新たなスタート。
家に送ってもらい部屋へ入ると彦さんからの手紙を私は読んだ。
内容は…笑いが少しと後は切実な気持ちが隠ったものだった
『もう少しだけでいい。
もう少しだけ俺を見て下さい。
そしてもう一度俺にチャンスを下さい。』
最後にこう書かれてた…
私は色んな事に流されて結婚したと思っていたけど
縁があったから出来た結婚で
彦さんには覚悟があってした結婚なのだと手紙を読んで思った。
私は最後に彦さんの覚悟と決意を
もう少しだけ見てからでもいいんじゃないか?と思い直した。
自分の事は棚にあげ、私は彦さんの覚悟と決意を見計るかのような事を言った。
1、彦家には戻りたくない。
2、次に借金をしたら離婚する念書を書いて欲しい。
3、私にだけは感情を見せて欲しい。
と、いうものだった。
そして私のお願いを全て受け入れる為に
この日から彦さんは家を出る為の準備を始めた。
あれだけ好きだったギャンブルも辞め
飲み歩くこともしなくなり、お金を節約し
彦父と彦母の説得も始めた…
休みの前日はどんなに遅くなっても私の実家へやって来て、仕事の日以外はこっちで過ごすようになった
相変わらず心の読めない目はしてたけど
少しづつ本音も言うようになった。
そう。
彦さんは努力してくれ始めた…。
彦さんから遅れること1ヵ月くらいで
私も仕事を探し働き始めた。
流石に父の所では働けなかった私は(お金が貯まり次第家を出るつもりでいたから)辞めやすい人手が多いであろう回転寿司チェーン店に潜り込んだ。
父も私達を応援してくれ、仕事が休みの日には
バイトと言って手伝わさせてくれバイト代を奮発してくれた。
そんなこんなで私達は1年も経たずして
170万の貯蓄が出来た。
貯蓄が出来ると彦さんは賃貸だけど平屋の庭付きの家を探してくれ、契約した。
私達の新たなスタートは彦さんの頑張りと努力で
現実になった。
彦さん30、私27の秋だった。
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