彦母との喧嘩

この日の彦さんは確か夜勤でお昼ごはんまで眠っていた。









私はやり場のない怒りを抑えるのに身体が震えていた…








そんな私を横目に彦母の攻撃は続いた。








彦母「もえさん?

ほら、もっと怒ってみなさいよ!(笑)

ねぇ、怒ったらどうなるの?見せてみて(笑)

ほら!ほら!(笑)」








そう言いながら今度は私の背中を肘でつつき始めた









私「お母さん…もういい加減にしてもらえませんか?」








そう言うと大粒の涙がまな板にこぼれ落ちた









彦母「あら。泣いた(笑)

で?泣いてどうするの?

いい加減にしろって何を?(笑)」









私「…本当にいい加減にしろや!」









私は彦母の肩を押し、そう叫んでしまった…








彦母「だから何を!?

ちゃんと言いなさいよ!

それが姑に対して言う言葉?!」








彦母と私の大きな声を聞きつけ彦父が飛んできた。









彦父「おい!大きな声で何があったんだ!?

もえ?きよ?喧嘩は止めろ!」










彦父の登場で彦母の表情が一変した。









彦母「お父さん…もえさんが私の肩を押したの…

何でこんなことになったのか解んないの」









彦母の豹変振りと言葉に私は黙ってその場から走り去り2階へ駆け込んだ。








『もう、あんな人と生活するなんて無理だ…』









そんな事を思いながら私は必死に荷造りをした。









寝室へ入ると彦さんは眠っていた。









そんな彦さんを他所に一通りの服と下着を旅行鞄に詰め込み、リビングのテーブルに携帯と指輪を置いた時だった…









彦母「逃がさないよ!

実家に帰ろうなんて100年早いから!

結婚式の元もまだ取ってないのに帰れると思ったら大間違いよ!


だいたい、言わせてもらうけど

こんな些細な事で荷物まとめて指輪を置いて何を考えてるの!?

だから彦には貴方よりもっと良い嫁が居るって言ってるの!

あの子はね、母親の私が言うのもなんだけど

良い父親になると思ってる。

でも、もえさんが良いってつれてきたの!

父親になれないかも知れないのに…

あの子が不憫で可愛そうで情けない!

そんな親心の何が気に入らないって言うの?」










この時、初めて知った彦母の想いだった。









私「そんなの解ってます!

彦さんは絶対に良い父親になるって私だって解ってる!

だから私は尻尾を巻いて逃げるんです!

私じゃない人と幸せな家庭をきづけるように!

私には時間がない。

だからここで潔く去るんです!」










もう、ここから先は覚えてない程

私は興奮し、発狂した。









途中、いい加減にしろ!と彦父と彦さんに言われたのは覚えているけど…彦母と私は止まらなかった。









どれくらい言い合ったのか解らないけど

私は夜になるのを待ち、彦母がお風呂に入ったタイミングを見張り荷物を持ち玄関へ向かった。

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