1日目②
部屋を出た後の2人。
幸生サイド
俺は現在エレベーターに乗って上に向かっている。全く、面倒この上ない。しかも、俺のクラスは俺の部屋とは真逆の方にあるため距離がある。もう一度言わせてもらおう。全く、面倒この上ない。なんで俺だけ、いや、俺達だけがこんな仕打ちを受けないといけないんだろうか。ふざけやがって。
漫画とかなら興奮する展開なんだろうが、現実はそうはいかない。変にこの状況を楽しもうとすると後でバチが当たりそうで怖い。
お、やっと着いた。無駄に遠いな。マジだるい。それより、みんなはどこいるかな?
ん、なんかこっちの方が騒がしいな。とりあえず、ドアノブに手をかけて…
ガチャガチャ
ドアノブ回しても反応ないな…
インターホン鳴らすか。
ピーンポーン。
「家か!」
誰もいないのに1人でツッコミを入れてしまった。
ガチャ
「おー幸生じゃん」
インターホンに反応して出てきたのは高河だった。
「遊びに来た。ちょ、入っていい?」
「お前にその資格はない。出直してこい」
めっちゃドヤ顔でこんな台詞を吐いてきやがった。
「っそんなん関係ない!!入らせてもらう」
俺は道を塞いでる高河を押し切り部屋に入って行った。
「ちょ、おま、止めろ」
そんな声を上げながら俺を体を使って止めてくるが俺はそんな事は御構い無しで突っ切っていく。ん?高河は体格良さそうなのにひ弱なの?って思った奴がいるかもしれないが高河はかなりの細身だ。かなりヒョロイ。ヒロインより細い。あれ?ヒロインって誰だっけ?あ、りんか。なんか忘れてごめんなさい。
今考えるとめちゃくちゃポッと出のヒロインだよな、マジで。
そうこうしているうちに俺は部屋への侵入に成功していた。
「お、幸生。遊びに来たんだね」
手前のベットの人に追いやられて枕元に座っている高河のルームメイトが俺に声を掛けてきてくれた。そいつの名は西川 恭輔(にしかわ きょうすけ)。めんどくさいので説明は省かせてもらう。高河と同じような細身の体だ。こいつも体大丈夫か?って心配になる1人だな。性格は基本は温厚な感じだな。いざって時は表情に出るくらい静かにキレるけど。高河とは1年の頃から付き合いがある。電車が同じということで仲がいい。今までの説明だと2人の違いがないが高河が身長175センチぐらいで恭輔の身長が俺と同じぐらいかちょっと低いぐらいかな。高河は出っ歯だ。極端な出っ歯じゃなく、口がいつも開いてしまう程度に障害がある出っ歯だ。そして、顔が何故か少し痩せ焦げている。
「いや〜流石に部屋にいても仕方ないから遊びに来た」
「幸生大変そうだけど大丈夫?」
「あぁ、大丈夫大丈夫。今のところは」
俺のことを心配してくれる数少ない存在でもある。有難い。
俺はそう言って部屋を見渡す。
「ここ人多過ぎじゃね?」
何人いるんだ、ここに。10人ぐらいいる?
