第11話
「ん…うう。そうか…俺は気絶したのか…」
「おお秋か、そうじゃ。スキル創造に魔力を使ってな、じゃがそろそろ魔力を使う事に体が慣れるじゃろう。とりあえずステータスを見てみるのじゃ」
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ステータス
中宮秋
15歳
学生
魔力:16900/8600
スキル
・運命と次元からの飛翔
・スキルランダム創造
・精神力強化
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精神力強化
スキル保持者の精神を強化し、精神に通じる攻撃の類に耐性を得る事が出来る。
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「で?どんなスキルを創造したのじゃ?」
「ああ、『精神力強化』ってスキルだ。まあ効果を見るに、所謂ゴミスキルって所か」
「う~む。闇魔術の類に精神に干渉する魔術があった気がするが…まあ、使いどころは限られてくるじゃろうなぁ……」
「それよりもだ爺さん。そのスキル創造のレベルが上がったんだが」
「おお、たったの一回でか、まあそういう事もある。スキルによって進化の条件は違う。今回は一回使ったらその時点でレベルが上がるスキルだった。としか言えないのう…」
「あと、今どのくらいたったんだ?今の魔力の回復の感じを見ると……1時間ぐらい……いや、もっとなのか?……どうなんだ。爺さん」
「15分じゃよ」
「…は?」
「いやじゃから15分しかお主は気絶しておらん」
「でも、15分休憩を入れただけでそこまで回復するのか?いくら回復が早いと言っても、これはさすがに早すぎる…」
「それが神界の効果。まあ特性もともいうんじゃがのう。基本的に神界はその住まう神々の力である力。魔力や格の力といったそういうもので管理された世界なんじゃ。故にこの神界には魔力が大量に放出されているという事じゃよ。ちなみに今の魔力が地球で回復するのにかかる時間はおよそ3~4時間ぐらいかの?寝ていたり、自分自身がリラックスしていたりといった条件が多種多様に存在するから一概には言えんし、魔力の回復という点では、お主の世界の電脳遊戯みたいな時間で一定なんて都合があるわけがないということじゃ」
「そう、だったのか…」
「ああそれと、お主あれだけ魔力を放出したんじゃ。魔力の上限量は増えてはおらんのかの?」
「え…ああ―――ああ、増えてる」
「それも魔力を使う上での特徴じゃ。人間は魔力を限界まで使うと自分の中で成長しより魔力を蓄えることができる。まあ筋肉の超回復なんかと同じ原理だと思うてくれればいい。じゃからお主には今から気絶して創造してを繰り返してもらうぞ?覚悟せいよ?」
「――――は?」
「じゃから、今からお主には気絶しなくなるまで魔力を限界までスキルにため込んでもらう。ちなみに気絶をすると人間の生存反応でいつもよりも多く魔力を集め蓄える習性がある。だから覚えておくのじゃ。そしてそれを今から身をもって確かめてもらおうと思ってな」
「………くっ、やっぱ糞爺だ…」
「これは他でもないお主のためじゃ、頑張れ!若者よ!」
「ぐうっ……ああ分かったよ!やればいいんだろやれば!」
「おお!その意気じゃ!」
また秋はゆっくりと立ち上がり、そして魔力をスキルに全て注ぎ込む。
―――そして、体がだんだん重くなっていく感覚に抗い、そして負けて意識を手放した。
「―――おはよう。秋」
「何分経った?」
「ううむ…30分ぐらいかの?」
「魔力はどれくらい回復したんだ…?」
「どれどれ、ちょっとスキルで見てやろう……10000じゃな」
「了解。じゃあさっそくもう一回やるわ」
「気張れよ、秋」
今度は座りながら、ゆっくりと目を閉じて魔力をスキルに注ぎこむ。
―――案の定。今度は少しばかり長く抵抗を見せたものの、やはり意識を手放してしまった。
「爺さん、今何分経った」
「20じゃの?」
「魔力量は?」
「9000じゃ」
「了解」
意識を覚醒させた秋が一番に聞いた事は次のスキル創造のための魔力量と何分寝たか、という事で意識を蘇られた秋がまた腰を下ろし目を瞑り、全ての魔力をスキルに注ぎこむ。
―――今回はスキルに全魔力を注ぎ込んだのち、もちろん倦怠感は確かにあったが、それでも気絶するまでには至らなかった。
「はぁ……はぁ…はぁ…」
「おお、ついに気絶せんようになったか!お疲れ様じゃ秋よ」
「ああ、俺は何回気絶していたか?」
「ここでは二回。お主の家の気絶もカウントすると3回じゃな。儂はもうちょいかかると思ってんじゃが。やっぱりお主は魔力に愛されているようじゃな」
「それはうれしい限りだな…っと」
「とりあえずステータスを確認しておくのが良いじゃろう」
「ああ、そうさせてもらうよ」
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ステータス
中宮秋
15歳
学生
魔力:20200/80
スキル
・運命と次元からの飛翔
・スキルランダム創造
・精神力強化
・魔術攻撃衝撃緩和
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スキルランダム創造
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魔力貯蓄量:1200
スキル創造まで20000/18800です。
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魔術攻撃衝撃緩和
魔術攻撃による衝撃を緩和する事の出来るスキル。
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「案の状スキルにしてはゴミスキルだな」
「まあ、使いどころとしては先の精神耐性よりも少ないじゃろうなぁ…」
「まあ、でも魔力の上限が2万を超えた。これで一回フルで魔力が溜まれば一個スキルを創造することができる」
「ああ、ある意味一つの節である上限2万を突破したのは大きいじゃろうな、それに上限値が大きくなればなるほど回復効率も伸びるじゃろう。これでよりよくスキルを創造することができるな」
「ああ……、所で爺さん。少し眠らせてくれないか、いくら気絶していないとは言えしんどいのは確かだ。少し休ませてくれ」
「ああ、お疲れ様じゃ秋よ」
「ああ、ありがとう爺さん」
こうして、自分で意識を落として夢の中へと潜った秋をゼウスは見つめていた。
(魔力の覚醒――もう少しかかると思っていたんじゃがのぉ…しかもあの魔力が少ない地球の星であそこまで魔力を吸収できるとは、秋。お主は化けるかもしれん。いや、もうすでに化けている。のか……)
ゼウスは夢現に入り浸る秋を見つめながら、そんなことを思っているのであった。
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