第85話 クエスト開始!
【旧王都の廃墟】に到着した。
ワイバーンの襲撃以後は特に問題なく進み、一度の休憩をはさんだ後に目的地であるここ旧王都に予定居通りに着いた。
【旧王都の廃墟】は、ギルドの推奨ランクはB以上で出現モンスターは主に悪魔系だ。
遥か昔に王都だった場所だが、魔王軍に攻められた際に滅んだ街で、中央には旧王城があり、中には今でも凶悪なモンスターが根城としている。
今の王都はそれから数百年経った後に、人間族が魔王軍を追い払って作った拠点が発展して出来た都市らしい。
そして、今の王家はその時の勇者の末裔という事だとライに教えてもらった。
旧王城は、地上1階から始まり、7階まであると言われているが、未だ到達者はいない。
5階には王の間があり、ここにはボスモンスターが居るらしい。
LBOでも、このダンジョンは幅広いランクの冒険者が通っていた。
街には悪魔系や魔獣が蔓延り、レアモンスターも登場する。
そして、そのレアモンスターこそ今回のターゲットのひとつ、悪魔”ナイトメア”だ。
この悪魔は、最初は能力を隠して低級魔法の攻撃しかしてこない。
油断して戦っていると、HPが半分を割った時点で本性を現し苛烈な攻撃をしかけてくる凶悪極まりない悪魔だ。
俺がここで戦った時は、ペット共々全滅し絶叫したことを覚えている。
あれは、精神的にきつかったなぁ。
なんせ、まだ
そんな苦難を乗り越えて調教が成功した時は、興奮しすぎて危なく
そんなことを思い耽っているうちに、入口地点に到着した。
ここでパーティ編成をしないとな。
「じゃ、ここでキャンプを張るぞ。馬車はここで置いていく。ドーラはここで待機だ」
「分かりました、旦那様」
ドーラは、すぐにキャンプの準備を進めた。
「まずは、ナイトメア討伐チーム。リンとシュウ、回復サポートにサナティが付いてやってくれ。」
そう言ってまずは、サナティの方を見る。
こちらを見てしっかりと頷く彼女を確認できた。
「リン、シュウ、今の実力なら十分に勝てるはずだが、油断はするなよ?ピューイとクロに乗って戦闘するのはOKだから、存分に活用するんだぞ?」
はい!うん分かった!と二人はやる気十分だ。
何気にクロとピューイが競り合ってる風に見える。
「サナティ頼んだな。戦闘に参加はしないで回復に専念してくれ。あと精神ガードもよろしくな」
「分かりました、任せてください」
サナティは、Bランクに上がったばかりだが精霊魔法による回復は目を見張るものがある。
良いポーションも持たせているし、余程が事がなければ負ける事はないだろう。
「次に、Aランクの悪魔デーモン討伐チームだが、二手に分けるぞ」
デーモン討伐チームは、ナイトメアの捜索も担ってもらう。
ナイトメア見つけるまでは、力を温存したいので道中の雑魚は、この2チームに任せる事にした。
チームAは、前衛にダン、ライのチームメンバーのケイルとマッド、補助魔法役でミラ、回復にザインを付けた。
チームBは、前衛にライ、同じメンバーのミレオとベン、回復にアイナ、遊撃としてフィアを付けた。
ガントは指令塔として双方の指示を出しつつ、ゲンブと一緒に素材集めを頼んだ。
二つのチームは、バラバラに動くのではなく、1フロアに二手に分かれて戦闘する感じだ。
ここは広いので、1フロアに2チームいても邪魔にならない。
真ん中あたりで、リンとシュウとガントが待機している感じだ。
ライのメンバーはまだ全員Bランクだが、全員が戦士系なので実直な戦い方しか出来ないが、実践に裏付けた実力を持っているので意外と危なげなく戦える。
要は、無茶しないのだ。
格上との戦いにライ達は緊張した面持ちだったが、それでも自分を鼓舞していた。
「最後に、Sランクの悪魔エルダーデーモン討伐だが、俺とカイトのみだ」
「なんで、俺だけユートさんと一緒なんですか?」
「カイトは、もうちょっとでスキルカンストするだろ?沢山戦わせてやるから、存分に力を発揮してくれよ?」
と悪魔の笑みをこぼした伝えた。
『冗談じゃないんですね…』と少し泣きそうになってた。
ちょっと脅し過ぎたか?
「ちなみに、ニケとカルマは俺等以外のとこに交互に見回りに行くから。危なくなったら助けてくれるから安心してくれ」
おおー、と歓声があがる。
実力を知っているだけに、ピンチの時に助けてくれると聞くと安心するものだ。
「じゃあ、早速行動開始。次の夜明けには、ここに戻ってくるようにしてくれ」
そう言いながら、俺はワイバーンに乗った。
カイトも見習って、グランに乗った。
「ユートさんもワイバーンに乗るんですか?」
「ああ、そうだよ」
「カルマに乗って戦うのかと」
「あー、それだと過剰戦力だよ。俺自身も能力あげないとこの先やっていけなくなるからな。もっと上のランク相手の時じゃないと、出番が無くなる」
「テイマーってそういうものでは…?」
「まー、そうなんだけどな。でも、必要な事なんだよ。よし、行くぞ!」
「あ、はい!よろしくお願いします!」
そう言って、俺等二人は旧王都の中心に向かって飛び立った。
「さーて、お前らいくぞー!成果低かったら、ユートに笑われるからな、気合入れていけ!」
とガントの号令のもと、デーモン討伐チームも出立した。
「皆さん、よろしくお願いします!ご協力感謝します!」
リンは、自分たちを護衛しながら討伐にあたる全員にぺこりと頭を下げて、みんなに感謝を伝えた。
シュウも慌てて、同じくぺこりとする。
飛び立った後だから遠目にしか見れなかったけど、随分とシュウも素直になったよなー。
と思いながら、ワイバーンを駆る。
「ユーートさんっ!もうっ、名前は付けたんですか!?」
カイトは風に煽られて、声が通りづらいので大声で聞いてきた。
「ああっ、決めたよ!さっき付けたよ。こいつはちょっと赤いからルベルだ」
「なるほど、いい名前ですね!」
ルベルを操りながら、旧王都の中心地に向かっていく。
ここは、中心に行けば行くほど敵が強くなっていく。
そして、その上空にも敵は存在しているのだ。
…いた。
そいつが俺らの標的だ。
「よし、クエスト開始だな!」
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