<閑話>女子会?

 <ひとみside>


 私は、昨日のことについて裁判を受けている中で、こうなった原因がアレだったこともあり、私と旦那様は一時的に離れる形になってしまった。


 旦那様の顔には『物足りなさ』が顔に出ていたので、帰りに甘えさせてあげようと決めたのだった。


 旦那様と離れた所で最初に声を発したのは当然………


「で、どうゆう流れでそんなことになった訳?」

「どうゆうって、昨日ここで話してた事は秀子は覚えてるよね?」

「あんたがなりふり構わずにミサイル打ってた時のことでしょ………ってそれからあの流れなの!?」

「みんなが帰った後に旦那様を私が煽ったのもあるんだけど」

「「「…………」」」

「どうしたの?」


 どうやら、私が言ったことに対して開いた口が塞がらないような感じになっていて、とりあえずみんな再起動するのを待つことに。


 再起動して最初に声を発したのは……


「ひとみは、旦那様にぞっそんなのね」

「うん、そうだよ。旦那様が私を求めてくれるのが嬉しくて仕方ないもん♪」

「先輩が平然としてるのが凄いって思えてくるわね……普通の男なら、四六時中ずっと狼になってそう」


 アッコが旦那様を褒めているところに私は敢えて爆弾を投下した。


「え?旦那様は常に狼だよ?」

「はい?」


 素っ慳貪な声を出したのは、アッコではなく秀子だった。


「だって、いつもは犬の着ぐるみを着てるようなものだもん。だけど、2人きりの時は、いつも狼さんなんだよ♪」

「あ、あのひとみ?……なんでそんなに嬉しそうなの?」

「さっきも言ったけど、私を求めてくれるならいくらでも受け止めるつもりで、旦那様はちゃんと私のことを考えてくれるもの。それに」

「それに?」

「旦那様を求めているのはきっと私の方なの。離れたくない、離したくない、極端に言えばゼロ距離にいてくれないと駄目なくらいに求めてる私がいるの」


 爆弾を通り越して、隕石レベルの発言をさらっと言ってしまう私は旦那様から離れるなんて出来ないくらいに溺れているけど、私はそれでいいと思っている。


 だって、他の男なんかに一切の興味が無くて、近くにすら寄りたくない。


 旦那様が信頼する男の人なら大丈夫だけど、それ以外は除外したいくらいでその理由は簡単というか旦那様の不安を消したいから。


 以前に、男友達?から誘われたら一緒に言って欲しいと言ったことがあるけど、今はそんなことを言った自分が嫌で仕方ないくらいである。


 それを聞いたみんなはと言うと……‥


「そこまで惚れちゃってるのね。まぁ、先輩が狼だとしても優しい狼だろうから心配はしてないけど」

「ありがとう、秀子♪」

「よくもそんな簡単に乙女の顔が出来るものよね」

「アッコ、今の私ってそんな顔してるの?」

「……これは、私達がもっとしっかりしないと駄目ってことね」

「??」


 私は、アッコの言葉が良く理解できていなかったので、秀子に理由を聞くと。


「今のあんたの顔を旦那様に見せたら大変なことになるってことよ」

「この顔は旦那様しか見せる気はないよ?」

「あーあー、これ最大級のポンコツね」

「ねぇ、どうゆうことなの?」

「ひとみ、気をつけないと旦那様以外の男にその顔見せることになるよ」

「……え?」

「私達にその顔を見せてるってことはその話題が教室でしたらその顔を他の男が見るってこと」

「……あ」

「だから、私達四天王が王妃を守らないといけないってことよ。王様が反乱を起こさないようにね」


 私は、肝心なことが抜けていたことに気付いた。


 そう、今は生徒会室でこうゆう話をしているからいいものの、私達の会話は教室でも似たような会話になることが多々ある。


 ということは、今の話で私の顔がそうなってるってことは教室でこんな感じの会話をしていたら、他の男にこの顔を見られてしまうということを言いたいのだ。


「あ、あう~」

「ひとみ、私達はどんな時だってひとみの味方だしそれが負担とは思わない」

「どうして?」


 秀子の顔に『全く』って感じの表情をしており、私の頭は困惑していた。


「ひとみが先輩のことを思ってる時の顔は、私達にとっても微笑ましいことなのよ。それで私も温かい気持ちになるの」

「本当に?気休めで言ってない?」

「文句があるならもっと前に言ってる。ここだって、私が初めて来た時よりも温かく感じるのは、2人のおかげだと思ってる」

「秀子……」


 私は、密かに迷惑かもって思っていたのがあったので、秀子にこんなことを言われるなんて思ってもみなかった。


 私達は、ここをそんな感じにした覚えはなくて逆に居づらい空間にしてしまったんじゃないかって思ってたくらいだから。


「だから、私個人としてはどんな時でもひとみと先輩の為なら出来ることをやるからね。じゃないと、パパとママが別れちゃうかもしれないし」

「私達は、絶対に離れたりしないもん」

「分かってるわよ、っていうかここにいる人で2人が離れるなんて微塵にも思ってないし、別れようなら世界崩壊してみんな消えちゃうだろうから」

「全く……ありがとう」

「お礼を言うのは、きっと私達の方よね。こんな素晴らしい空間になるなんて思ってなかったもんね」


 秀子がしみじみ言うと、かおりや美優も。


「そうね、月日が経つごとにここが温かくなっていくのが感じたね」

「あんなにギスギスしていた生徒会室がこんなになるなんて思ってなかった」

「みんな、それぞれにここに思いがあるのね。なんか羨ましい」


 アッコが少しトーンを落として言うので。


「アッコ、思い出はこれからでも作れる。だから、一緒に作ってくれる?」

「ひとみ……うん、作りたい」

「私達で後輩に慕われるようなことをして、私達で最高の思い出を作ろうね♪」

「「「おーーーー」」」


 これは、私の勝手の見解だけど今の生徒会は過去最高のメンバーではないかと思ってしまうくらいに。


 きっと、これ以上の生徒会なんてあり得ないと。


 私は心の中で『ありがとう、私達を惹き合わせてくれて』とこの教室に密かに感謝をするのであった。

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