1日目④

戻って同時刻 りんサイド

「あ、もう日跨いでるじゃん!」

「あ、ほんとだ」

りんは気づいて思わず口に出てしまった。それに優子が反応した。

今のナレーションどこ目線?

「ねぇ、りん戻らなくていいの?」

有紗が時間に反応して私に質問を投げかける

「え?」

「この時間だと戻って来てるかもよ?」

「んー」

「取り敢えず戻った方がいいんじゃない?」

「そうだね。私、戻るよ」

「じゃあ、お開きにする?」

優子がみんなに投げかける。

「あ、そうだね。りんもいなくなるしちょうどいいタイミングかも」

里沙が応じる。

そういった感じで私が戻ることになったことで今日はお開きになった。

でも、これじゃあ、私に戻る場所が無いような…

はぁ〜仕方ないなー。大人しく戻って自分のベットで寝るか。

私は部屋を後にし戻る事にした。


その後


「あ!」

「あ」

あれからどのくらい待ったかな。思ったより待ってない気がする。ようやく…いや、この表現は間違っているな。なんとつけくわればいいかな?まあ、そんなことはどうでもいいか。りんさん、来ましたね。待ってました。

「あ、ごめん。もしかして、待ってた?」

「いや、そんなに待ってないよ。さっき来たばかり」

「あ、そうだったんだ。ふー良かった」

俺とりんは他愛も無い話をしながら、りんがルームキーを使いドアを開けて2人とも部屋に入っていった。

俺は部屋に入ってやることだけはやろうと心に決めた。ん?なに?夜這いでもすることを心に決めたのかって?そんなわけないだろ。今までにそんなことを俺が使用と考えてる描写あったか?え?男なんだから爆発して襲うなんてこと普通にあるだって?そりゃ、あるかも知れんがまだ1日目だし、俺はそこまで飢えてないんでな、そんなことはありえんよ。…ありえないであってほしい。

「あ、あのさ」

俺はりんにちょっと戸惑った感じで話しかける。

あ、やっちまった。もっと自然に話しかけるつもりだったんだけどな。

「ん、なに?」

「いやー、あのー」

ここで俺の現代における最大の弱点が出る。それは、連絡先交換へ乗り出せないことだ。人と仲良くなること自体はそれなりにできるが連絡先は交換しない。そんな人が山ほどいる。そのため、せっかく仲良くなってもそれっきりこれっきりの人も多くいる。俺の悪い癖だ。世渡り上手ではあるが、連絡先にまで手が出せない引っ込み思案な奥手な俺。いつも、何故かうまく連絡先を交換する、つまり、LENEの交換がうまくいかない。なんでだろう?まあ、1つは俺にとってそれほどまでに連絡手段というものを重要視していないからだろう。なんたって、LENEで常に話してるのなんて1人とか2人とか酷ければ1人もいないしな。そんな俺が他人のものを手に入れる事にメリットを感じるだろうか?否、感じないだろう。だから、後で困ることがある。たまに、すぐに交換までに話を自然に持っていける人は凄いなって思う時がある。俺はきっとこの先もそんな風になれないと思う。なる気もないがな。と話が逸れているな、ってなんか久しぶりな感じだなこの感覚。

「LENE交換して欲しいんだけど」

本当は俺からこの言葉を言いたくは無かった。あっちから言ってくれると助かったがあっちが言わない可能性を視野に入れると俺から聞くのが確実だろう。あれ?もしこれで断られたらどうしよう。俺完全に嫌われてる事になるんだが。それを知ることができてよかった?っていう前向きな考え方をすればいいのか?いや、無理だろ。今この状況でそんなことできるわけないだろ。つか、今後連絡が取れないと不自由な事もあるだろうしこの少しの間だけ我慢すればいいんだから、流石に交換してくれるだろ。

え、やだ。

とか言って真顔で断られたらどうしようか。理由を直で聞いてみればいいかな?

あ、りんが口を開こうとしてる。

「うん、いいよー」

ふぅー、よかった。

「じゃあ…」

俺たち2人はLENEを交換した。

あ、もしかしたらこのLENEの読み方わかんないとか思ってる人いる?最初、某有名アプリ“ラ◯ン”を思わせるものだと思った人も多いと思う。作者は正直最初そのまま使おうと思ったけどいろいろな問題を回避することを考えるとそのまま使うのはまずいと思い無理やり変えたのだ。多分パッと見た感じだとまるっきり皆が知るあれだろう。えーと、いつまで読み方を粘るかと思ってるだろうから、もう言わせてもらう。正直、字数を稼ぐためにもう少し粘らせて欲しかったが、内容がもう思いつかないし、先延ばしは無理そうだから、もう言わせてもらおう。という風な感じに先延ばしできてよかった。読み方はレネだ。ほんとそのままだ。正直こんな事どうでもいい。本編に戻らせてもらう。

