第96話 告白ラッシュ。
優遇措置、特別措置、その他諸々の処理を終えて、更に一ヶ月程の時間が過ぎた今日。
私は黒猫荘の裏庭で、一人ガゼボから月を見る。
「学園は新学科の創設と、遭難組の移籍かぁ」
ダンジョンに落ちて行方不明だった私たち子供の事後処理が全部終わり、みんなが思い思いの生活に戻り始めた。
私とルルちゃんはみんなに感謝され、生還した子供の親御さんも、号泣しながらお礼を言ってくれた。
もちろん、ぺぺちゃんにもね。
こんなにもお礼を言ってくれて、そのお礼を言うためにずっと待っててくれたらしくて、二週間も盛って交尾してたのが申し訳なくなった。本気で土下座したくなった。
もちろん、待っていた人の中には私に恨み言を言う人も居た。なんで助けてくれなかったと、なんでウチの子を見殺しにしたのだと。
私はそれに返す言葉が無かったんだけど、ぺぺちゃんとルルちゃんがその人をブン殴って、「あの銀色クソ兎に言えやァ!」「悪いのはダンジョン! ノンちゃんじゃない!」と激怒してくれた。
まぁそんなこんな、生き残れた私たちは、少しずつ幸せな日常へと回帰した。
「…………何かお話しですか?」
「……ああ。ちっとお嬢に言いたいことがあってな」
私たちは日常に帰って来れたけど、それは帰っただけ。いつも通りに、何事も無く元に戻れる訳じゃなかった。
ダンジョンに落ちてた子の殆どはレベルが二百近くになっていて、ゼルくんに至っては二百十まで上がってる。この世界基準で言うと完全にバケモノだ。
特に、女の子の中で珍しくレベリングに参加してたタユナちゃんなんか、夥しい数の縁談が舞い込んでて大変だそうだ。
タユナちゃんは今、親御さんに頼まてれ黒猫荘で預かってるところ。誘拐とかされちゃうかもしれないしね。
「なぁ、お嬢……」
「ふふ、どうしたんです? ビッカさん、まるで今から愛の告白でもするみたいですよ?」
日常に戻れたけど、日常が壊れてしまった子供達。
そしてダンジョンの攻略について新しい常識や、必須の知識が刷新され、世界も巻き込んで変革が起きてる。
世界が変わり、世間も変わる。
その一つとして、一年半も学園から離れてて留年してる私たち被害者の子供は、いっそダンジョン関連に特化した新学科に移籍させれば良いと、事後処理を誤魔化すような対応をされる羽目になった。
新しい学科の試験運用だから留年そのものを誤魔化せるし、ダンジョンで進化した新人類が如き『プレイヤー』の運用すらも試せる。国としては一石二鳥。
「…………はは、そうなんだよ。お嬢、今から俺は、お嬢に愛の告白をするんだよ」
「……はへ?」
それに合わせて、私たちダンジョン遭難組生存者は全員、特例で探索者資格を得た。これからは学業の一環として、ダンジョン探索を行う事になる。
「お嬢、俺に毎日、ミソシルを作ってくれ」
「……………………あぅぇっ?」
「好きだお嬢。俺の嫁になってくれ」
「はぁぁうっ!?」
そんな変化した日常への回帰を果たして、一人で月を見上げて黄昏てた私は、後からやって来たビッカさんから、なんか告白された。
まって、私モテ期か何かなの? ちょっと恥ずかしぃ……。
「えと、あの、ビッカさん? 本気ですかっ?」
「……冗談でこんなこと言わねぇよ。俺は、お嬢に会えなくなったこの一年ちょっとで、自分がお嬢を好きだったって、気が付いたんだ」
待って照れる顔が熱い。嬉しい恥ずかしい照れる助けて。今私たぶん顔赤くなってる。
いやね、えとね、ビッカさん優しいし、気が利くし、美味しそうに私の料理食べてくれるし、カッコイイし、嫌いじゃぁ無い。
こんな、なんか、ロマンチックな場所と時間に告白されて、想われて、嬉しくないわけが無い。
「でも、あの、ごめんなさい……」
