3日目⑤
お、エレベーターの番がやっと回ってきたか。
俺と優也、高河などエレベーターを待ってた組がみんな入る。エレベーター入る時に高河が
「どけどけ!俺が1番最初に入るんだよ!」
とさっきまで大人しかったのにいきなり突っ込んできたのは笑えた。まあ、多分俺らが前にいたからネタでやったんだろうけど先生に見られて普通に注意されてて笑ったけどな。
それより、今考えたら俺あんまり奥入ると出れなくね?っていうことに気づいた。エレベーターのドアが閉まる前に場所を移動しなければ!俺は前の方に移動し始めた。
「ちょっと前の方行かせて。みんなより下の階降りるから」
俺はそう言いながら人を掛け分けた。俺は最初最後ら辺に残った組なんてきっと数少ないだろうと思ったら意外と人いて驚いた。おかげさまで意外とぎゅうぎゅうで大変な状況だ。しかも、さらに大変なのが男子だけじゃなくて女子も一緒に載っている点だ。担任の渋川先生が
「もうこれしかいなんだから頑張って全員乗りなさい」
とか言って俺たちは無理やり乗させられたのだ。全く迷惑な話だ。別に男女どっちか待てばよかっただけなのに。だって、誰一人として急いでなかったぞ!おかげぎゅうぎゅうだ。
俺は頑張ったおかげでなんとか前の方に行けた。そしたら、突然誰かに押された。正確にはあの感覚は誰かが何かの勢いに負けて俺にぶつかるざるおえない状況だったという感じだ。つまり、その人の意図的ではなくもみくちゃになった状態で誰かが押したかなんかしたせいで俺にぶつかってしまったようだ。誰が俺にぶつかって来たんだろう?
ん、腕になんか柔らかい感覚がするな…
俺はその柔らかい感覚のする方に目を向ける。なんと、俺とぶつかったのはりんだった。りんは勢いよく押されたためか自分でうまく立つ体制を保てないようだ。そのため、俺に胸を押しつけながらもたれかかってる。やばい、気づいたから意識しちまう。まさか、胸があたってるとは…あとで、痴漢呼ばわりとかされないよな?だって事故だもん。俺わざとじゃないもん。
しかもこの体勢やばい。何がやばいってさっきりんがもたれかかってるって言ったな?りんは腕を曲げててをあげてる状態だ。つまり、手の平を俺の肩甲骨に置いてバランスを保ってるってことなんだ。それがなんかエロい。この女子の触れてる感覚が俺を刺激する。俺の腕もやばいのに。俺このままで大丈夫か?なんとか現状を脱出する方法はないのか?
りんの方に移る。
全くーー。舞夢めーー。
回想。
「今チャンスじゃない?」
「え、何言ってるの?」
「抱きついちゃいなよ。こんなにごちゃごちゃしてたら誰もわかんないって」
「この話してる時点で舞夢は分かるし、私も分かるし、被害者の方も分かるから」
「そんなこと言ってるとせっかくのチャンス見逃しちゃうよ。こういう時、押しかけたら男の子は反応するって!」
「え、でも…」
「もう意気地なし」
舞夢はそう言って私を思いっきり押した。いきなりだったから結構痛かったんだけど〜〜あとで舞夢覚えてなよ。
あ、ちなみに私たちは小声で話してました。エレベーター内は意外と騒がしかったので私たちの声はおそらく他の人には聞こえてなかったと思います。
幸生の方に戻る。
く…
俺はただただ耐え続けていた。
なんとかなりそうだ。もう少しで俺たちの部屋のフロアに着きそうだしな。
よかった耐えれそう…
「ふぁ」
え?!
辺な声がしたと思ったらまた誰かに押されたのか、りんが俺に体を押し付けてくる。
いろんなところが俺の体に当たっている。ちょっとやばいかも知れん。免疫のない男子高校生なんで。
しかも、めっちゃ顔が近い。あっちも顔赤くしてるよ。絶対自分から来たんじゃなくて誰かにやられたって顔だもん。
つうか、顔が近い…
俺ら大丈夫か?
ピコーン
え、着いた?そういえば、今何階なんだろうとか考えてもなかったし確認もしてなかったな。いや、この状況じゃ確認できないんだがな。
ウィーン
あ、開き始めた。えーと、今何階なんだろう?俺らの部屋ここのフロア?
