彦さんとの話し合い。

とおるさんとの間に愛があるはずはなかった。












でも、そう勘違いしてしまいそうなくらいの時間を過ごし私はまたとおるさんとの関係をこの先、彦さんとどうなっても続けようと思ってしまっていた。












そして、とおるさんに抱かれた次の日の電話で明日の夜に彦さんと久し振りに話し会う約束をした。












会う約束の日。

午前中に私は産婦人科に行った。













とおるさんに抱かれた後から続いていた下腹部からお尻にかけての痛みが気になった












『これから先、どちらに転んでも子宮の病気と付き合って行かなければならないから視てもらっておこう。』










そう思ったからだった。













病院の診断結果は腺筋腫が更に拡張しており妊娠、出産は極めて難しく危険というものだった













『とうとうきた。』













そう思った。













そして、私の決意は離婚へと固まった。













夕方、彦さんが久し振りにやってきた。












1ヵ月も経っていないのに彦さんは窶れていた…












彦「久し振り。元気そうで良かった」












私を見て安心したかのように微笑んで彦さんはそう言った。












私「私が実家にいて窶れてると思ったの?

彦さんは窶れちゃったね(笑)」













久し振りの夫婦の会話はこんな感じだったと思う。













それから、私達は数時間2人きりで車で走りながら話した。

会話の内容は思い出に浸ったり、お互いの反省だったり…産まれて来れなかった子供の事や私の子宮の病気の話。

後はほんの少しだけお互いの別々の未来の話しなどをした。












彦「もう、決めててお別れみたいな話をするんだな」













彦さんが私を実家に送りながらそう呟いた。













私「だって、実家に帰ると言うことはそういう事でしょ?」













私はアッサリそう返した。













彦「もう、手遅れかも知れないけど…

これ、家に帰ってから読んで欲しい。

もえを前にしたらきっと言えないと思ったから

ガラじゃないけど書いてきたんだ…」













そう言いながら彦さんは封筒を手渡してきた。













私はその手紙を手にあることを思い出した…













彦さんは私達の記念日を忘れていたことがあった。

一生懸命謝ってくれる彦さんだったけど女性の影を見ながら少し不安だった頃に私が言った言葉…













「記念日を思い出した地点で手紙でも何でも書いてくれたら私はそれだけでいいのに…」












きっと彦さんはあの時の私の言葉を覚えててくれてたんだと思いうと少し嬉しかった。

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