「いや分かってる。伝えたかったから伝えた、それだけなんだ。俺もお嬢に相応しいのは、シルルの嬢ちゃんだと思ってる」
ビッカさんは、今私に振られたのに、凄いスッキリした顔をしてる。
でもちょっと目が潤んでて、本当に私が好きだったんだなって分かる。
嬉しい。でも、私はルルちゃんが一番だから。
「……ただ、諦めねぇからな。俺がシルルの嬢ちゃんよりも相応しい程に男磨いたら、奪いに行くって嬢ちゃんに伝えといてくれや」
「ぇうっ、あの、はい……」
「こんな夜中に悪かなったな。風が冷えるし、お嬢も早く部屋に戻れよ?」
言いたいことだけバーッと伝えたビッカさんは、満足そうに黒猫荘へ帰って行った。
ガゼボに一人残った私は、染まった頬をパタパタと手で仰いで熱を冷ましてる。
ま、マジか。ビッカさんに告白されちゃった。しかも、毎日お味噌汁を作ってくれって、私とビッカさんが初めて会った時の思い出エピソードじゃん。ちょっと古臭い言葉になったけど、その分思い出エピソード使った告白とかロマンチックじゃんね?
びっくりしちゃった。驚いた。まさかビッカさんが私の事好きなんて……。
「る、ルルちゃんが居たら、嫉妬で血を見たかもしれない……」
ちなみに、ルルちゃんは今日、夕暮れ兎亭に帰ってる。私とずっと一緒に居たいと言っても、やっと帰って来れた今日くらいは家族と居るべきだ。私がそう強く主張して、家族の団欒にルルちゃんを押し込んで来たのだ。
◇
「……っ!? 今なんか、ノンちゃんが男の人から告白されてる気がするっ!? 予定と違う!」
「良いから早くそれ食っちまいな。明日には会えるんだから、そんなの正妻の余裕で我慢おしよ」
「そうだぞシルル。旦那ってのはな、ドシッと構えとくもんよ」
「あたし結局それ、妻なの? 旦那なの?」
◇
熱が引いたので黒猫荘のリビングに帰ってきた。
時刻は新時間で二十四時。あと一時間で今日が終わる。
バーラたち世界運営が新しく調整して定めた世界の時間と暦は、一ヶ月が三十五日で一年が十ヶ月、一日が二十五時間なのは今まで通り。
だけど、一秒や一分単位の長さと規格がキッチリと地球の基準と揃えられた。
地球の一年は『31,536,000秒』だけど、
リワルドの一年は『31,500,000秒』で、秒の規格は地球と一緒。
つまり一年に十時間程の時差が地球との間に発生してしまうのだけど、その程度なら閏年的な何かを設ければ対応可能だろう。
だけど秒の長さは揃い、単位も同じになったのでバグもエラーも大幅に消え去り、当分このままで行くそうだ。
一時間を一刻、二時間を
徐々に人類の頭に情報をひっそりと更新して行くそうなので、何とも恐ろしい話しである。
「……………あっ、ノノちゃん」
「タユちゃん、寝れないの?」
「……うんっ、その、寝れないの」
一人でまた、リビングで黄昏てる私は、後からやって来た女の子に気が付いて声をかけた。
何故か、寝れないだけなのに照れて赤くなってる可愛い女の子は、いま黒猫荘で預かっている遭難組の一人、タユナ・フリーデンスだ。
タユナちゃんと呼んでたけど、最近は愛称で呼んで欲しいとお願いされたので、タユちゃんと呼んでる。
へへ、タユちゃん可愛いなぁー。
「あの、あのねノノちゃんっ……」
「ん、どしたの? 相変わらず顔赤いね?」
タユちゃんは照れ屋さんで、すぐに顔が赤くなって俯いちゃう可愛い子だ。
乳白色にも見える金の髪がふわふわとウェーブしてて、タレ目じゃ無いのに眠そうな印象を受けるお顔が愛らしい。
ルルちゃんから何故か「タユ先生」と呼ばれてて、他の子にも「タユ師範」とか「タユ師匠」って呼ばれて、その度に赤くなってて可愛い。
「ノノちゃん…………」
「ど、どしたの? 夢見でも悪かったの?」
なんかやけに近くまで来たけど、どしたのか。悪夢でも見たのかな?
