1章7節5項(46枚目) 屋敷に侵入した者たちのその後の行動②

「狙いがつかめないから、返事をしたくないか。よかろう」

 誰も一言も発しないから、仮面暴徒ブレイカーの首領は率先して言葉を紡いだ。

 床にわされているような体勢でいる私たちを余所よそに首領と念力の仮面の適合者バイパーは隠し扉の前から移動する。仮面の力に巻き込まれるのを嫌ってか、壁に沿って、大窓の前に行く。

「その女が欲しいからだ」

 ああ、聞き捨てならないな。私の伴侶を凌辱りょうじょくしたいとは、私の目の前でよく言えたものだ。

「体目的ではない。その者なら享受の仮面を使えるかもしれないから、手中に収めたいだけだ」

 私のにらみに察したのか、首領は私の誤解を解きにかかった。反抗できもしない、その恐れがないにも関わらず、何の得にもならないはずなのに、正確に語った。

「まだ仮面は手に入れていないが、手にしたとき、使い手がいなければ、意味がない。

 そのもしものときに備え、その女を確保しておきたいだけだ」

 仮面を使いたいがために手にしたいだけか。訪れるかも分からない機会のために仲間にしたいと言うのか。そんな理由で私が恋慕れんぼを抱くクーシャとの関係を引き裂こうと言うのか。

「お前たちは知っているか知らないが、享受の仮面の使い手は希少なんだ。誰でも被れる反面、すぐに息絶えるから、事実上、使い手がいないとされる存在だ」

 だからより欲しいと。

 珍しいから、余計にか。

「その仮面があれば、大方の情報はつかめる。場所は関係なく、痕跡こんせきが残ってさえいれば、知ることができる。先んじて動くにこれほど便利なものはない」

 いや、それは二の次か。

 物事を有利に運びたいから、彼女を引き込みたいわけか。万全を期すために手の内を明らかにしたいわけか。

臆病者おくびょうものか」

 拍子抜けして、口からこぼれた。聞こえるか聞こえないか、ボソッと呟いた。

 統治組織、仮面装属ノーブル喧嘩けんかを売る豪胆ごうたんさを見せつけるかと思えば、小心者の態度を見せるか。

 まさか、何でも知ってからでないと行動できない、愚物だったとは。

「さあ、狙いを話したんだ。さっきの勧誘に対する、答えをくれないか」

 私の呟きを耳にしなかったのか。

 それとも私が抱く仮面暴徒ブレイカーの印象が首領に届いていないからか。

 その真相は知らないが、急かしてきたことに違いはない。屋敷に攻めてきた、仮面装属ノーブルの軍勢を倒すためか、話を切り上げにきた、といったところか。

「欲しい仮面をくれてやるのはもちろんだが、この場にいる全員を迎え入れてもいいが、どうだろうか」

 悪いことばかりではないとさとしにかかる。仲間外れにしない約束を持ちかけてきた。手を結びやすいよう、一応、配慮はいりょしてくれた。

「断る」

 でも差し出した手は取らないけど。

 私にとって、少し魅力的みりょくてきではあるけど、なびくほどじゃない。その後のことを話してくれないから、れ込みたくはない。

 仲間になった後で雑に扱われたのでは話にならない。殺されるのであれば、今、口答えしても結果は変わらない。早いか遅いかの違いだけだ。

「お前にいた覚えはない。無能は黙ってろ。俺はそこの女に問うている」

 私が気にくわなかったのか、首領は私の口を封じにきた。

 言葉で脅す程度しかできないけど。

 でも勧誘したいクーシャを巻き込みたくないから、念力の仮面の出力を上げられずにいることは分かる。実力行使で私に近づけば、自身が念力の仮面に巻き込まれるだけだから、距離を保つままでいることは分かる。

 きつく言うしか方法がないことくらい、予想ができたからこそ、私が返事したわけだけど。今すぐにこれ以上の痛い目にうことがない確信があったからこそ、首領が望む、答えてもらいたい相手よりも先んじて回答したわけだけど。

