Turn48.勇者『別れの言葉』
──勇者様、ありがとう御座います。
ふと、そんな声が聞こえたような気がした。
──勇者様、是非ともまたお会いしましょう。
「うん、また会おう……」
──でも、勇者様にお会いしたい時はどうすれば良いですか?
「うん……その時は……」
僕は口を噤んで間を置いた。
果たして、この言葉を口にして良いものだろうか。
この言葉を口にしてもしまえば、全てが終わってしまうような気がした。
──勇者様、また会えますよ。
声は言った。
──必ず、貴方様をお迎えに参りますから。
優しく声はそう言ってくれた。
だから、僕は──その言葉を口にした。
「コバックブラジ・ディファワ・ディワルド」
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