第14話
自宅に戻ると普通の学生としての平穏な生活が幕を開ける。ご飯を食べて暇をつぶして、好きな事をやって眠る普通の生だ。
そしてご飯を食べ風呂に入り、普通の生活としての側面を取り戻した秋は、いそいそとベッドに潜り眠りの態勢に入った。
だが、眠ろうとすると思い出す。“普通じゃない”時間の流れ、そこで起こった全ての出来事が。
(ああ、今日も色々あった。というか今日俺何回気絶したんだ?もう思い出せないぐらい気絶したような気がする……というかあれが一日で行われているという事実に驚いている自分がいる)
秋はゆっくりと、まるで自分の存在を確かめるように暗い部屋で拳を上げ、手をグーパーと開いては閉じる。
(自分がどんどんと強くなっていくのを感じる。それも一気にだ。一日の密度がどんどんと上がっていっている。一日過ごすたびに―――俺は知らない世界を見ている)
それもそうだろう。秋はスキルやステータスといった未知を味わい。そしてそれに翻弄されながらこの何日間は生きているのだ。そしてそれは今後も続くのだろうと、秋はしんみりとしながら思ったのだった
(―――そうだ!『スキルランダム創造』のLVがMAXになったという事は…自分でスキルを作ることができる。という事だ!)
秋はしんみりした気持ちを一気に取り去ると、念じてステータス画面の『スキルランダム創造』の欄を覗く。
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スキルランダム創造
スキルをランダムに創造する事の出来るスキル。ちなみに種族的に使えないスキルや自分に効果が及ばないスキル。自分に効果がないスキルなども生成される。スキルは異世界;イーシュテリアの中にのみ存在する比較的一般的なスキルを元に生成される。
LV1 スキルを魔力3万で生成
LV2 スキルを魔力2万で生成
LV3 異世界;イーシュテリアで比較的希少なスキルを創造可能
LV4 異世界;イーシュテリアで希少なスキルを創造可能
LV5 スキルの構成要素を認知可能
LV6 スキルの構成要素を分解可能
LV7 スキル構成要素からオリジナルスキルの創造可能
※現在このスキルのレベルは最大まで上昇しています。スキルのレベル上昇による能力を使いたい場合は念じる事で発動可能です。
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(―――なるほど、使い方は今まで通りか、ううむ……)
秋は二度目の召喚の際にスキル欄の項目を全て覗く事が可能だったため、この『スキルランダム創造』がいかにチートか、自分の魔力量と相談して使える事が分かっていたためにこのスキルを選んだのだ。
(問題は―――どのスキルを分解するか。だよな…)
そう、スキルの構成要素の分解。このLV6になった際に解放された能力と、LV7との能力でスキルを新しく創造する事が可能なのは理解しているのだが、問題は実験台とするスキルをどれにするか。という事だ。
(とりあえず一回分解を行ってみるとして―――どれにするか)
もう寝る事も忘れて分解してみるという秋の熱中ぶりには驚くところもあるかもしれないがお構いなしにスキルを選別する。そして選んだスキルは。
(これにしてみるか―――。獣化)
この一番使えないであろう獣化というスキルを分解してみるべく、念じてみる。すると
【スキル:『獣化』を分解しますか?】
脳内に響く声。秋は少し覚悟を決めた末に「はい」と念じる
【スキル『獣化』を分解。構成要素:『獣』を入手しました】
(…………それだけかよっ!!)
秋の心の中には、そんな気持ちしか浮かんでは来なかった。
◇
(わ、分かった…まあ確かに『獣化』はシンプルすぎるよな、そりゃあ獣しか出てこない。じゃあこれで行くか―――『魔術攻撃衝撃緩和』これならいけるだろ!)
秋は念じる。
【スキル:『魔術攻撃衝撃緩和』を分解しますか?】
秋は「はい」と念じる。
【スキル『魔術攻撃衝撃緩和』を分解しました。構成要素『魔術』『攻撃』『衝撃』『緩和』】
(―――おおお!!!そうこれだよこれ、なるほど、今回のスキルには要素が四つ…このスキルが特殊なのかもしれないが、完全にスキル名を単語に切っているよな。これ…、まあスキル名が簡潔に効果を表している可能性はある。というかその可能性が高い。つまり分解による構成要素をある程度推察できる―――?)
秋は一度の分解に仮説を立てる。スキルという物は秋の生命線になる物。故にどんなスキルでも無碍に扱う事は出来ないというのは秋の根底にあるものなのだ。
(とりあえず、構成要素はどこで見れるんだ?)
その疑問を解消するべく秋は構成要素が載っていそうなスキル欄のステータスを見る。
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スキルランダム創造
スキルをランダムに創造する事の出来るスキル。ちなみに種族的に使えないスキルや自分に効果が及ばないスキル。自分に効果がないスキルなども生成される。スキルは異世界;イーシュテリアの中にのみ存在する比較的一般的なスキルを元に生成される。
LV1 スキルを魔力3万で生成
LV2 スキルを魔力2万で生成
LV3 異世界;イーシュテリアで比較的希少なスキルを創造可能
LV4 異世界;イーシュテリアで希少なスキルを創造可能
LV5 スキルの構成要素を認知可能
LV6 スキルの構成要素を分解可能
LV7 スキル構成要素からオリジナルスキルの創造可能
LV5:構成要素認知
獣・魔術・攻撃・衝撃・緩和
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(おお、やっぱりここか、確認はなるほど、LV5の効果でするのか。じゃあ次は―――)
秋が思想に入ろうとしたその時。今日の秋の体は限界だったようで、そのまま意識を闇の底に沈めてしまった。今日の事を思い出せば、当然と言えば当然なのだが―――。
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