STAGE2「誰でもいいから、これは夢だと言ってくれ!!!!」

突然目の前に現れた、「自称神様」と名乗る見知らぬ男。


そんなやつから聞かされる話は、それはもう、突拍子のないものばかりだった。




「えー、カミサマ達の気まぐれで始まった、『ゲームキャラ達の魔の手から逃げ切ろうゲーム』も、今回で262回目を迎えましたー!今回のプレイヤーは、一体どんな作戦でこのゲームに勝ち残るのでしょうかー!?………はー、このテンション疲れるわ…つーことで、さっそくゲームのもろもろの説明をしていくぞー」


「いやいやいや待った待った!!説明うんぬんの前に何そのゲーム!?っていうか選ばれたって何!?神様の気まぐれってなんなんだ!!」


「えー…説明すんのめんどい…っていうかそのままの意味だし。おまえさんは、カミサマ達の気まぐれで始まった現実世界でのお遊び、『ゲームキャラ達の魔の手から逃げ切ろうゲーム』のプレイヤーとして選ばれた。はい以上」


「以上じゃねえ!!意味が分からん!!」


「嫌でもその内分かるさ。プレイヤーになったやつは皆そうだったからな」


そうだ。聞き流すところだったが、このゲームは今回で262回目だと言っていた。

それはつまり、今までにもこのゲームに参加した人間がいたということになる。今の自分のように…?


「………いくつか質問をしたい」


「えー…めんどくせえ………なんだよ…」


「262回もやってるんなら、何で今までにニュースとか騒ぎとかになってないんだ?」


「カミサマ特権」


「…ゲームキャラ達の魔の手って、何してくるんだよ。怪我とかしないだろうな?」


「それ言ったら面白くないだろー」


「………今までに参加したプレイヤーは、最終的にどうなったんだ。元の生活に戻れたのか」


「さあなー」


「……………」


こいつに答える気が一切無いのだけは分かった。


「もういいかー?じゃあ説明の続きを………あー…どこまで言ったっけ………まあいいか。とりあえずアレだアレ。あいつら呼び出すから、後の詳しい事はそいつらから聞いてくれ」


「はあ?あいつらって誰………」


と、自分が言いかけた所で、部屋の扉をノックする音が聞こえた。


待ってくれ。自分は1人暮らしなんだ。という事は、見知らぬ誰かがまた来たということになるわけで…。

うちのセキュリティはどうなってるんだ!!嘘だろおい!!


誰でもいいから、これは夢だと言ってくれ!!!!

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