決定的な亀裂

体外受精に協力的ではない彦さんと…

彦母、彦父との決定的な亀裂が入ってしまったのもこの頃。









結婚して2年半が来ようとしていた頃だった。








ある日の夜、先に寝ていた私はフッと目が覚め

彦さんの居る隣の部屋を覗いた、






ドアが少し開いていて見えてしまったパソコン画面






その画面にはアダルト動画が流れていて

彦さんは1人でしている最中だった。






『何で?』






この頃の私は妊娠したくて必死だった…

だから彦さんのこの行為はイラっとしてしまった。







そして連日、女性ホルモンを打たれていた影響で完全に一時的な更年期となっていたと思われる私は怒りを抑える事が出来なかった…








私「ねぇ、何で?何で1人でしてるの?

私が不妊治療してるの知ってるよね?

貴方が出さなくちゃいけないのは私の中なの!

何で外に出して捨てるの?」








私の言葉に彦さんはビクッとしながらも

手に持ったティッシュを鼻に持っていき鼻をかんでみせた。







彦「俺だって1人でしたい時もあるだろ…

そんなにダメなことなの?

俺は子供を作る道具じゃない!」







あまりにも衝撃的な彦さんの言葉に

私は我を忘れてどうしたのか覚えてない…








ただ、この日を境に私は彦さんの色んな秘密を探るようになった。







そして、見つけてしまったパソコンの中の出会い系サイト…







そこには何人かの人とのやり取りがあり、約束までしていた…。







この頃の私は彦さんのお給料を知らなかった。







毎月、10万円を生活費としてもらっていた。

そこからガソリン代と私達の食費3万円と携帯代を払い後は雑費や外食、病院代などに使っていた。







光熱費などは彦父と彦母が払ってくれていて

彦母からは食費を3万貰って遣り繰りしていた。







だから彦さんのお小遣いがいくらなのか

残りのお金をどう使っているのか全く知らなかった…








『お金があるから子作りに協力してくれないし、こんな遊びも出来るんじゃない?』







そう思った私は彦さんに何度かお給料を聞いてみた。

が、彦さんはのらりくらりと私の質問をかわし、お給料を教えてくれる事はなかった。








そんなある日のこと、彦母は出張で留守。

結婚してこの家に来たときの決まりごとの1つ。

郵便物は触らない…と言う約束を私は何も思わずに破ってしまう。








買い物から帰ると丁度郵便物が届いたところだった。







郵「郵便です」



私「ありがとうございます。」








何気に受け取った郵便に目をやると

彦さん宛の1枚のハガキに目がとまった…









そのハガキに何となく違和感を感じた私は悩んだ挙げ句、ハガキを開けてみた…









そのハガキは金融会社からのもので

彦さんの借金が後いくらあるのか、そして次の支払い額が記されていた…。








私には金融関係の仕事をしている友達がいる。

直ぐにその友達に電話して聞いてみた。



彦さんの名前と住所を言い、もしこの人が貸付に来たとして貸すのかどうかを聞いた…





友達の答えは「ノー」だった。






ハガキに記されていた金額は一括で払えないものではなかったから、ここで更に数社借入していることが解った。






友達はいくら彦さんに借金があるのかは答えられないと教えてくれなかったけれど、アホな私でも解った事実。






それより何より、私に郵便物を触るなと言っていた彦母と、知らないはずはない彦父への不信感…






私は怒りを抑え、郵便物を隠しこの先どうするかを考えるようになった。

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