 馬鹿じゃないんだ。話の流れを耳にしていれば、誰が命運を握っているかは悟れる。

 わざわざ指を差して、答えるべき者が誰なのか、教えなくても分かっている。

「1か月近く、同じ屋根の下で暮らしていたのなら、分かるだろう。彼女が口を開けないことを。

 だから俺が代弁してあげているんだが」

 それに挑発で返事したわけでもない。

 単純にクーシャが喋れない状態だから、私が彼女の意思を伝えているだけだ。傍付アテンダントとしての役割を果たしているだけだ。

 そのくらいのこと、分からないほど、馬鹿でもあるまい。私の伴侶の口の固さと強情さは肌で感・・・・・・意味は違うけど、何か腹ただしい。私が楽しめなかった間、楽しめていたと想像してしまうと、はらわたが煮え繰り返る。

「では何が気にくわない。

 屋敷に忍び込むことを考えれば、仮面を欲しがっているのではないのか」

 話を前に進めることからして、私に発言権を認めるか。

 それならば、

「ああ、欲しいさ。お前たちが持つ、全ての仮面を、今すぐに」

 遠慮えんりょなく、話を進めさせてもらう。

 他の仲間はそもそも口にする資格はなく、総意を述べることができるのは本作戦にける指揮官を務めるクーシャであり、その口を閉ざさなければならない、この状況下では私がその代わりを務める。

「欲張りは感心しないな」

 返事に対する感想を一言らせば、

「全ての仮面を手にしてもその全てを扱えるわけでもない。相性があるから、持て余すだけだ」

 助言めいた、苦言を首領はていしてくる。あきれたように私を見定める。

「仮面は使うためだけに存在しない。使う前提で物を考えるな。その前提で動いていない」

 勝手に値踏みをしてきたから、訂正しておいた。誤った認識を正しておいた。私の尊き伴侶の想いを踏みにじられたくはなかったから。

「売りさばく気なら、見込み客でも抱えていなければ、成立しない。売れ残りを抱えていれば、誰かに狙われるだけだ。そのような危険を抱えて、商売でもするのか」

「仮面は売るためだけに存在しない。売る前提で物を考えるな。その前提で動いていない」

「鑑賞したいなら、俺たちと一緒にいるのも悪くはないはずだ。身の安全を守る、ちょうどいい、護衛にもなるから、お得だと思うが」

「いいや、むしろ、危ない。統治機構に狙われる奴らと一緒にいる方がはるかに危険だ」

「いいや、むしろ、安全だ。俺の目的でその証明をし、さらにこれから見せる現実でそのことを物語ってやる」

 次々と来る勘違いを訂正していれば、妄言もうげんを吐いてきた。一体何を証明できると言うのか。私たちをいじめ苦しめる行為がそれにつながると。

「俺は武を以って覇を示す舞台を作り上げるつもりだ。命を脅かす者を排除するために戦い、自分の存在を際立たせるために戦う土俵を用意する。誰もが参加でき、勝者は思うがままに決定を下せる場所を整える。組織とこの町はその実験だ」

 だからなのか。

 今の説明で1つ理解した。仮面暴徒ブレイカーが居場所を明かしていた理由が分かった。悪事を働けば、この統治領域フィールドを統べる仮面装属ノーブルが動くことは明白にも関わらず、拠点を隠していなかった狙いが判明した。

 認めさせるために存在を訴えていた。統治機構でさえ、手が出せない、もしくは触れれば、甚大じんだいな被害が生じることを示そうとしていた。仮面暴徒じぶんたちを討伐しに来た、仮面装属ノーブルの軍勢を返り討ちにすることでその証明を行おうとしていた。

 それだけの価値を持たせる、つまり独自特区として、統治機構の管轄かんかつから外れようとしていた。

 わば、新たな秩序、第四の仮面組織パレスの樹立を目指していた。辿り着く先が今やっていることの延長に過ぎなかったとしても、仮面装属ノーブルの権力を切り取ることで実現させようとしていた。

