモンスターも出現するが、こちらからちょっかいを出さなければ無害な種も多く、戦闘に陥ったとしてもスキル1発で倒せるようなザコしか出ない。
つまり、この草原はVRMMO初心者が武器や魔法の基礎を学ぶ練習場なわけだ。
俺とリンダはオンリヴ以外にもVRMMOはプレイしているし、前作もプレイした経験がある。また発売されてから今日まで各々好き勝手にではあるが遊んでいた。
よってこの草原で試すようなことはない。
まあ試すようなことがあったとしても、今日は可愛い後輩のお手伝いがメインになったので後回しになるのだが。
「いやー風が気持ち良いですね」
と、後輩であるユッキーが口にしたわけだが……完全に意識は風ではなく、手元にあるソフトクリームに行っている。
どうしてユッキーがそんなものを持っているのか。
それは簡単なことだ。俺とリンダの絡みを見て、この後輩はリア充死すべき! 状態になっていた。それを完治させるために貢物をしたわけである。
いや、このような言い方をすると俺からしたみたいになるな。
貢いだのではなく奢らされた。これが正しい表現だ。
ユッキーは今バニラ味を食べている。が、先ほどまでチョコ味も食べていた。
本人が言うには
『知らないんですか? 女の子にとってデザートは別腹なんです』
『ここはVRだからいくら食べても太らないから良いんです』
とのこと。
俺からすればユッキーが太ろうと大した問題はない。太ったからといって態度を変えるつもりはない。
故にどうでもいい発言である。
それ以上に人に奢ってもらうんだからもう少し謙虚な姿勢を見せられないのか。感謝の気持ちを言えないのか。
みたいなことを考えてしまう。別に俺がケチだから、とかじゃないぞ。礼儀とかそっち方面で考えた場合、何かモヤモヤするってだけで。
「あのフウマ先輩、そんなに見られると食べづらいんですけど。もしかして……一口欲しいんですか? はたまたVR世界でも良いからキュートな後輩であるわたしと間接キスしたいって思ってるんですか?」
「は?」
どこにキュートな後輩が居るの?
え、目の前? いやいや、こいつが可愛いのって外見だけじゃん。中身に関してはまったく可愛くない。
それなのに間接キスとかありませんよ。
というか、彼女の目の前でそんなことするとか自殺行為じゃね?
まあうちの彼女が間接キス程度を気にするかは分からんけど。
「せんぱ~い、何ですかそのお前なんかに興味はないと言いたげな顔は。わたしが可愛くないって言いたいんですか。わたしとの間接キスなんて嬉しくないって言いたいんですか」
「そうですが何か?」
「あはは、よろしいならば決闘だ」
冷たい笑顔と共に《決闘》申請が来た。
いいだろう、受けて立ってやる。
なんて面倒臭いことはしない。
「あ、また拒否った!? こうなったらPK扱い覚悟で」
「やめい」
「あいたッ……女の子にチョップするとかサイテー」
「最低なのはろくに戦えもしないくせに戦おうとするお前の知能指数だ」
現状だとどう考えても俺が勝つじゃん。お前に勝つ未来とかないじゃん。
何でこんなこと断言できるのかって?
そんなの簡単ですよ。
ここまでの道すがら聞いたんですけど、ユッキーさんのジョブって《魔物使い》なの。でもまだ契約した魔物はゼロ。召喚できる魔物が居ません。
故に現在、彼女の初めてのモンスターを捕まえるために移動中なわけです。テイムのお手伝いをさせられているわけです。目の前でイチャコラした贖罪として。
ちなみにユッキーのもうひとつのジョブは《魔術師》。ただ前衛はモンスターに任せるつもりらしく、魔法は回復や支援系統のものしか取ってないとか。
直接的な戦闘は誰かに任せて自分は安全な後方で……とかマジでユッキーだよね。ユッキーの本質を現わしているよね。
ごめん、ちょっとずれた。話を戻す。
つまり何が言いたいかというと、ユッキーの攻撃手段は杖で殴る。通常攻撃オンリー。攻撃系スキルは皆無。
これを言えば分かるでしょ。
この状態のユッキーと戦うとか単なるいじめじゃん。俺は後輩をいじめるつもりはありません。
「せめてモンスターの1匹でも捕まえてから言ってくれ」
「ぐぬぬぬ……フウマ先輩がスキル使わなければ対等なんですけど」
「何でケンカ売ってる方の都合に俺が合わせて戦わんといかん。やるなら全力でお前を叩き潰す」
「大人気なッ!? この先輩、後輩に対して超絶大人気な!」
人を悪者のように扱うお前の方が大人気ないと思います。
だってユッキーがまともに戦えないのって俺のせいじゃないし。選んだジョブとスキルポイントの振り方が悪かっただけだし。
スキルポイント?
