第6話

「セス!!」

「お嬢様、おわ「ぼこぼこにしてないじゃない!!」‥‥‥すいません」


お嬢様は俺のもとに走りよってくるなり言いはなつと腰に手を当てぷりぷりと頬を膨らませる。


お嬢様、かわいいですね


「まったく、あの赤虫がメタメタのギタキタのズガンスガンにやられて泣く姿を楽しみにしていたのに!!」

「‥‥‥‥」


あれ?おかしいな?

なにやら幻聴が‥‥‥

てかお嬢様?ズガンスガンってなに?


「まぁ、いいわ!!これであの赤虫は金輪際私に関わってこないんだもん!!あぁー、なんて素晴らしいんでしょ!!よくやったわセス!!」

「お褒めの言葉、ありがとうございます」


前半のセリフは聞かなかったことにしよう。


「リビア!!その男とはどんな関係なんだ!!」

「「え?」」


いきなり話しかけられ振り向く俺とお嬢様

振り向いた先にいたのは金、銀、青、紫と色とりどりの髪をした少年たちが俺達を、主に俺を睨みながら近づいてきた。


「殿下、以前から、私のことはオリビアとお呼びくださいとお願いしております。私のような者が殿下に愛称を呼ばれていては誤解をする人が出てきてしまいます。」

「リビアは相変わらず謙虚だな、誤解などさせておけ、お前はいずれ俺の妃になるのだから問題ない」

「おや?リビアを妃にするのは私ですよ?たしかに私以外の男が彼女をリビアと呼ぶのは不快ですね、リビアもそう思うだろう?」

「両殿下とも、いい加減にしてください、お二人にはすでに婚約者候補者の令嬢方がたくさんおられるではないですか?それにリビアは私の物です」

「黙れ、リビアという大輪に群がる害虫共が!!揃いも揃ってリビアリビアリビアと!!リビアをリビアと呼んでいいのは僕だけだし、リビアを妻にするのも世界中、いや死しても僕だけだと決まっている!!」

「「「うるさいサイコ野郎!!!!」」」

「なんだとー!!」


と、登場してすぐに仲間(?)内で喧嘩を始めた色とりどりなイケメン達、ちなみに上から金、銀、青、紫だ。

俺は争うイケメン達を視界から外してお嬢様の方を見るとお嬢様はうんざいとした顔で頷いた。


なるほど、このイケメン達と先ほどのイザークがお嬢様に求婚している蝿どもか、

ちなみにそれぞれを紹介すると


金髪

この国の第一王子この国の第一王子

アルフォルド・エルモア殿下

たしか王族のみが使える光魔法を使うとか、剣術もイザークと比べるとやや劣るが学年次席、学力でもお嬢様同じく首位に食い込むらしい

銀髪

隣国の第2王子

カイゼル・ブルーム殿下

彼は学力剣術魔力共にうちの王子に及ばないが外交等の交渉事や商売をするのが得意とか、一国の王子なのに身分を偽り一から自分の店をおこしたやり手だ。

青髪

ラルド公爵家の嫡男

サザリー・ラルド

俺がお仕えしているパウリー公爵家と同じ公爵家嫡男、剣術、魔力は今一だが学力は常に主席をとっている。お嬢様が毎回テストの度に「あと一点、あと一点で‥」とか言ってた気がする。

紫髪

シュザー侯爵家嫡男

ライゼル・シュザー

家柄はパウリー公爵家に一段落ちるが昔から優秀な魔法使いを排出してきた名家だ。

現在の魔法師団長は彼の父だし、彼自身もとても優秀だと聞いている。

そして今は亡き、あ、間違えた、

今は医務室に運ばれた赤髪のイザーク

ガルア侯爵家嫡男で騎士団長の父を持つ脳筋

終了


さて、俺が脳内で人物情報の復習をしている内に仲間割れは終わったらしい。

4人はこちらを無駄にキラキラした顔を向けて一斉に口を開いた。


「「「「その男は誰だ?」」」」


お前ら息ぴったりだな‥‥‥


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