 だから戦い、ここから立ち去ろうとしないわけか。

 昨晩の出来事でより不利な状況に追いやられても、逃げず、立ち向かうわけである。将来の布石のためにも、おめおめと姿を消すわけにはいかないから。統治する際、付け入るすきを与えないためにも。

 堂々とたたずむのはそういうことだろうね。狩り場の見張り、という面もあるんだろうけど、統治者としての威信いしんを見せつける意味も含まれていたんだろうね。きっと。

「ガキみたいな夢だ」

 しかしあまりにも馬鹿げている。

 思わず、あきれた態度を見せてしまった。

 その一言でさらなる衝撃しょうげきが加えられるかもしれないにも関わらず、私は首領の目的にケチをつけていた。

 今さらではあるものの、怖いもの知らずにもほどがある。後から押し寄せる脅威きょうい歯牙しがにもかけず、ただ自分のままを成すことだけを考えている。

 どれだけの犠牲を積み上げれば、満足ゆく結果に辿り着くのやら。

 そしてその結果がどれだけ保つのやら。

 話を聞く限り、叶った瞬間にほこんでもいいものではあるまいし。

 採算が大きすぎると言わざるを得ない。敵対する勢力の規模を抑制することを考えれば。

「壮大だろ。誰も実行に移そうとはしないことだろう」

 しかし首領は全く気にしていなかった。

 むしろ、誇っていた。誰も真似できないことを実現しようとしているから。

「しかし誰でもいいわけではない。

 興じることができる資格を持つ者だけが参加すべきだ。最初から弱い奴はいらない。舞台に上げるだけ、時間の無駄で退屈なだけだ。

 だからその判別のために仮面を用いる。

 捻じ曲げられない審査基準によって、参加者を決め、競い合う。明確かつ単純に判別するためと雌雄しゆうを決するための道具として、俺は仮面を求めている」

 尋ねてもいないが、首領は仮面の使い道を私たちに教えてくれた。

 しかしそのおかげで占貌せんぼうの仮面とその使い手を仮面装属ノーブルの管理下から奪った理由が分かった。

 単純に戦力増強のために、仮面とその使い手を狙ったものだと考えていたが、実際はそれだけではなかったらしい。100枚の仮面を手持ち無沙汰ぶさたにしないためにも、使い手を見つけるに便利な代物を手にしたと思っていたが、どうやら他にも狙いがあったようだ。

 選別の簡略化を狙っていたようだ。それは戦力増強にもつながるけど、それはそれで。

 首領が危惧きぐしている通り、無闇に参加者を集えば、その質はばらつき、人数が膨大になり、勝者を決める試合数も増える。

 魅力みりょくある賞品、というえさがなければ、成り立たないが、勝者の思い通りに決定を下せる、というのであれば、こぞって押し寄せそうではある。どこまで叶えられるかは知らないが。

 そういうことを踏まえれば、参加者が群がることは容易に想像でき、試合運営は大変だと思えてしまう。気が滅入めいることだけは間違いない。

 見境なく、募れば、そうなるだろう。

 しかし基準を設ければ、基準を設けなかった場合と比べれば、人数は減らせる。

 質はどうしてもばらつきが出てしまうけど、試合数は減らせる。勝者を選出する過程を短縮でき、試合運営の負担が減らせる。

 しかし基準を誤れば、舞台が台無しに成りかねない。

 基準が緩ければ、数は増え、基準が厳しければ、数は減る。

 数が多ければ、勢力に取り込みやすくなるが、試合運営が大変になる。勝者を選出する過程が長すぎるせいで離脱する者も現れる。目先の利益だけをかすめ取り、逃げ出す者たちが増えれば、築き上げた体制の意味合いが変わり、首領にとっての旨味がなくなりかねない。