と思った方、説明しなくても分かるだろうけど説明しておこう。
スキルポイントとは、その名の通りスキルを強化するためのポイントのことだ。これはキャラクターレベルやジョブレベルがアップした時、または特殊なクエストクリア時や課金アイテムなどを使うことで取得できる。
スキルはジョブごとに何種類か存在し、ジョブのレベルが上がることで解放される仕様だ。
全てのスキルを解放するのか、どれかのスキルを徹底的に強化するのか。そのへんはプレイヤー次第。
「リンダ先輩、リンダ先輩もそう思いませんか!」
「え、あたし? う~ん……まあ会話だけ聞いてればそうだけど、フウマがどういうビルド組んでるのか知らないしなぁ。ビルドによっては0か100かみたいなスタイルになるのがこのゲームだし」
「あのーリンダ先輩」
「うん?」
「今の発言の中に気になる言葉があったといいますか……何でリンダ先輩はフウマ先輩のビルド知らないんですか?」
「何でって、そりゃあ一緒に遊ぶの今日が初めてだから」
さらっと言い放ったリンダに対し、それを聞いたユッキー絶句。
意味が分からん! と言いたげな顔をしていらっしゃいますよ。
まあ気持ちは分かる。俺もユッキーの立場ならあそこまで顔に出すかはともかく、似たようなことを思ったに違いない。
「何故に?」
「レッツ、エンジョイ、ソロプレイ!」
「なるほど……なるほど?」
笑顔で放たれた言葉にユッキーさん、盛大に頭を抱える。
「あの……い、いくつか確認したいんですけど」
「確認? まあ答えられる範囲なら」
「では遠慮なく。まず最初なんですが……先輩方はお付き合いされているんですよね?」
「してるね」
「ですよね。さっきわたしの目の前で超絶イチャコラムーブしてましたもんね」
おい後輩、黒いライトエフェクトが似合いそうな笑顔はやめなさい。
そこからさっきみたいにリア充死すべし! モードに突入したら先輩達困るから。ここには浄化アイテムのアイス売ってないから。
「いや別にイチャコラして」
「してましたよね? いや、してました。世間であれは一般的にイチャコラって言うんです」
ですよねフウマ先輩♪
と言いたげに俺の方を見るのはやめてください。ここでお前の味方したらリンダに睨まれるから。フウマ先輩はリンダ先輩とは推しキャラ談義とか以外でぶつかったりしたくないの。
そもそも、今はリンダと話してるんでしょ。
ならリンダに集中。ほら、さっさと視線を戻す。つうか戻せ。
……いいから戻せよ。ムッとしそうになってるってことは、俺の言いたいことは伝わってるんだろ。こっち見んな。リンダを見ろ。
「……それとも。もしやあの程度のイチャコラは、リンダ先輩の中ではイチャコラの内には入っていないんですか?」
「なっ……」
「わたしがいない時……フウマ先輩とふたりっきりの時は、あれ以上のイチャコラムーブをかましている。そう言いたいんですか?」
うわぁ……何てゲスな笑み。最低なニヤケ顔。
あいつ、絶対リンダのこと困らせて楽しんでるだろ。本来の目的は別にあるだろうに、リンダをからかうの楽しくなってブレちゃってるだろ。
これだからユッキーは……ま、気持ちは分からんでもないが。
リンダって普段はサバサバしてるけど、動揺したりムキになったりするとリアクションが良くなるし。そういう姿は見ていて楽しくもあり、可愛くもあるから。
でも頻繁にはやらないよ。
だって流れもないのにやったらリンダさんブチギレだもん。怒ったリンダさん怖いもん。だから唐突にやれる後輩をある意味尊敬してる。
「言いたいわけあるか!」
「え~でも……あ、そっか。そうですよね。すみません失言でした。だってリンダ先輩はフウマ先輩ともっとイチャコラしたいんですもんね。イチャコラが足りてないからさっき」
「ああぁぁぁぁあぁぁぁやめぇぇぇい! 分かった、イチャコラしてた。あたしはさっきフウマとイチャコラしてました。これで良いでしょ、良いんでしょ!」
リンダさん、半ばヤケクソ。