そう言えば、なにかタユちゃんに対する情報でなんか忘れてる気がする…………。
んー? これは、猫化してた時の情報な気がするな。
思い出してみようか…………。
「あのっ、ノノちゃんごめんねっ……?」
「んっ!? んんッ--」
ボケっとしてたら、突然タユちゃんにキスされて頭が真っ白になる。
は? え、待って何事?
もしかして今、私キスされてる? タユちゃんに?
まって舌入って来て待て待て待て待て!
「んぷっ、タユちゃんっ、何するのッ……!?」
「ぷはっ……。ご、ごめんねノノちゃんっ、タユ、タユねっ」
タユちゃんを引き剥がすと、タユちゃんはもう限界まで顔が赤くなって、目が潤んで、もう一度唇を求めるように顔を近付けてくる。
あ、あ、思い出したっ、タユちゃんも私の事……。
「タユ、ノノちゃんが好きなのっ。あのねっ、一番じゃなくて良いの。シルルちゃんのオマケで良いのっ、だからっ」
「待ってタユちゃん、待って待って……!」
「好きなのぉっ」
待って、本当に待って! これマジで私モテ期なのかっ。
いや嬉しいよ。タユちゃん可愛いし、こんな可愛い幼女を合意で食べていいんすかぐへへへへへってなるよ?
でも、でも浮気は良くない! 浮気いくない!
だめ! 絶対に!
「タユちゃん、ごめんね? 私、ルルちゃんを裏切りたくない」
私は、ハッキリとタユちゃんを拒否した。て言うかビッカさんを振ってタユちゃんだけ受け入れるって酷いもんね。
そう思ってた私に、だけどタユちゃんはビックリすることを言い始める。
「あのっ、シルルちゃんからねっ、条件付きなら、二番目でいいよって言われてるのっ」
「待って何それ私聞いてない。聞いてないよルルちゃんっ?」
え、私ルルちゃん公認でハーレム許されるの?
いや待て条件て?
どんな条件があれば、あのルルちゃんが、独占欲の塊みたいなルルちゃんが、私を貸し出すみたいな真似をするの?
「あのね、シルルちゃんからね--」
タユちゃんが教えてくれる、ルルちゃんの条件。
曰く、まず私が受け入れる事が絶対条件。その上で、私とルルちゃんの交尾を邪魔しない。私とルルちゃんは二人きりで交尾出来る。
でもタユちゃんも恋人になるなら、タユちゃんは私と二人きりで交尾出来ない。二人きりで交尾したらルルちゃんはキレる。自分の知らないところで私が交尾してたら嫉妬で狂うから認められない。
つまり、タユちゃんが私とえっちなことしたかったら、ルルちゃんの監視の元、ルルちゃんを加えてプレイしないとダメ。
このルールを受け入れられるなら、私とルルちゃんが受け入れられる相手ならハーレム許可。
「あとねっ、あと、今日だけは、二人きりでいいよって、最初の日は許してあげるって言われてて……」
「待って待って待って。私が知らない間に話しが進み過ぎてて逆に冷静になるんだけど」
いやダメでしょ? 私今、タユちゃんを親御さんから預かってる立場だからね? タユちゃんを守る立場でタユちゃん食べちゃダメでしょ。莫迦なの?
「あっ、お父様からも許可は貰ってるんだよっ?」
「いやいやいや何処まで話し広がってんのっ!? 私何も知らないんだけどっ!?」
「だめっ、かなぁ? ノノちゃん、タユのこと、きらい?」
うわ狡いよその上目遣い!