 逆に数が少なければ、試合運営は楽になるが、賛同者は増やせない。数の暴力で外側にいる統治機構に牽制けんせいできず、体制維持も厳しくなる。脅威きょういに思わせる、手段が1つ減り、より難しくなる。

 それらは基準を設けようが設けまいが、起こりうる。

 それとは別に基準を設ければ、新たな問題が出てくる。不正参加者が現れる可能性が出てくる。

 口利き次第で参加者として認められるケースが発生してしまう。参加者として認める、審査官を抱き込めば、試合ができしまう。条件を満たせていなくとも、下駄げたかせることで賞品を手に入れられる道が開けてしまう。

 実際に成し得るかは分からないが、少なくとも不正の数だけ参加枠は潰され、本来手にできたであろう者たちの可能性が奪われる。

 そうでなくとも試合数が増え、本来やる必要のない試合や起こり得なかった試合が強いられる。

 真面目に参加する者たちをないがしろにする行為であり、その事実が露見すれば、真似する者が現れる。どうしても叶えたい願望を抱えていれば、躊躇ちょうちょしないはず。悪しき前例を利用するに違いない。

 しかし誤魔化ごまかしようのない基準、仮面の適合者バイパーでなければ、参加できないのであれば、不正は働けない。

 仮面との相性があるから、融通などできない。審査官のご機嫌取りを行っても仕方がない。

 そういう基準を設ければ、参加者は仮面の適合者バイパーに姿を変えられる仮面を持つ者か、仮面はないがその素質がある者のどちらかに限られる。

 そして後者であれば、仮面暴徒ブレイカーが持つ仮面を貸与すれば、参加者として認められる条件は解決する。

 体制維持を思えば、やらざるを得ない。前者だけであれば、その数を賄うだけでも苦労する。魅力みりょくある賞品でも参加できなければ、勢力に加わろうとはしない。望みが叶う可能性がなければ、居座ろうとは思いもしない。

 そうなってくると相応しい仮面を見つけるに手間がかかるけど、占貌せんぼうの仮面とその使い手がいれば、話は変わる。

 相応しい仮面が何なのか、把握できるため、選別を手早く済ませられる。

 貸し与えられる仮面であれば、貸し、そうでなければ、弾く。

 仮面暴徒じぶんたちが持つ仮面を整理していなければ、把握できても意味がないけど、それは別問題。やれば、いいことだ。

 それでも審査は大変だろうけど、1人ずつ、1枚1枚被せていく工程を思えば、ずっとマシだ。

 ともかくそれで参加者は増やせ、勢力拡大につながる。願望が叶うまで、離れようとしなくなるし、陣営に居心地を覚えれば、留まってくれる。体制維持の数も揃ってくる。

 そういうのも含めて、占貌せんぼうの仮面とその使い手を勢力に加えたんだろうと想像する。

 普通は考えもしないだろうね。仮面を探す手間を省く方法を。

 元仮面装属ノーブルでもない限り、行き着かない。仮面装属ノーブルがその仮面と使い手を育む環境の存在を秘匿ひとくしていたから、誰もが思い至ることはできないし、仮に思い至れたとしても、迎え入れるのは難しい。仮面装属ノーブルに厳重に守られているから、実現の見込みが低そう。

 仮面装属ノーブルであっても知ることができるか怪しいところではあるけど、部外者よりかはつかめる。発想に至る可能性で言えば、身内が一番可能性が高い。実際に行動に移すかは別にして。

 その点で言えば、首領ならでは、と言ったところだ。仮面装属ノーブルから抜ける際に多数の死傷者を出した戦闘力に物を言わせた行動力だと言える。

 そういった意味では壮大なんだろうね。その先があるのか分かったようなものではないけど。

「これ以上、引き延ばされたくはないから、いい加減、答えてもらおうか」

 変な方向に頭を働かせていれば、首領は最終通達をしてきた。仮面装属ノーブルとの抗争で取り返しが利かなくなるのを防ぐためか、切り上げてきた。現場に介入するため、私たちの返事を求めてきた。