まあ確かにさっきの後半部分は、リンダとしてはあまり弄って欲しくないところだろう。
俺が『うちの彼女可愛いんですけど!』って思う場面って、リンダとしては思い返すと恥ずかしく思う場面なことが多いし。
しかし……こういう時のリンダって可愛いよね。顔真っ赤にして必死な感じで。
こういうリンダはあまり見れないだけに後輩には感謝ですわ。まあリンダがこの手の弄りに慣れて、羞恥心耐性上がっちゃって前よりも見れなくなったら恨むけど。
え、それは理不尽じゃないかって?
大丈夫大丈夫、恨むって言っても小言言うくらいだから。それに俺よりも後輩の方がそうなった時のダメージ大きいだろうし。むしろそうなる方がこの後輩にとっては良い薬になるのでは?
「つうかこの話って関係ある? なくない?」
「いやいやいや、思いっきりありますよ」
「どこが?」
「どこがって……いいですかリンダ先輩、リンダ先輩はフウマ先輩と付き合っているんです。非リア充特効のイチャコラだって出来るんです」
だからさ、お前どんだけリア充に対して負の感情抱いてんの?
思い出しただけでそこまで歯噛みするとか精神病んでない?
ここ仮想世界だからいいけど、現実でそんなことばかりしてると大切な歯が擦り減っちゃうぞ。
「なのに……何でさっきあれだけイチャコラムーブしておきながら、今はリア充オーラがないんですか! 一緒にゲームを買いに行ったくせに何で今日まで一緒に遊んでないんですか。最初はひとりで楽しみたい気持ちは分かりますよ。分かりますけど、普通3日くらいしたら一緒に遊びませんかね? 気を遣って今日まで誘わなかったわたしがバカみたいじゃないですか!」
あーそういうこと。
何となくは察してたけど、ようやくこの後輩が何を言いたいのか完全に理解しましたわ。確かに一般的な恋人のイメージからすれば、俺とリンダのやってることってズレてるよね。
でもさ、仕方ないじゃん。
俺もリンダもひとりで遊べちゃう人なんだもん。むしろひとりの時間が欲しいタイプなんだもん。
それにさ、やっぱり自分のスタイルみたいなのが固まってから一緒に遊びたいじゃん。その方が連携とか考えやすいし、スタイル次第ではお前正気か? みたいなやりとりも出来るわけだから。
まあ場合によっては、このゲームでは俺達破局だなって展開にもなっちゃうけど。
「そう言われても……あたしらはあたしらだし。ねぇ?」
「そうだな。自分のイメージとズレているからって俺達が悪いみたいに言われるのは心外だ。リア充オーラを出したら出したで文句を言うくせに」
「ぐ……そ、そりゃあ言いますよ。言いたくもなりますよ。非リア充の妬みを舐めないでください」
威張って言うことじゃねぇ。
「開き直るな。というかユッキー」
「今度は何ですか」
「お前、俺達に気を遣って今日まで誘わなかったって言ったが……それ嘘だろ?」
「な、何を言ってるんですかね」
視線泳いでるし、言い淀んでるぞ。
お前って図星を突かれた時の耐性ないな。腹黒な性格を活かすんならもう少しそのへんも鍛えた方が良いと思うぞ。
「証拠はあるんですか証拠は? 証拠もないのに嘘だと言っているなら冤罪ですよ。寛大なわたしでもオコですよ」
「証拠はないし、お前のどこが寛大だとも言いたいが……」
「いや、もう言ってますけど!」
気にするな。
俺は気にしないし、重要なのはそこじゃないから。
「あ、その顔はこちらの発言をスルーする気ですね! 何が何でも話を進めるって気でいますね。あぁそうですか、いいですよ。聞いてあげますよ。わたしは寛大な女ですから」
「自分で寛大とか言う奴が寛大なのかな……」
リンダ、気持ちは分かるけどツッコまないであげて。
そういうこと言っちゃうと後輩ちゃんの気持ちが変わっちゃうから。無駄なやりとりが増えちゃうから。
あ、表情が崩れかけてる。迅速に動かなければユッキーが寛大か寛大じゃないかっていう誰得な展開になりかねん。そんな展開には絶対にさせんぞ!
「ユッキー、今しがた俺はお前の発言が嘘だと言った。嘘である証拠はないとも言った。だが嘘だと言った理由ならある」
「理由……ですか?」
よし、聞く気になった。
こうなれば俺の攻撃フェイズ。誰得な展開にはならない。
この展開がすでに誰得だとか言われたら何も言い返せんけど。でも俺にとっては得だから!
「そう理由だ。ユッキー、お前がこのゲームを買ったのはいつだ?」
「は? そんなの1週間前に決まってるじゃないですか。一緒に買いに行ったのに忘れちゃったんですか? フウマ先輩の頭は鳥さんですか?」
「忘れてないし、鳥さんでもない。俺はお前から1週間前に買ったっていう事実を言わせたかっただけだ」
「へ……あっ」
どうやら俺が何を言おうとしているのか理解したらしい。
「なあユッキー……お前、1週間前にこのゲーム買ったんだよな?」
「う……」
「俺やリンダほど遊べる時間がなかったとしても、多少は遊ぶ時間あったはずだよな? なのにどうしてモンスターの1匹もテイムしていない?」
「そ、それは……」
「お前……最初から俺達に手伝わせるつもりだったろ。気を遣ったとか言ってたけど、自分が楽するために待ってただけだろ」
顔を背けて冷や汗ダラダラ。これは完全に図星だな。
ユッキー、早く嘘吐いてましたって認めちまえよ。
じゃないと……はたから見た時、俺がお前をいじめてるように見えるかもしれないだろ。それで正義感拗らせた奴に報告でもされたら面倒。下手したら俺のオンリヴ人生が一時的に終了ですよ。
「まあお前の選んでるジョブ的にソロがきついのは分かるよ。でもさ、一応後方支援は出来るわけだからパーティーの募集でもすればどうにかなったわけじゃん」
このゲーム、精神面のリスクを考えて性別は偽れないし、顔立ちも現実からあまり変えれないようになっている。
またこのような設定になっているVRMMOでは、外見の優れたプレイヤーは人気が出やすい傾向にある。
それを考えると、ユッキーなら少し頑張ればパーティー組めたと思うんだがな。
自分で可愛いとか簡単に言っちゃうのはどうかと思うけど、こいつが可愛い外見してるってのは俺も認めるところだし。
「だって……」
「ん?」
「だって仕方ないじゃないですか! そりゃあ先輩の言うようにパーティー組めばどうにかなりましたよ。でもわたし、先輩達しかこのゲーム知り合いいないし。知らない人に話しかけたりするの苦手だし」
「え……お前、人見知りなの?」
出会って間もない俺にあれだけボロクソ言ってるのに?
簡単に人のこと貶す発言するのに?
