奈々編 前編  

「それじゃあな、奈々」

「またね〜」


私、奈々はにぃにと同じ学校に通っている。



「おはよ〜なっち」

「うん。おはよ〜」



友達のように接してしてるくせに裏では私の悪口を言っていることを私は知っていた。


「奈々と一緒にいると男子たちからよく見られるから一緒にいるだけで正直つまんないよね」

「たしかにね」


私はその会話をたまたま聞いてしまった。

今まで友達だと思っていたのに裏切られた

私は絶望した。


私は学年で一番かわいいと言われている

そんな私でも友達はいない

近寄ってくるのは私のおこぼれを貰おうとしてくる女子だけ


「ねぇ、なっち、好きな子とかいるの?」

休み時間、友達のふりをして近寄ってくる女子たち

私に喋らないで、なんて私のイメージがあるからそんなことは言えない。

だから私は友達を演じ続ける

「え〜好きな人か〜お兄ちゃん、かな?」

「え〜なっちの好き人ってお兄さんなの〜」

そんなどうでもいい会話もイメージの為に我慢する。



〜しばらく後〜


私は体育の授業を終え教室に戻った。

「今日の体育さ〜難しくなかった?なっち」

「わかるわかる!私、運動神経ないからさ」

そんな会話をしながら自分の席につくと引き出しの中に何か入っている。

「ん?なっち、どした?」

「なんか引き出しの中に入ってたから」

「なになに?お〜またラブレターじゃん

今週で5回目だよ!

もてる女子は違うな〜」

「そんなこと、ないよ〜」

「でもでも、どうせまた断るんでしょ」

「ど、どうかな、、、」



〜放課後〜

「俺、ずっと奈々のことが好きだったんだ」

「あ、あ、そうだったんだ、

全く気づかなかったよ」

普通、私に告白して来る人は

名前も知らない人だったりあまりかっこよくなかったり

でも今、告白してくれてる人は違う

いつも良く喋るし結構イケメンと言われてる男の子だ。

いつも私に近寄ってくる人もこの男の子目当てで近寄ってくる人が大半。

「奈々、

 よかったら俺と付き合ってくれないかな」


「え、えっとその気持ちは嬉しい

でも付き合うのは無理かな。ごめん」

彼の目が涙目になる。


「好きな人がいるの?」


「え、えっとね

  私が唯一好きなのはお兄ちゃん、かな」

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