第4話

「静かに!!これより生徒同士で模擬戦を行う!!各自ペアを作れ!!」


筋肉マッチョな教師に指示され生徒達は各々ペアを作り始める。今は剣術の授業中である。今日転入して来たばかりの俺は誰とペアになるべくか考える。お嬢様と俺がいる特進クラスは少数精鋭がモチーフなのか元々10人だった。そこに本日俺が入り今は11人の奇数、つまり一人余るのだ。

まぁ初日だし、普通に考えれば俺が余るだろうと考えているといつの間にかお嬢様が俺の横にいた。

お嬢様はニコニコしながら


「セス、私と組みましょ?組むわよね?組むって言いなさい!!」


というふうに俺に圧をかけてくる。俺が圧されがちに返事をしようとすると燃えるような赤い髪をした男子が近づいてきた。男子は俺なんかを気にせずにお嬢様に声をかける。


「おい、オリビア!!俺と組もうぜ!!」

「‥‥イザーク様‥」


なるほど、彼が騎士団長の息子であるイザーク・ガルシア様か、彼の武勇は俺も聞いたことがある。彼は学園にある騎士団予備軍の中でもトップの実力があり、誰も彼には勝てないという話だ、だが反対にこんな話もあるそれは侯爵家嫡男という肩書きがあるせいで対戦相手が手加減しているというものだ。それの噂の真偽が今日分かるかもしれない。

俺がそんなことを考えている中、お嬢様とイザーク様の話は進んでいった。


「ですか、本日はこのセスとペアを組みますのでイザーク様とは組みませんといっているでしょ?」

「だが、模擬戦は実力が同じ位の奴と組まないといけないと教師が言っているだろ?お前は俺と本気でぶつかり合うことができるほどの実力者、そんなヒョロッチイのの相手なてだつまらんだろう」

「セスはヒョロッチくなどありませんわ!!セスは私よりも強いのです!!」

「おいおい、冗談だろ?そんな奴がお前より強いって?お前頭をやられたのか?」

「なんですって!?セスは貴方よりも強くってよ!!」


おいおい、お嬢様?

何を言ってるの?


お嬢様の言葉を聞いたイザーク様は目を見開いて俺に視線を移す。そしてまるで品定めをするかのように俺を見てから「ふっ」と鼻で笑い飛ばす。そして何かを閃いたのかニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべながらお嬢様入学視線を移した。


「お前がそこまで言うなら一つ賭けをしようじゃないか?」

「賭けですか?」

「ああ、そこの黒髪と俺とで模擬戦を行う。俺が勝ったらお前は俺のものだ」

「なっ!?」

「いいでしょう」

「お嬢様!?」


なんと馬鹿げた賭けを持ち出すイザーク様、いや、お嬢様をもの扱いするこいつなど最早敬称など不要だ!!というかお嬢様?なにを即答してるんですか!?俺が負けたらどうするんですか!!?


俺が慌てているとお嬢様はさらに付け加えた。


「あなたがセスに勝ったら私はあなたの物、セスが勝ったら金輪際私に関わらないでいただきましょう」

「ふっ、いいだろう」


ふっいいだろうって!!

お前気づけよ!!

お嬢様お前のことかんっぜんっに嫌ってるぞ!?

なにその自信に満ち溢れた顔!?

てか二人とも俺の意見無視です?

おーい?

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