「何ですかその意外そうな顔は。人見知りだから猫被ってるんでしょうが」
「あーなるほど。でも俺やリンダに対して猫被ってる時間なんてあったか? 最初の挨拶の時はともかく、割とすぐに素が出ていたような」
「それは……先輩達にはゲームとか漫画とか共通の話題があるってすぐに分かりましたし。この人達なら素で接しても受け入れてくれるかなって……思ったりしたんで」
何か後輩がモジモジし始めたんだけど。
顔にも赤みが差してるんだけど。もしや……
「ユッキー、照れてる?」
「――っ、何でそういうこと言っちゃうんですか! そんなの言わなくても分かりますよね。先輩は言われなくちゃ分からない鈍感さんじゃないですよね。なのに何でそういう余計な発言するんですか!」
「何でと言われると……お前がリンダを弄るのと似た心境的な?」
それ以上に猫被ったりしないで素で居て欲しいってのがあるけど。
多分こいつの場合、猫なんか被らずに素で居た方が受け入れてくれる人も多いだろうし。本人は納得しないだろうけど、マスコット的な立ち位置で受け入れられるんじゃないだろうか。
「フウマ先輩は鬼畜です。女の子を辱めて楽しむとかサイテーです」
「お前の俺に対する口の悪さも相当だぞ。それを直すなら俺も態度を改めよう」
「その提案は断固拒否します。フウマ先輩に言いたいこと言えなくなる方が精神衛生上悪いので」
俺ってそんなにお前の反感買うような行動してる?
まあこのままの関係で良い、このままの関係が良いと解釈すれば問題ないけど。
「というか、もうこの話はここで終わりです。さっさと行きますよ、せっかく一緒に遊べるんですから。時間がもったいないです」
訂正。
やっぱ問題だわ。この一方的に会話を打ち切られる関係だけは問題だわ。
これが理由でアクシデントとか起こったら俺も気分が悪いし、あいつも良い思いをしない。
どう改善するべきか。
どうあの後輩に人の話を最後まで聞かせるか……無理かもな。
「フウマはユッキーに慕われてますなぁ」
「茶化すな」
「茶化してないよ。あたしから見ると、ユッキーってフウマに甘えているようにも見えるし」
「それだと慕われてるというより懐かれているように聞こえるんだが」
「そのへんは気にしない気にしない。フウマが後輩キラーって事実は変わらないから」
「後輩キラーなのはお前だろ」
あいつ、お前に対してメロメロだし。
俺は何かあればすぐ決闘を申し込まれるんだぞ。それを承諾していたら別の意味で後輩キラーになってるわ。
「くれぐれもあいつ……あいつも含め誰かれ構わず惚れさせるなよ」
「心配しなくてもそんなこと起こらないから。あたし、絶世の美女じゃないし。あんたっていう彼氏もいるし」
本気で恋した人間にとって俺くらいの彼氏だとそれほど障害に思わない気が。
それに絶世の美女ではなく、それなりの美女だから惚れられてしまうのでは?
絶世の美女ならば近づきにくい雰囲気がありそうだが、あいにくリンダにそういう雰囲気はない。あったとしても機嫌が悪い時だけ。
なので普段は気さくな性格も相まって普通に話せる。話せてしまう。そこでリンダの無意識な男前ムーブ、自分がやりたいようにやっただけが発動。でも相手は自分のためにそんなことを……! となり惚れる。
うん、ありえる。十分にありえるな。うちの彼女、可愛さよりもカッコ良さが目立ちタイプだから。
「おい、人の顔ジロジロと見るな。何か恥ずいだろ。せめて何か言え」
「綺麗な顔してるなって思って」
「そういうこと真顔で言うな……顔が熱くなんだろ」
言えと言ったから言ったのに。
ま、可愛い反応が見れたんで良いんですけど。ごちそうさまでした。
「ちょっと先輩達、何やってるんですか? イチャコラしてないでさっさと来てください。イチャコラはわたしの用が終わってから好きなだけやってください! さっさと行きますよ!」
ということなので、さっさと後輩に合流したいと思います。
照れ隠しなのかリンダも先に颯爽と後輩を追いかけ始めたんで。
さてさて、この後はどうなることやら。
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