幸せの時間
尿検査の結果は陽性。
が、子宮内にまだ赤ちゃんの姿は確認できず。
とりあえず、普通に過ごし来週も受診することになった。
どのタイミングで彦さんと彦さんの家族に報告するか私は悩んだ。
悩んだ末、彦さんだけにはこの日の夜報告した。
私「お父ちゃん、もしかしたら本物のお父ちゃんになれたかも?(笑)」
彦さんはパソコンに向かっていた。
彦「ん?お父ちゃんは結婚前から本物のお父ちゃんだよ…… え?今、なんて???」
私「お父ちゃん、5人目パパになったっぽいよ(笑)
子沢山のパパさん頑張ろうね(笑)」
彦「うそ?いつ???
今回は大丈夫なの?」
私「実はまだ解んないんだけど…
4週とかみたいだから(笑)
けど、尿検査では妊娠確定だから報告してみた♪」
彦「ホントに??? …そっか、おめでとう!
で、今度はいつ行くの?」
私「次は来週だよ」
彦「来週…俺も行けたら行くよ(笑)」
私「うん。」
彦さんは次の診察についてきてくれた。
そして、無事に子宮内に確認され実家の父と母に報告し彦父と彦母にも電話で報告した。
彦家に帰ると
この日は彦母がお祝いと言って豪華な手料理を作ってくれていた。
彦母「今日はめでたいから鯛の尾頭付きにしたのよ(笑) 彦、もえさん、おめでとう」
彦母のそんな言葉が嬉しくて
私は有頂天になっていた。
皆に祝福される妊娠は私にとてつもなく大きな幸せを運んでくれたような気がしていた。
子供の頃から何度も思い描いていた幸せを象徴する家族像が手の届く所まで来ていて
私はそれに向かって歩んでいる気がしていた。
…が、皆の喜ぶ顔が「おめでとう」の言葉が
数ヵ月後…私に重くのしかかる事になってしまうことをこの時、誰も思いもしなかった。
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