「あれ、幸生じゃん」
「どうしたんだよ」
優也と雄真が俺がいる事に反応した。
「いや、流石に気まずいから抜けてきた」
他の奴は俺が来たからと言って反応がない。お、お前も来たか程度よ反応だな。ちょっと寂しい気もしなくはないが、まあいい。
2人が近寄って来る。え?高河は?ってあいつは知らねぇ。あの後、どうなったんだろうな。
「何かいいことはあったか?」
ニヤニヤした表情で雄真が聞いてきた。
「女子と同じ屋根の下だろ。羨ましいな〜」
弄り甲斐があるみたいな顔をして俺に話しかけてきたのは優也だ。
「別に羨ましくはないだろ」
「いや、そんなことないだろ。お前も男だろ。どんな男でも萌えるシチュエーションだろ」
え、そうなの?やっぱりそうなの?いや、俺もそうも思ったよ。だけど、不安の方がでかくなったよね。現在はさ。
「なんかそういう時に起こりそうなハプニングみたいなことなかったの?」
優也が聞いてくる。
「え、いや、そんなことなかっ…あっ」
あ、やべ。
「お、その反応何かあったのか?」
ヤベェ、口を滑らしちまった。
「いや、特に何も無かったな。2人の間でルールを決めたぐらいか。会話もチグハグだったし」
あの時のことってやっぱ話さない方がいいよな。口止めはされてないけど。2人の今後を考えると…てゆうか、あっちが女子達にあの事話したら俺終わりじゃん。もう既に話してるかも…どうしよう…もう後戻りできないとこまで来てるじゃねぇか。でも、あれって事故だよな?みんは許してくれるよな。いや、女子の皆さん許してください。お願いします。はぁ〜。明日蔑むような目で見られたらどうしようか。つか、次部屋戻る時とかどうゆう顔すればいいんだろう。
「ふーん。本当は何かあってなくしてんじゃないの?」
ズバッと聞いてくるな、優也は。つか、みんながこっちに視線を移してんじゃねぇか。みんなの視線が俺に集中している!やめてくれ。お前ら2人ぐらいなら取り返しがつきそうだが、こいつら全員に知られたら取り返しがつかない事になりそうだ。
ガシッ
何者かが俺の肩に腕をかけておっかかってきた。
「なんだよ〜連れないな〜」
「離せ」
「いいだろ〜別に〜」
この無駄にうざい奴は背戸側 郎陽(せとがわ ろうひ)。何故かスキンシップが多い。ただ、関わるとめんどくさいやつ。目に入る分には害はないかなって感じ。でも、1つ言えるのは他のクラスなら間違いなくハブられてただろう人物である。このクラスのみんなが優しいからハブられてないんだろうなって思う。好奇心旺盛で意外とどんな話にも乗ってくる。それがこいつのいいところであって悪いところでもあるが。
「特に何も無かったよ」
まぁ、あっちが既に喋っているもしくは喋る可能性が高いならここで話しても問題はないだろうな。もう、取り返しはつかないんだからな。
「それより離せよ。邪魔臭い」
「話すまで離さない!」
そう言ってめっちゃ力強く抱きついてきた。もう、これは逃げれないな…経験上分かる。
「わ、わかった。話すから離してくれ」
「よしよし、良い子だ」
俺の頭を撫で回してくる。こうゆうとこがこいつのうざいところだ。
「で、何あったん?」
雄真がニヤニヤしながら聞いてくる。
この部屋にいるやつら全員が何故か俺に注目する。
「俺も現実でこんな事起こるんだな〜。今更になって思ってるよ」
「お前何があったんだよ」
これを聞いてきたのは高河だ。
「ポロリって現実にあるんだなって思った」
・・・
なんだこの空気。
「もっと詳しく状況説明して」
雄真が俺に催促してくる。
「俺の相部屋の方がお風呂に入ってた訳よ。俺は部屋の中で待機してたんだよ。2人のルールでどちらかが風呂入ってる時は何かあった時のことを考えて見張りとして部屋にいるって決めたんだよ。俺は後に入ることになってたから待ってたら、なんかシャワールームのドアが開いたんだよ。『あ、忘れ物しちゃった』とか言いながらシャワールームから出てきたんだよ。そこまでは良かったんだよ。俺は何だろうと思って視線を向けたわけよ。まあ、あっちが何を持っていくのを忘れたかは知らないけどタオル1枚体に巻いた状態だったんだよ。この状態でも、俺は既にこんなことあるんだな〜って思ってたんだけど、次の瞬間もっと凄いことが起きたんだよ。ドアから出てきてすぐ、よく巻かれてなかったからなのか、何かに引っかかったのか、巻いてあるタオルがほどけて裸が露わになるというポロリシーンがあったっていう話だよ」
・・・
なんだこの間は…つか、みんなガッツリ聞いてるし。これ、こいつらなんかに話してよかった事なのか?もしかして、失敗したんじゃないのか?もし、あっちがこの件を外に出していないとすれば俺はただの悪者じゃないか!もう嫌われること間違いなし!あ〜、終わった。これを機にうちのクラスは変わると思ったが俺の一言?いや、一瞬の発言で無に消えた。
「あ、こいつってどうすればいい?」
「こいつはー」
「お、そうだ。お菓子持ってきたんだった。みんなで食おうぜー」
みんな俺の話をなかったことにしてるかのように別な話題に切り替えていく。有難いのか、こいつらやばいのか、どっちなのか判断し難い。
肩に腕をかけてた郎陽も俺から離れ行った。
みんな、興味ないのか?いや、普通健全な男子なら反応するよな。なんか、俺ら悲しいんだが。え、なんで俺らって言ったかって?それはりんが女性としてみ…いや、これ以上言うと後で殺されそうなので遠慮しておく。
「その話ガチ?」
雄真が少し驚いた様子て聞いてくる。
正直、質問されて安心した。まともな奴がいて良かった。
「ああ、ガチだ。他言無用で頼む。絶対な。他の奴らも聞いてるかー」
「それ今更言っても意味ないんじゃ…」
優也がつっこむ。
ああ、なんで俺は話しちゃったんだろうな、こんな話。あっちが恥ずかしくて誰にも喋ってないってなったら、俺、詰んだな。いや、俺が話してしまったのがおかしいのか。
心の中で謝っておこう。
すみませんでしたーーーー。
全然スッキリしないな。正直にこのこと話したら殺されるよな。
「どんな感じだったんだよー」
と雄真が俺に話しの詳細を聞いてくる。
「みんなのご想像にお任せします。多分、ご想像通りだと思います」
と俺は返した。俺は質問されていた時、あの現状について思い出していた。まぁ、見た目通りのスリムな体型だったな。あ、でも、思ったより着痩せするタイプなんだなって分かった。これは収穫と言っても差し支えないのでないだろうか。え、どうゆうことなのかって?察してくれ。女の子の裸と言えば男はある場所が気になるだろ?そこのこといってんだよ。いつも、制服だとあまりあるように見えないがポロリした時見えたが思ったよりもあった。
「体のほうは?」
「あ、そこ聞いてきちゃう。みんなが予想する通りですよ」
と適当に返したら雄真が「胸はどうだった?」「体の形はどんな形だった?」って身振り手振りで俺に聞いてくる。いや、胸はさっき思ったよりあったって言ったよな。あの人意外や意外に着痩せする体質みたいだわ。だから、制服の時無いように見えるけど本当はあるんだよ。あ、全部心の中で言ったことだったし、俺わざわざ今まで遠回しに言ってたのに直で言っちゃったよ。まぁ、これも全部心の中でのものだから大丈夫か。つか、心の中怖。
「それらに関してはプライバシーに関するから言えんな。そんなに気になるなら自分で確かめてみたら」
「っいや、それは無理だろ」
ちょっと吹きながら雄真は応じる。
「優也は雄真のこの興奮ぶりについてどう思う?」
俺は隣にいた優也が気になって話題を振ってみた。
「え?」
スマホ弄ってるところに俺が無理やり話題降ったからちょっと困惑している。
「別にいいんじゃない。健全な男子高校生で」
「うん、そうだね」
空返事が帰ってきた。きっとどうでもいいんだろうな。話を振って悪かった。
「まぁ、もうこの話題は終わり。終わりにさせてください」
「えー。これからだろー」
雄真が粘ってくる。その時、
「おい!!」
ドンッ
音を立てながら俺の背中を押してきた奴がいた。俺は少し吹っ飛ばされて慌てる。まぁきっと、こんなことしてくるのは高河だ。
「お前、なぁ〜〜に女子高生の裸見てたんだ。なんか羨ましいだろ」
「何すんだよ」
「お前ばっかりなんか羨ましいからだよ」
「下心丸出しだな」
「ははは」
笑ったのは雄真だ。いや、この状況笑うしかないんだが。
「いや、不可抗力というかそんな感じ、事故だよ事故だよ。見たくて見たんじゃないって!見えちゃったんだよ」
「なぁ〜〜にが見たくて見たんじゃないだ。本当はわざと見たんだろぅ女子高生の裸が気になって」
「いやいや、俺は高河と違ってそこまで飢えてねぇわ」
