第7話 妖精女王の加護
目を開ける。真っ黒な空間。見渡しても何も見えない。
『ようこそ、【Ner Equip Adventure World】へ』
機械的な女性の声に突然話しかけられ驚く。目の前に少し光っている半透明な白いパネルが浮かび上がる。
『キャラクターの名前を入力してください』
白いパネルに名前が入るであろう場所と下にキーボードが現れる。文字を打とうとするが、指がない。まず目線を下にしても身体自体が存在しない。
「どうやって打つんだよ…」
声は出せるようだ。とりあえずで何となく〈A〉を押すイメージでキーボードを見つめたらキャラクターの名前に〈A〉と出た。
なるほど、念じたら打てるのか。でも名前どうしようかな…。
「安直かもしれないけど見た目マリアだし《マリー》で良いか」
文字を念じて打つ。キャラクターの名前はマリーっと。打ち終わると次へを念じて押す。
『メインジョブとサブジョブを選択して下さい』
目の前の白いパネルに戦士やら魔法使いなどのジョブが羅列して表示される。上にスクロールするイメージをしたらスクロールした。
「何個あるんだよ…」
スクロールしてもしても1番下にいかない。すると1つ気になるのが見つかった。
「召喚士か…」
召喚士を選択すると説明文が現れる。《召喚士。召喚獣と契約し召喚獣を召喚して戦うジョブ。レベルが上がるごとに契約して召喚できる召喚獣が1体増えていく。最初に契約し召喚できる召喚獣は3体。召喚する召喚獣のレアリティ率はランダム性で再度召喚のやり直しは不可。最大レベル15。進化あり》
良いかも…。マリアの見た目だし後方で戦いたいと思っていたし、召喚士にしよう。
メインジョブを召喚士にしサブジョブを一応接近戦でも戦える《格闘家》にして次へを押す。
『これで全てのキャラクター設定が終了致します。終了して宜しいでしょうか?この後変更は出来ません』
白いパネルに《Yes》と《No》が表示される。《Yes》を選択する。
『本当に宜しいですか?』
白いパネルにまた《Yes》と《No》が表示される。《Yes》を選択する。
『それではキャラクター設定を終わります。装備を選んでください。
【初心者冒険者の装備】【格闘家の装備】【召喚士の装備】
「どれ選んでいいか分からないし、適当に見た目が良いのにしよう」
パパッと見てみると、初心者冒険者の装備はシンプルすぎて嫌だし、格闘家の装備は短パンでヘソが出てて恥ずかしいから嫌だし、召喚士の装備は黒いフード付きのローブか…。ローブの中はシャツと黒い長ズボンに茶色いブーツ。迷う事なく召喚士の装備だな。
召喚士の装備を選択する。
白いパネルに〈YES/NO〉と表示される。YESを選択する。
『これでキャラクターの設定を終了致します』
やっと終わりか、長かったような短かったような、少し設定の終了の余韻に浸る。
『おめでとうございます。覚醒ジョブを獲得しました』
え?覚醒ジョブ?何だそれ?
『覚醒ジョブとは、プレイヤーの素晴らしいタイミングで覚醒し使えるようになるジョブです』
親切に教えてくれた。って素晴らしいタイミングってなんだよ!まあ、ラッキーってことで良いのか?
『おめでとうございます。エクストラスキル《完全装備》を獲得しました』
また何か獲得した!説明文を見ると《全ての武器防具を装備できる。ただし自分のステータス値はプラスされない》
よく分からないからマリアに会った時に聞こう。
『おめでとうございます。《妖精女王の加護》の加護を与えられました』
また獲得して祝われた。説明文を見る。《あらゆる確率が関わるものに100%勝つ》
よく分からないが強そうだ。3つも貰ったけどよく分からないから、会った時にマリアに絶対聞こう。
すると白いパネルが消えて真っ暗になる。
『いざ冒険の旅へ!』
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