過去編第4話 嘘は嘘

「もう帰りましたよ、多分、」

「そ、そうなんだ、ありがとう」

「ごめん、あいつの家、知ってるかな、」


こ、ここがあいつの家か、

インターホンはどこだ?

っちょっとまて、

俺はなんでこんなことしようとしてるんだ、

ていうか簡単に家を教えてもらったけど


「こ、こんにちは」


「はーい、って、え?いー先輩?」

「ちょっと話したいことがあって、」


「いー先輩、私、男の子家に入れるの初めてなんですよ」

「ごめん」

「そこに座っていいですよ」

「あ、ありがと」


「それで話って?もしかして告白ですか?」

「い、いや、あの昨日のことで

昨日の話、あれ嘘なんだ」


    ◇    ◇    ◇ 

いー先輩の嘘、実は気づいてたんですよ


「え?なんで嘘なんか私に言うんですか」

「それは、ごめん」

本当は私、今、すごいドキドキしてるですよ

好きな人家に入れてるし、さらに自分の部屋にまで入れちゃうなんて、

「いー先輩、じゃあ私の言うこと一つ聞いてください!」

「それで許してもらえるなら」

「じゃあ、いー先輩、

私のファーストキス貰ってください」


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