第108話 恋神。
翌日。
私たちは全員一緒にベッドの上でとても楽しい夜を過ごしました。事案でした。
いや待って欲しい。私は悪くない。
だって、代償が! 代償がぁ!
内心で無様に言い訳をする私。
バーラから
私はちょっとした理由から、ジワルドに居た頃から既に呪いや代償なんかに詳しかったので、その手の理解も、まぁ早かった。
検証の結果、
仮に二日以内とリミットを定められた代償の方を代償限界、常に求められる代償の方を代償欲求と仮称するとして、
「代償、美味しい?」
「--♪︎♪︎」
自室のベッドの上で、
これから分かる通り、
ルルちゃんとタユちゃんは、そんな
その間私は、残った二人のお守りである。めっちゃ可愛い。犬耳幼女と兎耳幼女を独り占めとか幸せすぎる。
「ふふ、二人ともそんなにとろとろの顔しちゃって。ルルちゃん達が帰ってくるまで我慢してね?」
「ごめんね? ルルちゃん居ない時は浮気になっちゃうから」
私も「幼女可愛い幼女ぐへへへへへ」って感じだけど、ルルちゃんとの約束があるので浮気はダメなのです。浮気はマジでダメ。許されるのはルルちゃん公認の相手と、ルルちゃんが認めた場合にルルちゃんが認めたルールの中でだけ。
「それにしても、二人とも私の事大好きだね?」
ベッドの上で私にぎゅーって抱き着いて、執拗にスリスリしてくる幼女二人の頭を撫でる。さらさらの髪が心地良い。
だから、自分の代償と相性が良い相手に対して、心惹かれてしまう性質があるらしい。バーラから貰った仕様書メールに書いてあった。
つまり、私たちは相思相愛なのだ。
いくら代償をぶつけても、代償を要求しても、喜んで支払っちゃう私達。
黒猫亭は、三人にとっての理想郷。
「ふふ、ずっと一緒に居てね♪︎」
ふわふわの耳と尻尾を撫で撫でする。めっちゃ手触りが気持ち良い。抱き締める二人が良い匂いする。なんか私も興奮して来た。いや、
代償は
て言うか代償とか呪いとか慣れてるし。私の奥の手って大体そんな感じのヤベー奴だもん。
「はぁ、可愛くてちっちゃくて健気でもふもふでえっちな幼女で、武器で呪い有りで高性能? はわぁ私と相性が良過ぎて逆に辛いぃ……」
あんまり可愛いから、二人にちゅっちゅして癒される。ルルちゃんからキスはセーフとお許しを頂いてる。
すると二人はもっと甘い息を漏らして、もっと強く色に濡れる。超可愛い。けどこの先はダメなので、ルルちゃん達帰ってくるまで待ってね。
それまではぎゅーって抱きしめて、二人をくんくんする。ふわぁ良い匂い……。
「あぁぁああぁあ……、幼女の匂いでガンガンにキマるんじゃぁ……」
頭が沸騰しそう。獣耳とか髪とか胸とか、思いっきり吸う。深呼吸する。甘い匂いが癖になる。
あーダメです。ダメですお客様、あー! あーダメですお客様あー!
「
「〜〜♡」
「……♪︎」
えーと、なんだっけ。
そう、
それで、
「つまり、生来の絶倫…………」
いや、かなり語弊の有る表現だった。
「存在が代償その物だから、代償を摂取して無限に蓄積して、身体を構成するのも代償だから、代償さえ溜まってるなら怪我とかもスグ治る、と…………」
中々に不思議な生き物だ。
そう、生き物。武器であり生き物。そして代償であり物質である。
ふむぅ、研究してぇ…………!
「昨夜は乱れまくっちゃって、ぶっちゃけ検証不十分な感じも有るから、これからも色々と調べさせてね? 嫌な事はしないからさ」
昨夜は、もう、凄かったのだ。
端的に表現するなら、『桃色の地獄』だろうか。
それら全部がシナジーを起こして、なるべくゼロ距離に、なるべく舐め舐めして、可能な限り発情を煽る。
底無しに代償を回収出来る存在がそんな要求をするなら、私達は肉団子の如くわちゃわちゃと色々し続けるしかない。
しかも、しかもだよ?
そうすると何が起きるのか?
私達が全員、「離れると寂しいくて無限にくっ付きたくなる」し、「無限に舐めて飲みたくなる」し、「天井知らずに発情する」体質になるのだ。
マジで桃色の地獄だった。
特に、地味に
「まさか、要求される代償が定量じゃないとは…………」
代償とは、この子達
例えば、
このルールに当てはめると、
そして権能とは代償とセットなので、権能模倣を使われて
まぁ、今ここにルルちゃんとタユちゃんが居ないのはそれが理由だ。
平常時に、
どれくらいなら離れても良いのか。距離に応じてどのくらい悲しくなるのか、二人以上の対象が近くにいる場合、その距離に影響が出るのか。
私達は知る必要がある。
と言うか、
「ダンジョンから出ても、忙しい限りだなぁ」
思わず口をついて出た言葉は、自分で聞いても嬉しそうな声音だった。
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