教え

 いつもの公園で俺らは、とてもいけない勉強をしようとしている。


 勿論、こんなことを外で教えることではないのだが……事情というか、色々とあるのでこうなってしまった。


 それ以前に俺が教えていいものなのかどうかすら分からないのに。


 でも、お互いの為と思って俺はひとみにあることを教えることにしたのだ。


 ひとみを俺の前に立たせると、優しくキスをしてから『行くよ』と俺が言うとひとみの両手が俺の両肩に置く形になった。


 俺は、ひとみにキスをしながらスカートの中に手を入れて太腿のあたりからなぞるように触っていくと、ひとみから甘い声が漏れてきて俺の理性を壊そうとしてくるが、今はひとみの願いを完遂することなので。


「んっ、もっと、もっと触って。その手つきを身体に教えて…はぁ、んんっ」

「ひとみ、俺もひとみの声を思い出したいから耳元で囁いてくれ」

「はい♡あんっ、んっ、ああぁっ」


 甘い声が嬌声に変わったのは、俺の手がひとみの大事な所に到達して悪戯をしているからで、顔を見たら欲しがってる顔をしていて、俺の理性が飛びそうになる。


「ほ、本当は、んんっ!あなたに、あんっ、してもらたいのに……」

「してあげたいけど、我慢できなくなるからな。終わったらお願いしてもいい?」

「はぁ、はぁ、んんっ、い、いいよ♡こんな、んっ、いやらしい子でもいいの?」

「俺以外には見せないって分かってるから。藤木ひとみは俺の物だから」

「嬉しい♡私は志村一彦だけの物です。もう、誰の物にもなりませんからね♪」


 悪戯を始めてからしばらく経つと、ひとみの足に力が入らなくなってきたようで限界を迎えつつあったから、俺は最後の仕上げと言わんばかりに『最後だから我慢して』と言って、俺はひとみの大事な所を攻め立てた。


