第11話

「で?なにか言うことはあるかしら?」

「‥‥‥いえ、」


皆さんこんにちは

クルセス・シルフィールです。

私は現在正座中でございます。

え?なぜかって?

それは今絶賛お説教中だからです


「聞いてるのかしら?」

「はいっ!!」


俺の目の前には般若、ではなく両手を腰に当てたお嬢様がおられます。

そう、あのあとナナリー嬢を振り切り帰宅した俺は速攻でお嬢様に部屋へと連行され現在に至るわけです。

ここで皆さんにお聞きしたいです。


俺、なんか悪いことしましたか?


いや、ナナリー嬢はなんか俺を救世主とか言ってたけどさ、あの日は久しぶりの休日で街に買い出しに行ったらいつも贔屓にしている店の人から最近人拐いグループが暗躍していると聞き、ちょっと時間に余裕があったからチャチャっと片付けただけだったんですよ?たしかに思い起こせばナナリー嬢みたいな女の子がいたような気はしますが‥‥‥


俺が内心疑問に思っているとお嬢様は深く深くため息を吐き言葉を続けます。


「私は別にナナリー様達を助けたことを怒っているわけでも、ナナリー様に言い寄られていたことに怒っているわけでもないのですよ?‥‥‥いや、後者はものすごーく不満なのですが‥‥‥」

「はぁ、」

「私が一番怒っているのはですね?」

「はい」

「休日なのですから私をデートに誘わなかったことを怒っているのです!!」

「は?」

「ですから休日なのですからセスは私をデートに誘わなかったことを怒っているのです!!どうしてですか!?」

「‥‥‥‥」


どうしてもこうしても、なんで貴重な休みの日をお嬢様と過ごさないといけないんだ!?

使用人にだってプライベートな時間が必要だよ?息抜きだよ?それなのになんで雇い主の娘さんつれて街に行かないと行けないんだよ?息抜きできないじゃん!?


俺の表情から不満が見てとれたのかお嬢様は頬を膨らませながらぷんぷんと怒っています。


お嬢様?

それリアルでやっている人初めて見ました。


「ふん、それじゃセス、今から私と街に行きますよ?行きますよね?行くって言いなさい!!」


それ、もう、選択肢ないじゃないですか‥‥‥


「‥‥御意、お嬢様の仰せのままに‥‥」

「名前、言葉使い、誘い、」


俺はどこの機械ですか!?

しかたなく恐る恐る口を開く


「‥‥り、リビア、俺とデートに行こう」

「はい!!喜んで!!」


俺が強制、ごほん、お嬢様にデートの誘いをするとお嬢様は背景に一面の薔薇を咲かせたような笑みを浮かべて元気に返事をした。


はぁ、疲れる‥‥‥

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺のお嬢様 伊佐波瑞希 @harukikouhei

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る