「えと…これからどうする?もう寝る?」

俺はりんに疑問いっぱいな感じで聞いてみた。

「うーん。もうみんな各自の部屋に戻ったし、もう行けないから私は寝るよ」

「俺もそんな感じ」

2人とも寝る事にした。俺もりんも自分のベットに潜り込む。

「電気どうする?」

俺は電気をどうするか念のためにりんに聞く。

豆電球派とかたまにいるからな。俺も小学校までは豆電球派だった。今は暗闇の中1人で寝てるが。

「もう消していいよ」

「わかった」

俺はりんの返事を聞いて、それを返し電気を消して寝に入った。

ガサガサ。

「ねぇねぇ、あのさー。聞きたいことあるんだけど」

りんはわざわざ俺の方に体を向けて聞いてきた。

なんで、俺がそんなことわかるかって?俺はそもそもりんとは逆の方を向きながら布団に入っていた。だが、俺はりんが話しかけてくるから体をりんの方向に寝返りを打った。そしたら、りんは俺の方を向いているんだからそりゃ、わかるし、俺は驚いた。まじ、驚いた。

さて、なんの話をするのだろうか。意外と恋バナとか持ちかけてきたりして。そしたら、俺どんな話しようかな。特にそんな恋をめぐるような話ないし、ご期待に応えられなさそうだ。もしかしたら、私の事どう思う?とか実はあの人のこと気になってるんだよねとか見たいな話とかか?もし気になる人物がいるとしたら誰だろう?高河の名前とかあげてきたら笑えるな。あと、武士とか。つか、あいつらの名が出てきたら俺はあいつらに負けたって事になるんだが。それはちょっと悔しいな。まあ、誰が誰を好きになろうが勝手だし、人それぞれだからな。俺が口出すことじゃねぇ。で、何の話なんだろう?

「何の話?」

俺は暗い中りんの方を向きながら聞いてみる。

「いや、貴山君ってなんか心配してる様子だったから、何を心配してるのかな〜って思って」

え?そんなこと?そんなことって失礼か。俺に。

「…俺は平穏に修学旅行を終わらせたいだけだよ」

俺は向き直して、天井を見上げながら語り出した。なんか語り出したっていい方なんか嫌だな。何が嫌かって自分でそれを語ってるところだよな。

俺は腕を組んで頭の下に入れて枕代わりにして、話し始めた。

「女子と同じ部屋だからさ。有らぬ罪をかけられて、冤罪を葬られたら困るから。いきなり、部屋でキャーとかって叫ばれたら明らかに俺が悪いみたいに見えるじゃん。そして、俺に冤罪を押し付けてくるかもしれないし。この人が襲ってきましたーとかって言われた時には俺はたまったもんじゃない」

「きゃぁぁぁ」

りんが小さい声で頬に手を当てながらきゃぁぁと叫んだ。叫んだと言うには小さすぎるか。

「冗談でもやめて。今、就寝時間でホテル全体静かだから」

「ちょっと試してみたくなっちゃって」

こういう一面があるんだな。意外だな。初めて、りんのことを可愛いと思ったかもしれない。

「話を続けさせてもらうと、俺は面倒く際ことが嫌いなんだ。だから、それを避けるように日々生活を送ってる」

「そお?学級委員とかやってるじゃん。意外と面倒ごとに飛び込んでるイメージ少しあるけど」

「俺にとって最もダメージを受けない選択をとった結果だよ。最終的に面倒くさいことになるまえに俺は手を打ちたい派だから」

どんな顔して聞いてんだろうか。

ここまで俺の話を聞くって…俺に興味があるってことは優也の言っていたこともあながち間違えじゃないってことか?

いや、下手な希望を持つと後で襲う絶望がでかくなるからやめておこう。

「つまり、俺の今までの行動っていうのは自分自信が冤罪をかけられるような状況を作らせないためにやってたことなんだよ。後、ルールとかしっかり決めとかないとあとあと困るから。ほら、俺ら2人だけ男女の2人の部屋だし。最初に言ったと思うけど俺はただ平穏に修学旅行を終えたいだけなんだよ。刺激が欲しいとかいうやつもいるけど、普通に修学旅行するのも今しかないんだから。俺はただみんなと普通修学旅行を過ごしたいだけなんだよ。最後に俺はただ誤解を生みたくないだけなんだよ。あと、俺安全な人間だからそこは保証する。安心してほしい」

なんか話が長くなっちまったな。俺ばっか話してて、こういうのって確かモテない男の行動の1つなんだっけ?まあ、あっちが話を振ってきたから俺は言いたいこと全部話しただけなんだけどさ。俺悪くないよね?これで仲が悪化するなんてことないよね?って俺たち2人に悪化するほどの仲なんてないか。

クスクス

なんか笑い声が聞こえる?