「あ、あなた、それダメ!もう、頭…の中、真っ白にな…る、ああんっ」

「辛かったら、肩に爪立てていいからな。行くよ」

「ああっ、そ、それ来ちゃう、ダメ、ダメ、あな…た、もうダメ、あああっ!」


 俺の最後の攻め立てにひとみが耳元で嬌声を発すると、俺に抱きつくような形になっていたので、優しく抱き止める。


「良く最後まで頑張ったな。座れるか?」

「はぁ、はぁ、ごめんなさい。ちょっと無理かも」


 俺は、今の状態を反転させてひとみをベンチに座らせてすぐさま俺もベンチに座って、ひとみを横に倒した。あれだけ、頑張ったんだからご褒美上げないとな。


 お疲れ様、そしてありがとう。愛してるよ。


「こんな感じで良かったのか?」

「大丈夫だよ♡ねぇ、一つ聞いてもいい?」

「何となく予想がつくけどな。いいよ」

「男の人って、やっぱり本とか見たりしてるの?別にそれが嫌ってことじゃないの」


 今の流れからすれば質問の内容なんて嫌でも分かる。


 ひとみが真面目に聞いているから俺も真面目に答えることにした。


「ひとみのことを好きになる前はそうだったよ。でも、ひとみを好きになってからはひとみの事ばかり思い出していたよ」

「そ、そうなんだ。今は見てないの?」

「いい訳になるかもしれないけど、自分の知識じゃ限界があるから勉強させてもらってるのは事実かな。けど、見ながらひとみのことしか考えてないから」


 いい訳にしかならないのは、自分でも重々承知しているが、この手の知識は自分で何かをしない限り、誰にも教わることは出来ないのだから。


 なので、今見てるのはあくまで勉強の為であり、自分がそうする時はひとみのことしか浮かんでこないのだが、ごめんなひとみ。


 俺の妄想の中では、ひとみは俺に色んな服装で抱かれていたりしているのだ。


 勿論、あの服装もだ。


 いけないシチュエーションも思い浮かべたりしてるくらいに、ひとみを常に自分の物にしてる。


 これを言ったら、普通なら怒られるのがセオリーだと思うのだが、一向に起こる気配が無いというか、微笑ましい顔になってるのが少しだけ不安になってしまった。


「さっきも言ったけど怒ってないの。寧ろ、私の為にそうしてくれてるのが嬉しいと思えて。私は、毎日あなたに抱かれているようなもんなんだ♪」

「そうだよ、実際にしたら嫌われるようなことを妄想しているんだよ。服装も変えてな。ごめんな、卑しくて」

「卑しい?そんなことないよ、妄想でも私でしてくれるってことは、私の事だけを考えてくれているのが分かってるから。ねぇ、今度どんなことしてるか教えてくれる?」

「……一応、理由を聞いてもいいか?」

「ん?妄想と同じことを実際にして欲しいだけだよ♪」

「実際にしたら嫌われるから妄想してるのに……意味ないじゃん……」

「だから、聞いて出来ることならしてあげたいって思ってるの♪」


 この奥様は、俺にどれだけ尽くすつもりだよ……気持ちだけ受け取るつもりだけどこの奥様のことだから、全部言わないとダメなんだろうな。


 嫌われないことだけを本気で願うしかないな……これは。


「分かった、週末に泊まりに来るときにちゃんと言うよ」

「無理言ってごめんね。あなたが私の為にしてくれているのに私はもらってばかりだから」

「それは違うからな。俺は、どんな時だってひとみの愛情をもらっているんだから。自分が何もしてないなんて思わないで欲しいんだ」

「あなた……」

「ひとみは、今のままでいいんだ。一緒に成長しような」

「うん♪」

「結構冷えてきたから、そろそろ帰ろうか。ゆっくり帰ろう」

「うん、しがみついててもいい?」

「それは、俺がお願いしたいくらいだ。さぁ行こう」


 まだ、少しだけ足に力が入らないようなのでゆっくりと歩きながら家路に向かう。


「明日は、どうする?学校終わったらすぐ行くか?」

「ううん、部活の方をちゃんとやってから行こう。じゃないと瞳にちゃんと顔向け出来ないから」

「そうだな、俺らもちゃんとしないといけないもんな。悪い、馬鹿言った」

「全く、あなたは自分が悪者になることを厭わないんだから」


 少しばかり膨れたような顔をしているが、俺を困らせるパターンの奴であり、この場合に奥様が求めてるものは分かっていた。


 俺は、後ろから抱きしめて首を俺の方に向けさせてキスをする。


「これで機嫌を直してくれますか奥様?」

「治った♪」


 こんな笑顔を見れて幸せ者だって思ってしまう。


「帰ったらすぐにメールするから」

「気を付けて帰ってね、おやすみなさい。大好きだよ♡」

「愛してるよ、ひとみ。おやすみ」


 ひとみが家に入ると俺は家に向かって歩き出しながら、俺はこんなことを考えていた。


「ひとみはいいって言ったけど、本当に言ってもいいのか……不安で仕方ない」


 そう、俺がひとみに対しての妄想は、人には言えないほどかもしれない。


 単にコスプレのようなもので、それにちょっとした趣向が織り交ざっているだけであるのだが……しかも、以前にしたことも入っているから気が引けるのもある。


 言わないと、拗ねるどころの問題じゃなくなるので言うしかなくて、俺はひとみには隠し事は出来ないんだって悟った日でもあったのだ。


 <ひとみside>


 私は、旦那様からあることを教わった。


 本来ならば、旦那様から教わるべきではないのは分かっているが、私は旦那様の感触が欲しかった。


 旦那様がしてくれたことを同じようにすれば、いつも一彦がしてくれると同じように思えるから。


 それだけ、私は旦那様に溺れている。


 寝る前に私は、自分のことを自己分析していた。


「私って、こんなエッチな子だったんだ。でも、一彦はいいっていってくれた」


 そう呟くと、私は胸と大事な所に手を置いた。


「一彦のことを考えただけでこんなになってる……んんっ。あなた…好き♪」


 本当なら、旦那様にしてもらいたいけどそれをお願いすれば応えてくれるが、我慢させる羽目になるから今回のことをお願いしたのだ。


 それなら、お互いのことを思っていれば問題ないだけの話であって、一緒にいれば尚更問題ないのだから。


 私は何があっても旦那様から離れたりしない。


 と言っても、いつどんなことが起こるのが分からないのは現状ではあるものの、不思議と『離れる』という不安はない。


 理由は?と言われたらちゃんと答えることは出来ないが、私の隣にいるのは旦那様だけって断言できるのだ。


 きっと、私達の『愛する』という頂点が一生見えないほど上にあるからお互いが辿り着く前に寿命が尽きる。


 結果、ずっと一緒にいると結論付けた。


 それは、見えているのは蜃気楼のようなもので辿り着いたと思ったらまだだったってこともあり得るが、どっちも結果としては同じになる。


 私は、旦那様がくれた指輪を見つめながら深い眠りへと落ちていった。

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