「いや、幸生は飢えてそう。幸生、ある意味今回は襲えるチャンスだけどその後起こることは保証できないから」
優也がちゃっかり言ってくる。
「そうだぞ、お前!現役女子高生と同じ屋根の下、いや、同じ部屋なんだからチャンスでしかないだろ」
「いや、まず飢えてねぇし。それに俺は高河に進めたよな?今更俺にそんなこと言ってくんの?」
「大丈夫。あっちにその気が無くてもこっちから襲えばいけるから」
また、ちゃっかりと優也が俺に変なアドバイスをしてくる。俺の話完全に無視してるよね?お願いだから無視しないで。おじさん悲しくなっちゃう。
「襲う勇気もないし、襲った後のことを考えると足が震える」
この弱気な発言は俺だ。
「おーい、ヘタレー」
と言って、俺に優也は拳をぶつけてきた。
なんやかんやノリ良く反応してきてるな。
「結局どんな感じだったんだよ」
と雄真はしつこく俺に聞いてくる。
俺はこれ以上答える気は無い。あっちのプライバシーに関係するからな。あれはたまたまだったんだし、あっちは俺に見せたくて見せたわけじゃ無い。本当にたまたま起きてしまった事故によるものなんだよ。あっちがわざと見せにくるわけないだろ。
「お前まだしらを切る気か」
「いや、しらを切るも何も俺はこれ以上話すは気は無いんだが」
高河の台詞に対して俺はもう話す気はありませんって態度で言葉を返してやった。
「もし、そのポロリが事故じゃなく、わざとだったら?本当は幸生に気があってわざとやったのかも」
優也がそんなことを呟く。
「マジで?そんなことある?」
俺は少し骨格をあげ半信半疑の様な様子で聞いてみた。
「いや、わかんないけど。もしそうだったら、面白いな〜って思って。やっと、幸生にも好機が訪れたんだなって」
「そんな漫画とかアニメ見たいな展開ある?」
「さぁ?俺の考察でしかないからわかんないけど。本人に聞いてみればわかるんじゃない?」
「そのことを、同部屋で気があるかもしれない相手に聞けると思う?」
俺は少し圧をかけながら言っていた、気がする。
「なぁ〜〜に、お前1人だけ甘酸っぱい青春送ろうとしてんだ!そんなことおれは許さねぇからな」
絶妙な台詞を俺に投げてきたのは高河だ。
すげぇ感情がこもってるな。
「そうだぞ、お前。お前だけ甘い汁を吸おうたってそうはいかねぇぞ」
雄真も反応する。
「ってお前らあの人そんな気になるのか?」
俺はぶっちゃけた疑問を投げかける。
こいつらはこう言った関係の話に興味があるのか?あるようには見えなかったが中々食いついてくるな。まぁ、こういう話は優也と雄真はよく絡んでくるか。ってそんな話題ほとんど無いんだけどな。俺らの間では。なんか、悲しくなってくるな。
「別に俺は弄ったら面白そうだなって思っただけ」
「俺も」
雄真、優也が各々が述べる。
どうせそんなことだろうと思った。
「お前女子と同じ屋根の下って羨ましいな〜」
高河お前はまだ言ってんのか。ガチで俺のことが羨ましいのか。じゃあ、交代するか?あ、でも、それは無責任か流石に。
「女子と同じ屋根の下なんて羨ましい限り」
今発言したのは楢崎 大翔(ならさき ひろと)。
こいつは、中学の時から女子と関わる機会がなく女子との関わりが増えて欲しいと願っている。だから、今俺の状況が羨ましいのだろう。なら、こんな関わりが持てる絶好のチャンスを逃した。「俺立候補します!」って言えばなれたんじゃないか?あ、でも、じゃんけんで決めたことでランダム性と平等性が保たれているのか。流石に立候補する奴なんて下心丸出しだもんな。女子は誰もペアになりたいと思うはずがない。じゃんけんで負ければ仕方ないと諦めようと思えば諦めることもできるかもしれないしな。俺はそう思って提案したんだった。ん?俺はただめんどくさがってじゃんけんを提案しただけなんじゃないかって?違うわ!さっき考えていたようなことを考えながら提案したわ。流石に適当過ぎると後で理由を聞かれたとき、俺が悪者みたいになってしまう。まあ、実際提案した本人がじゃんけん負けてんだから世話ねぇな。
「もうこの話は終わりにしよう。俺もトランプ混ぜてくれ」
何人かがトランプで大富豪?か何かをしている。そのグループのところに俺は駆け寄っていった。
こんな感じで俺は時間を過ごしていった。
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