第19話 少女達と小鳥

 飛んで来た小鳥型のスタッフィーは少女達のしなやかな指に、それぞれチョンとまった。


 サクラのスタッフィーは子猫型だったが、いろいろなデザインがあるらしい。


 六姉妹が小鳥を指にまらせたまま、篠宮のスマートフォンに近づける。


 画面にライトグリーンの光が走り、起動の暗証番号を要求される。篠宮が指を走らせると、画面には六姉妹のアドレスが登録されているのを知らせるメッセージが出ていた。


「これだけでいいの?」


「うふ。テラヘルツバンドは大容量通信システムを実現したの。速いでしょ?」


「うん、レスポンスの速さが全然違うね」


 小鳥の方も瞳が少し青く輝いただけに見えた。


「どうなってんの?」


 篠宮の質問に、六姉妹は一人一人答えをつむぐ。


「んー、生体認証端末カリギュラは知ってますよね。私たちの身体の中にあるシステムです」


「それはアオバヤマ町の中のシステムとリンクできるのですが、自分の意思と無関係の情報が入って来る事が多いんです」


「その為、いわゆる携帯端末スマートフォンの機能を外付けのスタッフィーに任せて、自分達の生活に必要な情報をAIに判別させてます」


「スタッフィーは必要な連絡を最優先で知らせてくれるの。ずっとネットワークに繋がったままじゃ、自分が疲れちゃうでしょ?」


「ちなみにスタッフィーのデザインはたくさんあるの。βクラスは変なの選んでるけど」


「先生からの連絡は優先事項に設定しておきますね〜」


 いきなり六人の女子高校生の連絡先を手に入れて、いつの間にか完全回復の篠宮である。


「あとはサクラさんとレディちゃんの連絡先を……」




 つづく

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