てゆうか、りんが俺に寄りかかってるから俺の体が前に…
「「うわっ」」
俺は扉が完全に開いた瞬間中から吹っ飛ばされたかのように飛び出した。飛び出したというより溢れて出た感じや勢いで吹っ飛ばされた感じだな。
てゆうか、俺だけじゃなくてりんも飛ばされてるんですけど。
つうか、俺らここの階なのか?でも、周りに人いないってことは俺らが降りる階だってことか?周りにいない、つまり、待つ人がいない事になる。待つ人がいないということさ最初に指定した階になるとエレベーターは止まる。とか、考えてたら俺の視界にある事とあるものが入った。まず、エレベーターの扉がしまった。もしここじゃなかったら完全に置いてかれた事になる、俺たち二人は。そして、もう一つが俺が溢れて出た時膝をついて倒れていたが流石にみっともないと思い腰を上げエレベーターのある方向に振り返ったらあるものが目に入った。純情が逆になってしまったが、順番的には溢れでる、膝ついて倒れる、振り向く、その瞬間にはエレベーターしまってる、あるものが俺の視界にはいる、これが正しい流れだ。で、あるものとはみんな気づいてるかも知れないが、エレベーターは普通、降りたあとどこかにここが何階なのか示すものがある。察しの通り、ここが何階なのか書いてあった。
うん、結果から言わせてもらうとこの階は俺たち二人が降りる予定だった階だった。俺たちは間違って降りていなかったのだ。取り敢えず、わざわざ階段上ったり、エレベーターを待つ手間が増えなくてよかった。
「ここって…あ…」
りんも気づいたようだ。
「取り敢えず戻ろう」
「そうだね」
俺に反応してりんと二人では部屋に戻る。
戻る時の俺ら二人は非常に静かだった。
ガチャ
と俺が鍵を開ける。
流石に朝やらかしたって事で取り敢えず今は俺が持ってる。
俺がまず入りそれに続いてりんも部屋に入る。
んーーどうしようか。特に優也達とかとこの後何するかとか予定立てたわけじゃないし、ちょっと早いがお風呂にでもするか。あっちの都合もあるし、りんにお風呂をどうするか聞かないと。
「りん、お風呂とかどうする?この後予定とかあったりする?俺ないからさっさと入ろうかと思うんだけど」
あるのならあとで入ればいいか。
「えーと、ないわけじゃないけどないかな〜」
どういう事だ?
「どういう事?あるのないの?」
なんかちょっと責めるような聞き方になっちゃったな。
「お風呂入るの大丈夫だから」
「ああ、そお?」
なんか変だな?なんかずっともじもじしてるな。やっぱエレベーターの件かな。
「ねえ、やっぱりエレベーター…」
「エレベーター?」
え、エレベーターで?になってるんだけど。もじもじしてるのはさっきのエレベーターで起きた事と関係ないの??
「お風呂今日どっちが先に入る?」
「そっちから入っていいよ」
「え、あ、うん。分かった」
譲るとはどういう事?いや、今までは俺が譲ってただけか。
ガチャ
俺はシャワールームに行き、風呂に入るというかシャワーを浴びて出てきた。
ここでいつもは女子が上がった後の風呂ってどんななんだろうと観察するが今日は仕方ない、諦めよう。というか、バレたらやばいよな。やってることただの変態だもんな。
俺はそんな事思いながらシャワールームから出た。
「出たよー。次使っていいから」
「うん、わかった」
りんが準備してあった荷物を持って入って行った。
俺はりんが出るのを待った。待つ時間はいつも暇だから、ゲームしたり、SNSを見て過ごしている。主にゲームのログイン作業をやっているなこの時間は。
まあ、そうこうしてるうちに時間が経ってりんが出てくる。
ガチャ
「ふー」
全くこの人は風呂上がりの色気が半端ないな。そんなに魅力があるほど大きくはないがなんかエロい格好なんだよな。昨日もそうだったし。昨日は胸チラが少し発生していたような…
まあ、そんなやましい事考えるのはやめてこれからどうするか。
俺がそんな事考えていると先にりんが口を開いた。
「今日は私たち2人でこの部屋で過ごそう」
俺はその時ちょうどスマホから目線を話しりんの目を見ようとしている時だった。まさか、こんな不意打ち食らうとは…
「えっと…どういうこと?」
俺は動転して何故か聞いてしまった。
「そのままの意味だけど。私が一緒にいたいの」
「え…」
俺は下を見て考えた。
これって…いや、絶対そういう意味だよな…
だって…
俺が顔を上げてりんの方を見る。風呂から上がったばかりだということもあるのか顔が赤い。しかも、ずっと恥ずかしそうにしてる。
マジでガチなのか!!
語彙はどこいった。
いやいや、ガチなのか?本当に。
「まだ髪乾いてないからちょっと待って」
「ああ、分かった…」
ガチでそういうことなの?
え、俺だけかこの状況を飲み込めてないの。いや、説明してくれよ。俺鈍くて分かんねぇよ。こんな事考えてる時点でそういう事なのか?
俺はスマホで現在の日時を確認した。
もう10時半過ぎてるな…
まだ、夜は始まったばかりだが。
「ねぇ、髪が乾くまでお喋りしてよう」
「あ、ああ、うん」
「なんでさっきからきょどってるの?」
「え、いや、何にもなによ」
もしこれから本当にすることになるとしたらと思うと同様が。
俺は首を振った。
いや、これは俺の勝手な願望だ。俺の理想と妄想に違いない。変な期待はするな俺!
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