「普通、そんなこと思ってる人いないでしょ。面白い」

りんが小声でなんか言ったが、俺はよく聞き取れなかった。

「でも、私が何もしなくてもそっちの理性が保てなくて私に襲ってきたらどうするの?」

「んー。どうしようかな。そんなこと絶対ありえないから。もし、そんなことあったら警察にでもなんでも突き出せばいい」

「うん。わかった襲われたらすぐに叫んで警察呼んで捕まえてもらうね」

「…うん。それでよろしく」

この言葉を言ってた俺は暗闇だから見えなかったと思うけど、とんでもなく微妙な顔をしてたと思う。

「でも、男女同じ屋根の下。興味とかわかないの?普通の男子高校生ならありえそうだけど」

「人にもよると思う。人にもよるっていうのは同じになる男子ともう1人の女子によると思う」

「どういうこと?」

「男子は欲がやばいやつならこのシチュは絶対に興奮ものだと思う。でも、女子が自分が興味がある子か、可愛い子じゃないければ興奮も何も無いと思う」

「じゃあ、貴山君は私に興味がないということ?完全に?」

なんかグイグイ来るな。そう、可愛い声で攻められたら俺ちょっと弱い。

「さっき言った通り、俺の1番は平穏に修学旅行を終わらせる事だから興味があるとか無いとか関係ないから」

「その言い方だと私に興味があるけど何かあると困るから自分の理性を保ってるってこと?」

なんかおかしいところないか?興味があるとかのところ。興味がないというないわけじゃないが、俺は今どうやったら平穏に修学旅行を終わらせられるかしか頭が回らないからそんなところに手は回らない。回したら俺は終わりだろうしな。

「まあ、今はやらなければならないことが最優先だから」

「へぇ〜そうなんだ」

クスクス

さっきからめっちゃ笑われてんだが。

ぶっちゃけ本人に言っていいかどうか分からないがりんと同部屋なら喜んで一緒になるってやついると思うんだよな。好みな奴は好みだと思うし。俺はそう言った人から見れば羨ましい状況なのに一切この状況を楽しんでいない。全国の女子と触れ合えない男子高校生全員に怒られそうだ。まず今この状況がおかしいんだがな。部屋割りミスるってなんだよ。あってはならないことだろ。

「なんか、それっぽいこと答えるね」

「え、そお?」

「もっと、見た目と全然違うこと答えると思ってたぁ。なんか、期待と違った」

どんな言葉を期待してたんだ?ちょっと聞いてみるか。

「いや、どんな感じのことを答えると思ってたの?」

「もっとヤラシイ感じのこと答えると思ってた」

あんたにとっての俺はなんなんだ?まあ、これ以上聞くのもな…相手が自分のことどう思ってるかなんて…

「どうかした?」

黙っていた俺をしてなのかなんなのか分からないがりんが俺に話しかけてきた。

「いや、別に」

俺も常々嫌になってくる。こんな俺がな。

って俺は何を言ってるんだ。これじゃまるで俺がりんのことを完全に意識してるみたいじゃねぇか。つか、この会話りんが俺を意識してるかのような会話だがどうなんだろうか?流石に「りんは俺のことどう思う?」なんて聞けないしな。流石の俺もそこまで踏み入れないわ。

…もうかったるくなってきた。もう寝よ。

それだ!ひと時だが女の子と喋れて俺は楽しかったぞ。

「明日…じゃないや今日もあるしもう寝よう。おやすみ」

「うん、おやすみ」

俺はそう言ってりんとは逆の方を見ながら横向きになって目を瞑った。

つか、この流れからしたらやたらと素直に応じすぎてるような。普通、「まだまだ夜はこれからだよ」とか言って引き止めるんじゃないのか?あ、そうか、あの人は単純に俺に対して気になったことがあったからそれを聞いてきただけなんだ。俺を意識してるとかそんな感情なんて無いんだわ。じゃなきゃ、寝るの阻止するよね。もしくは、もう少し言葉を残して寝に入るよね。ふー、これで下手な心配しなくて良さそうだな。安心安心。…でも、今冷静に考えてみたら俺女子と同じ部屋で2人きりで寝てるじゃん。なんか、やべ緊張してきた。あっちの心配より俺の心配した方が良さそうだな。

こうして、1日目?が終わっていった。俺が横なってからりんはどんな格好で寝てたんだろう?俺それから振り返ってないからわからないな。でも、あれから音はしなかった気がする。


1日目?終了。

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