「今なら、昨晩起こした出来事も不問にしてやってもいい。今は手荒に扱わせてもらっているが、この事態が片付けば、丁重に迎えよう。その条件も加えるから、仲間にならないか」

 働き次第という条件付きではあるけど、仮面をくれる。

 必要なのはクーシャ1人だけで他は処分してもいいにも関わらず、私たちを迎える。

 さらに仮面暴徒ブレイカーに対して行った嫌がらせも見逃す。

 気前がいいことだ。

 そして昨晩の出来事が何となく、私たちの仕業だと勘づいている上で手を差し出してくるか。

 そうまでして、私たち、実際に目当てにしているのはクーシャだけだけど、仲間に加えたいわけ。計画を狂わしたことに対する怒りを水に流すわけ。先々の利益を考えて、私怨しえんで行動するのを止めるわけ。

「それでどうなんだ」

 答えないものだから、首領は急かしにかかってきた。これ以上、待てないから、私をにらみつけた。早く答えろ、と尻を叩いてきた。

 確かに首領の言葉を受け取れば、クーシャの望みは叶う。私の望みも叶う。

 悪党に協力しないといけないが、条件は悪くはない。

 しかし

「あるべき者の元に戻す、というクーシャの意思を尊重して、お前との関係は築かない」

 拒否する。魅力的みりょくてきな提案も含まれているが、手は組まない。裏切るタイミングが難しくなるから、協力体制はかない。この場限りであったとしてもだ。非効率だと言われようとも関係ない。

「誰に返すと言うのだ。この地で仮面を管理する仮面装属ノーブルにか。

 それとも仮面を持っていた者たちにか。

 はたまた仮面をばら撒いたとされる、神様にか」

 その返事に対し、気に食わなく思ったのか、いや、間違いなく気に食わなかったのだろうが、首領は皮肉を言ってくる。自身のためではなく、誰かのために頑張ろうとする姿に苛立いらだって。犠牲になり、尽くす心構えにムカついて。

「誰でもいいだろう。お前に望みがあるように、私たちにも望みがある。それが相容れないだけだ」

 だから私も答えた。

 誰も同じ思想で動いていないことを教えてあげた。

「絶望的な今の状況から抜け出すためにも、うなずいていればいいものの。別の機会に仕掛けるためにも、嘘を吐けばいいものの。全く馬鹿な真似をする」

「愛しきクーシャを酷い目にわせた奴らにすがるか」

 首領の言葉に一理あるが、そもそも信用する方が可笑おかしい。クーシャをいじめ抜いたことは出会ったときの姿で分かる。

 殺していないことが丁重に扱った証拠、と言うのであれば、ふざけるな、と言ってやる。身ぐるみをぎ、股間がギンギンだった男と一緒の部屋に閉じ込めておきながら、よく言える。彼女を犯し、けがしていたに違いない状況を見せておきながら、それのどこが丁重だと言える。

 り合わされていたのではないかと思うと、はらわたが煮え繰り返る。今思い出しても、抑えられない。ぶつけるべき張本人はいないが、仕向けた存在はここにいるから、襲いかかってやりたい。無理矢理床に伏せられていなければ、そうしていた。

 そういう事情があるから、奴らが約束を守るとは思えない。なびくように言葉巧みに誘っているだけだ。

 本心だと言われても信用できない。

 現状すら変えない人間の言葉には付いていかない。

 私たちを押さえつける力を解いてもいなければ、仮面を差し出してもいない。

 最初から歩み寄る気がないから、手を取るつもりはない。言葉だけでなく、態度でも示さない奴に協力するつもりはない。

「そうか。それは非常に惜しいことだ。残念ではあるが、ここで始末させてもらう」

 この一言で間違いなく、殺されることになった。クーシャだけは生け捕りかもしれないが、私たちの命がなくなることだけは間違いない。

 弁えることなく、楯突たてつけば、当然だろうね。

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