1章2節4項(8枚目) 仮面暴徒誕生
ホコアドク。
漁港が盛んな町と南方
2つの町と比較すれば、特色を挙げにくい、至って平凡な町。
しかし不当占拠で有名になった。
それは今から1年前に起きた。快晴の日、奥歯が見えるほどに大きく口を開いた紋章が背中に描かれた上着を羽織る集団によって。後に
町を支配するに当たり、
1つ目は統治を担う役場を制圧。襲撃時に発生した町の人々の混乱を長引かせる目的で行われた。全体の指示を滞らせ、町の人々の意思をバラバラにした。集団としての行動指針を不明にして、逃走・潜伏・迎撃・救助など、団結を阻止された。伝令代わりの鐘を鳴らさせる暇を与えないことで誘導が封じられた。
2つ目は町の唯一の出入口を制圧。町の人々を留まらせる目的で行われた。今後、町の人々を自分たちの代わりに働かせ、
しかし逃げ道は他にもあった。
町を取り囲む
確実に越えるための踏み台を用意するにも時間がかかる。短い時間で済まそうにも、当時、協力を強いられなかった。
逃げ道自体、色々と考えられる。
けれど戦力も人員も
多くの人数を町に留まらせることを主眼に
3つ目は抵抗勢力の排除。町の防衛機能を低下させる目的で行われた。荒事への対処に慣れている町の治安を預かる者たちが真っ先に狙われた。騒動を
決して順調ではなかった。町の治安を預かる者の中に
光を放出する性質で町の一画を襲っていた
けれど
その出来事により町の人々が抱いた希望が砕かれた。戦況は
しかしホコアドク唯一とされていた
他の区域はともかくとして、
当然ながら、その者たちは狙われ、倒された。
食い下がる者たちを消し、町の人々をより威圧した。
目的と関係しないが、逃走を企てた者も狙われた。今後、
酷く逆らわない限り、手荒に扱わず、ほどほどで済ました。
ただし町の人々を
抑圧に手間がかかるため、危険因子は早々に潰された。
4つ目は今後の活動拠点となる屋敷の奪取。集団で住める場所を求めていたから町で最も大きな屋敷に狙いを定め、行動を起こした。
屋敷にいた者は全て殺された。今後の活動で邪魔になるため、この世から追い出された。屋敷に住まう夫婦はもちろん、門番・執事・メイド・秘書も始末された。
それらを軸に事を運び、それらが全て完了したとき、町は
しかし
町の人々を落ち着かせなかった。暴力に訴え、金品・食料・人間など、
振るわれる暴力から逃れるため、駆け足で逃げる者もいれば、物陰に潜む者もいた。自ら差し出す者が現れるくらいに
抱えて逃げても結果は変わらなかった。捕まえられた後、奪われていた。
唯一、潜伏に成功した者は奪われずに済んだ。
けれどそれは一時的であった。
見つかれば、奪われていた。先延ばしにするだけであり、根本的な解決には至っていなかった。大切なものを手元に残せられた反面、
それに加え、
しかし長く続かなかった。
不満が積もりに積もり、1か月後、反撃に出た。
現状に不満があっても
来たる日のために秘密裏に参加を表明した者たちだけで行った。有志を募り、牙を研ぎ、準備を進めていた者たちで挑んだ。
平穏な日々に戻すため。大切なものを取り戻すため。
理由は違えど、目的は一致していた。
襲撃時、表立たなかった
それほどまでに
幸いにもそのことで責められることはなかった。
それほどまでに手段を選んでいられなかった。
それでも
反撃に関わった者たちは可能な限り、生かされた。これからの働き手を残すため、
ただし制裁は免れなかった。
二度と逆らわぬように痛めつけられた。反撃に関わった者を引きずり回し、町中にぶちまけられた。改めて町の人々に恐怖を植えつけた。
さらに町の人々に鉄製の首輪を
自分たちが誰の管理下にあるのかを教え込むために行われた。
逆らえば、罰を
罰を
しかし町の人々以外が対象になることは少ない。
従って、部外者が逆らうことは
部外者も酷い目に
町の人々は今までの光景が目に焼き付いていたので、反抗する者の数は自然と減った。許しを
けれどその者は捕まえられた。
より過激な罰を
少しでも苦しみから解放されたいと思い、
実際に効果はあった。役に立つほど、
逆に迷惑をかければ、標的になる。
迷惑をかけたかどうかを判断するのは
ずっと待遇が変わらないことは珍しくもない。
この兼ね合いを
こうして実績を積み重ねた結果、
しかし周囲は許さなかった。
好き勝手にやる
組織として直接動くこともあれば、懸賞金を
名声を手に入れようとする賞金稼ぎ。大切なものを奪われた恨みで行動する
討伐に協力しようとする者は様々な思惑で動いていた。
個人から団体まで。素人から専門家まで。無名から有名まで。
幅広い者が関わっていた。
それでも
町の人々の苦痛を長引かせる結果になった。それが1年以上続き、町の人々は希望を見いだせないまま、日々を過ごしている。
あまりの強さで討伐に協力しようとする者はほぼいなくなった。懸賞金が上がっても状況は変わらず、命欲しさで挑む者もいなくなっていく一方である。
最近だと1人の女性が町中で遊んでいた
戦局が大きく不利になっても女性は果敢に挑んだ。自ら降伏しなかった。例え、体がボロボロになっても
最終的には女性が気絶したところで幕が下りた。その場にいた者が気に入る容姿だったため、拘束され、
消息は今も不明。
直近はその程度であり、討伐活動に
活動に関して、
その
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