待て待て、とりあえずルルちゃんにメールを飛ばそう。タユちゃんを疑うわけじゃ無いけど、もし事実と違ったら今キスされただけでも、私は浮気した気分になって胸が痛くなる。
『ルルちゃん。タユちゃんに告白されたんだけど』
『あ、りょうかいしたよー。二人で気持ち良くなるの、今日だけだからね?』
『待って何も聞いてないよ私。ルルちゃんは良いの? なんで良いの? 私の事飽きた?』
私は、独占して貰えない事を少し悲しく思ってメールした。
すると、一分くらいの時間が空いて、もしかして嫌われたのかなって、返信すら面倒になったのかなって胸がギュッと痛くなった頃。
長文病み病みメールが届いた。
『愛してるよ? 大好きだよ? 飽きたとか言わないで? あたし自殺するよ? ノンちゃんはあたしのノンちゃんでしょ? そうでしょ? ねぇノンちゃん、大好きだよ? 愛してる。ノンちゃんの全部が好きなのあたし。あのね、あたしはタユ先生も大事だし、泣いて欲しく無かったけど、でも、ノンちゃんが一番だよ? ノンちゃんが嫌なら、断って欲しいよ? でもね、聞いて? あたし、ノンちゃん独り占めしたい気持ちも本当でね、色々考えたら、コレならって思ったの。ノンちゃんの事大好きだよ? 愛してるよ? 独り占めしたいよ? でもね、好き過ぎてね? 愛おし過ぎてね? 逆に、ノンちゃんが他の子に舐められて鳴いてる所とか、ノンちゃんがあたし以外の人に見せる笑顔とかも、どんなノンちゃんでも全部見たい気持ちがあってね? あと、それを見て自分で嫉妬してね、そんなあたしを見たノンちゃんの反応も知りたくてね? あたし、ノンちゃんの全部が欲しいの。一欠片も残さず全部欲しいの。欲しくて欲しくてたまらないの。でも、誰でも良い訳じゃないし、ノンちゃんはあたしだけのノンちゃんだし、ノンちゃんが他の子に舐められて鳴いてるところをね、嫉妬しちゃってもっと酷いことしたくなるあたしがね--』
凄い長文で凄い病みかけてるメールが来た。え、まじ?
要するに、プラトニックなお付き合いでイチャイチャラブラブしたいルルちゃんと、アブノーマルな私を含めて色んな姿の私を全部集めて独占したいルルちゃんが居るらしい。
でも私の痴態コレクションをするにしても、三人以上が必要な時に誰でも良い訳じゃ無い。だからルルちゃんも私も好きなタユちゃんが選ばれた、と。
ちなみに男性は嫌だそうだ。百合限定らしい。マジか。ごめんねビッカさん。
「あのっ、あの、……だめかな?」
「……えと、信じられない事に、ルルちゃんはむしろ推奨? してるんだよね」
つまりこれは、私がタユちゃんにペロペロされてるところを間近で見て、嫉妬の心を燃やしつつそれを私にぶつけてもっと凄いプレイをしたい。そゆこと?
うぅえぇ、ルルちゃんってこういうタイプだったの……? いやでも独り占めしたい気持ちも本当で、ルルちゃんも自分の心がめちゃくちゃになってて大変なのかな。どっちにしろ可愛い尊い好きっ♡
私の全細胞は全部全部ルルちゃんの物だよっ♡
「…………あのっ、ノノちゃんっ」
「タユちゃん?」
「……キス、したいなっ? えっちなことも、したぃなっ」
………………マジかー。
私は何人の幼女の人生をぶっ壊せば良いのだろうか。
「あのねタユちゃん、私はまだ正直、タユちゃんの事をルルちゃんほど好きになれてない。それでも、そんな私とシたいの? これ正直、私とルルちゃんのオモチャになるって事だよ? だいぶ酷い提案なんだからね?」
「いいのっ、タユそれでも、ノノちゃんが好きなのっ。オモチャでも愛人でも、タユは何でもいいのっ……!」
物凄い愛されてる私。なんで? 私そんなに、タユちゃんに惚れられる事した?
………………あー、した、かも? ダンジョンで優しくした記憶はあるし、吊り橋効果的な?
