不妊治療
MRI検査の前夜、私は彦さんに井奥先生の診断の話をした。
彦さんは怒りを抑えるとき、左の頬がヒクヒクト動く。
私はその癖を見ながらも冷静に穏やかに話せたと思う…
彦さんはどこのなんと言う医師が診察したのかを
何度も聞いてきた。
そして、何故もっと早くに言わなかったのか
と、怒られた。
それでも、検査は行かなくてはならなくて
彦母に話して家事をしてもらうように助言してくれた。
検査は寝てて機械に入るものだけど
造影剤を使うことでのリスクを教えてくれ
身体に造影剤が合わなかった場合は迎えに行くから病院で大人しくしとくように言われた。
私は彦母に次の日の朝に話し
この日は掃除をせずに家を出た。
病院について、受付を済ませ
産婦人科へファイルを出すと先ずは採血をして
病院着に着替え造影剤を入れやすいようにルートを取った。
準備が出来ると点滴をガラガラ引きずりながら
放射線科へ行き順番を待つ。
そこには中年男性が私と同じように病院着を着て
点滴をしながら奥様と思える人と順番を待っていた。
『あれ?付き添い?もしかして大変な検査?
この人はどこが悪いんだろう…』
そんな事を考えながら観察していると
私の順番は直ぐにきた。
初めてのMRIはとても煩くて…
少し息苦しく感じた。
途中で造影剤が点滴のルートから入れられ
「気分が悪くなったり、痒みを感じたりしませんか?もし、途中で気分が悪くなったりしたらこのボタンを押して下さい。後少しなので頑張りましょう。」そんな感じの事を言われたような気がする。
運良く私は造影剤が身体に合わないとかはなく
無事にMRI検査を終えることができた。
本来ならベットで少し休むらしいが
私は次の予約を取りこの日は帰宅した。
お昼過ぎに彦さんから電話があった。
彦「大丈夫か?今はどこ?」
私「大丈夫だよ。もう家だし。」
彦「昼から休みをもらったから今から帰るけど
何か食べたいものとか欲しいものはある?」
私「何で?大丈夫だよ?」
彦「もう、休むって言ったからいいの。
帰るからね
で?検査の結果はいつなの?」
彦さんはとても優しかった。
次の予約の時には休みを取ると言ってくれた。
私「心配ばかりかけてごめんね」
私はそんな彦さんに謝るしかできなかった…
けれど、不安も恐怖もなく
私は結果がでるまで落ち着いて過ごせた。
そして1週間後、結果を聞きに彦さんと病院に行った。
結果は卵管ガンではなく、私の卵管は再生されてなかった。
そして、井奥先生にまた子宮の病気の事を言われ
彦さんを含め3人で話した結果、治療はせず私は井奥先生の元で不妊治療をすることになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます