2日目⑥

りんサイド

時間を遡って、そこそこ前。

えーと、私は今昨日と同じような感じの状態です。他の子のところに遊びに行っているところ。女子会?雑談に花を咲かせています。ここまでが解説。

「ねぇねぇ、あれから何かなかったの?」

「え、なんとのこと?」

「とぼけたって無駄だから、貴山君との関係のこと」

舞夢が私にあの話題について果敢に攻め込んでくる。正直、あまりこう言うことは人前で話したくない。まだ、一対一ならいいんだけど。

「特に何もないよ。全然話す機会とかもないし」

「えーそうなのー?だってLENE交換したんでしょ。そっちで話すことないの?」

「別に話すことないし、部屋にいる時は近くにいるしLENE使う事ないんだけど」

「あ、ほんとだ」

「舞夢抜けてる〜」

「でも、ズバリ聞くけどさ。本当にりんは彼のことどう思ってるの?」

「!!…え?!」

「昨日も聞いたけど曖昧だったじゃん。今日はどうかなって」

私の修学旅行はこの話題の所為で台無しだと今思った。なんでじゃんけん負けちゃったんだろう。でも、他の人だったらこんなこと起きてるかな?私だから起きた?え、それって私が意識してるみたいじゃん。絶対そんなことないから。

「別にどうも思ってないけど」

「えーほんとにー?」

「うん…」

修学旅行中ずっとこの話題に振り回されて、もう私飽き飽きしてるんだけど。もっと楽しいかと思ったのに。なんかいろいろ台無しなんだけど。あ〜なんで私こんな目に会わなきゃいけないんだろう。私たち何かしたっけ?別にイチャイチャしてたわけじゃないし、意識してるそぶりを見せた覚えもないし、なんなのこの状況〜〜。

「もう疲れた」

「もしかして、夜2人でやっちゃってる?」

「何言ってるの!」

「え、だって同じ布団で寝たんでしょ?」

「あ、あれは私の不注意から招いた誤解だよ」

「えーそうなの?じゃあ、昨日のポロリは彼に対してのサービスじゃなくて事故だったってこと?」

「うん、ただの事故だよー。なんで私がわざわざサービスしなきゃいけないの」

「えー、彼のことが好きだから、つい的な?」

「そんなわけないじゃん…」

「さっきから言葉には棘があるけど、顔はそうでもないよ」

「え…?!」

りんはそう言われて恥ずかしそうに顔を赤らめた。

「ほら」

「こ、これは違う!舞夢が…」

私このままじゃやられる…今日は早めに帰ろう。

「今日はもう戻って寝る」

私は立ち上がり出口に向かおうとする。

「あ、でも、本当に困ってることがあったら言ってねー。例えば、一緒に寝たくないなら、先に部屋に行って鍵掛けて寝ちゃえば入ってこれないから」

流石に私そんなことしたら悪魔でしょ。

私は言葉を流して、黙って出て行こうとする。

「あれ、本当にりん戻っちゃうの?」

優子が声をあげる。

「うん、今日はもう疲れた」

「今日も生が出るね〜」

「舞夢はもうからかわないの」

「はーい」

優子に注意されて、舞夢は止まる。

ふー良かった止まって。まだ、1時だけどさっさと戻って寝よ。

「みんな、おやすみ。また明日」

「うん、おやすみ〜。また、明日ー」

「おやすみー」

みんなからおやすみの声を聞いて私は部屋に戻った。


私が部屋に戻る途中。

流石にまだ戻ってないよね?だって、戻ってるなら連絡来てると思うし。

私はそんなこと思いながら部屋に戻る。


部屋に到着。鍵を開けて入る。

あ、真っ暗だ。私は電気をつけて自分のベットに寝転ぶ。

「ふぅーー」

特に何もしてないはずなのになんか疲れた。あ、でも、ここで寝ちゃうとまだ戻ってない貴山君が部屋に入れなくなっちゃう。あー早く帰ってきてくれないかな。舞夢の言ったことを現実にしないようにしないと…連絡しようかな?

そんな感じで考えていたら私はウトウトしてきてそのまま意識がなくなっていった。私は朝起きるまである重要なことを完全に忘れていた。


幸生サイドに戻る。

よし、部屋に着いた。もう時間遅いし戻ってる可能性あるよな?取り敢えずドア叩いて反応見てみるか。あ、でも、隣先生いるだったな。こんな遅い時間に帰ってきたことバレるといろいろまずいよな。いや、寝てるから大丈夫か。

俺はそんなこと考えながらドアに拳をやり、叩いていた。

シーン。

一切の反応なし。えーとまだ帰ってないのか?それならそれでいいんだけど。帰ってきているとしたらなんで反応が無いんだ?

俺は次にドアノブに手をかけ、ガチャガチャと鍵がかかっていることを知りながらもドアノブを回してみる。

これだけ音を立てれば気づくだろう、いれば。

…あれ?反応がない。中にいないのか?LENEで連絡取ってみるか…

反応がない。いや、まだ見てないだけだろう。気長に待とう。俺はそれからちょっと待ったが全く反応がない。一応お互いで別の部屋に行ってる時はちょくちょく連絡来てないか見るようにしようと決めてた筈だよな。今考えればちゃんと確認してるか、ちゃんと俺な連絡に反応するか試しておくべきだった。いや、そんなことしたらブロックされるか。それは流石に勘弁してほしいしな。…なんか気持ち的に悲しくなってくるからな。それに、俺がコンビニから戻ってきた時には反応があったからな、反応はする筈。つまり、りんは反応できない状況か、する気がないか、気づいてないか、そんなところだろう。後者2つは時間になれば反応する可能性があるからまだいいか。前者の意見は終わりだ。寝てたりして反応できない状態だったりしたら起きない限り俺はここで足止めだ。やっぱあっちに持たせたのは間違いだったかな?ここで俺の下手なレディーファーストが悪手なって俺に降り注いできやがる。取り敢えず、寝ているのなら通話をしてみて、それで起きるかもしれないからな。マジ、寝てるという選択肢だけはあってほしくはないな。でも、この時間ならありえそうで怖い。俺、昨日より遅く戻ったからワンチャン寝てる説あるな。まあ、取り敢えず通話かけてみるか。

トゥルルルルルルン

トゥルルルルルルン

出ない。いや、マジで寝てる説あるか?いや待て、他の部屋で寝てたら反応があってもおかしくないか?他の奴が気づく可能性だってあるし。ってことはこのまま反応がない場合、りんはこの部屋にいることになるのか?おい、目の前にいるってのに俺は部屋に入れないっていうのか?おい、そんな冗談やめてくれ。ほんとにそれだったらなんの冗談だ。俺なんか悪いことしたか?確かに今日は昨日より遅く戻ってきたけどさー。もしかして、りんめっちゃ早く戻ってきてたとかあるのか!それで待てなくて寝ちゃったとか…もうそれ絶対起きないじゃん。もうそれ絶望的じゃん。多分他の奴のとこ行っても流石に寝てるだろうし、俺はここで1人戯れてないといけないのか。いや、そんなことはないはずだ。通話をめちゃくちゃかけまくったら起きるだろ。

俺はその後何度となくかけまくったが反応がなかった。俺は半ば諦めうずくまって下向き目を閉じた。

なんで反応しないんだ。もう寝てて全く反応しないってことか?あんだけかけて起きないって…よく寝れてて羨ましいな!

はぁ〜〜

どうしよう…

俺がそんなこと考えているうちに俺の意識は朦朧とし、日は上がる。

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