そこにダンジョンの中で私とルルちゃんがところ構わずちゅっちゅしてたから、「女の子同士でも大丈夫」って認識が加わった結果がこれか。
「えと、後悔しない?」
「しないよっ。タユ、ノノちゃんが好きっ……」
「えーと、じゃぁ、お部屋行く?」
「…………ぅんっ♡」
そう言う事になった。タユちゃん可愛い。
今日一日だけしか、タユちゃんが一人私に可愛がられる事は無いらしいので、思いっきり可愛がってあげることにした。
私のプライベートなネームドスキル【にゃん 】は、対象が恋人である事が条件なので、この瞬間からタユちゃんにも使えるはずだ。
…………正気がぶっ飛ぶくらい発情させてあげるね?
それと、本当に本当にビッカさんごめぇぇえええええんッッ! 私ビッカさんの事も大好きだけどぉおおおおッッッ!
ルルちゃんのお願いが最優先なんですぅぅうううううッッ!
◇
「あ、ちなみにルルちゃんとタユちゃんも、私抜きの二人きりでしたら、私キレるからね?」
「りょー」
「ぅんっ」
翌日、三人で黒猫荘のリビングでイチャイチャしてる。
えへへ、私恋人とか初めてだからずっとウキウキしてる。
タユちゃんは昨夜たくさん鳴かせたから、今はもうメロメロで私に抱きついて甘えてて、ルルちゃんもタユちゃんを撫でながら私にちゅっちゅしてる。可愛い。楽園かな。
「学校いつからだっけ」
「明後日だよ」
「たのしみ、だねっ?」
「まぁ学園には行かないんだけどさ」
-ポーン。
うぬ? 誰からだ。
私がこの世の春を謳歌してると、システムにメール着信。
思考でパパっと開くと、ハル何とかからメールだった。
『あの、少しお時間を頂けますか? お伝えしたい事があります』
はぁ? もしかして、この流れだとコイツも告白とか言わないよね?
ちょっと牽制してみようか。
『もし愛の告白ならお断りしますが、他のご用事ですか?』
『…………えっ!? ……いえ、あの、その』
あ、マジっぽい? ごめん私、君だけは無いわ。じゃぁね。
『お断りします』
私はメールを閉じた。
私とルルちゃんの仲を見て焦ったハル何とかが行動に出たらしいが、私としては「お前だけは無い」が答えになる。
こいつ、私が猫化してて消えるかどうかの瀬戸際に、ルルちゃんが居ない間のキス役になりたくて四苦八苦してたのだ。
私が存在ごと消えようとしてるのに、お前何してるの?
ついにはゴミを見る目になった私は、アイツを最低限の王族として扱う事すら止めた。あんなのゴミだよゴミ。
「しかし、告白ラッシュだなぁ……」
「にゅ? また誰かにされたの?」
「ハル何とかがメールで」
「…………ああ、殿下っ、残念なひとだねっ」
私はどうでもいいメールの事なんて忘れて、甘えるタユちゃんの顎を擽って耳に息を吹いた。「ひゃんっ」て言うタユちゃん可愛い。
ちなみにだけど、今日は黒猫荘に誰も居ない。
ビッカさんもザムラさんもレーニャさんも、王都に帰って来たけど今日の朝早く、王都のダンジョンに潜りに行った。
それとウルリオは、一年半分の給金とボーナスに加えて、長期休暇を与えて孤児院に戻してる。
遭難組はすぐに黒猫荘に来たがったけど、流石にね、暫くは親元だよ。
ぺぺちゃんは現実の方でちょっと長めの検査が有るとかで、二、三日はログイン出来ないって。ぺぺちゃんも病院生活だからねぇ。
召喚獣もコロシアムに置いた領域水晶で遊んでるし、三人の時間だ。
「…………ルルちゃん、今からタユちゃん可愛がらない?」
「お部屋行く? あたしもタユ先生めちゃくちゃにしてみたい」
「ふぇっ、あの、やさしくしてっ、ね?」
「「むり」」
私とルルちゃんは二人でタユちゃんを抱えて、私の部屋に移動した。
その日から三日ほど、私の部屋からはタユちゃんの可愛らしい悲鳴が聞こえ続けた。
あははははっ、私とルルちゃんのネームドスキルはお気に召すかなっ!?
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