第10話番外編 ヤンデレパート



〜本編〜



「そこに座って」

僕はそうアキ姉に言われてリビングに座らされた。

隣には奈々もいる。

「優ちゃん。奈々から聞いたわ。

今日の放課後、女の子の家に行ったんですって?」 

「はい。行きました。」

「あ〜素直な優ちゃん。

ごめん奈々。ちょっと自分の部屋にしばらく行ってて。」

隣にぴったりとアキ姉が密着してくる。

「ねぇ〜優ちゃん。私の腕みて〜」

そう言われて出された腕は刃物でめちゃめちゃに切られていた。 

「ねぇ〜優ちゃん。私の腕痛そうでしょう。

奈々の話を聞いて優ちゃんが他の女の家に行ったと考えるとこの世のものでもない怒りが込み上げてきて切っちゃった。」

僕は衝撃で何も言えない。

さらにアキ姉は続ける。

「私ね、優ちゃんにそこらへんの害虫がついてほしくないの。ずっと純粋な優ちゃんでいてほかった。でももう無理ね。

守ってあげられなくてゴメンね。」 

そう言うと僕の頭を思いっきり叩いた。




「う、ここはどこだ?」

真っ暗部屋に僕はいた。

「あらやっと起きたのね。

暗いからわからないかもしれないけどここは私の部屋。」

僕の体は手錠と縄でグルグルに縛られていた。

「優ちゃん。身動き取れないよね。

アハハハ。可愛そうな優ちゃん。

でもね〜これもあなたが約束を破ったバツ。

悪い子にはお仕置きしないとね。」

そう言ったアキ姉の手には包丁がある。

「どこがいい?

その女と喋った口?

それとも女の部屋を触った手?

はたまた女の家の中を歩いた足?

もしくは、女のことを見た目?

どれがいい?

選ばしてあげる。

目に包丁を刺してもう目を見えなくしてもいいし

考えただけでぞくぞくしてきちゃった。

でも、悪いのは優ちゃんだよ。

私達がいるのに!

なんでなの!


あぁ…もういいわ

じゃあ背中ね。

背中に私と奈々の名前を刻んであげる。

そうするともう、私達のこと、忘れないよね

じゃあ我慢してね」

次の瞬間。

背中にザクザクと身が切り広げられていった


痛い

痛い

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 

ぐあぁーーーーー

背中がどんどん切り裂かれている。 

血が流れていく。

温かい。

背中がザクザク言ってる。

包丁の刃先が背中を下に斜めに縦に貫いてくる。

アハハハ

アハハハ

後ろでは狂った笑い声が聞こえてくる。

背中から滴り落ちる血をアキ姉が舐めていく

背中には刃物の冷たさ、鋭さ

舌のヌメリ。


気が遠くなって...



「あら、やっと起きた。

気絶しちゃったのね。

しっかり消毒して手当してあるから大丈夫!

それより夜ご飯作ったの。

ほらどうぞ。


あっ、そっかー。手錠で縛られているから食べられないのか。じゃあ食べさせてあげる。

どう?美味しい?

今日は優ちゃんの好きなハンバーグよ」 

「えっ、なんて?このハンバーグ、味が変?

バレたら仕方ないか。

そのハンバーグに使った肉、それあの女の肉

 優ちゃんが気絶してる間にちょっとね。

あの女、黙って私に切断されればいいのに

騒いじゃって。ちょっと手こずったわ。

でも、最後はちゃんと、肉、貰えたし。

後、そのハンバーグの中にちゃんとあの女の血も混ざってるから味わってあげてね。


でも...

こんなに優ちゃんのことを守っても最後はまた害虫が寄ってくる。

もうそんなイタチごっこになるくらいなら 

   優ちゃん一緒に死なない?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る