過去編第3話 ほんの冗談のつもりだったのに

「本当に良かったのか?

  コンビニのアイスなんかで」

「はい!いー先輩とアイスを食べれるというだけで嬉しいので」


今までならこんなことを言われても、

「またこいつはからかってるんだな」

ぐらいにしか思わなかったけどあんなことを聞いてしまったら...

こいつはバレてないと思ってるのか...


「今の言葉はお前の本心なのか?」

「本心に決まってるじゃないですか〜

なんですか?もしかして照れてますか?

いー先輩もかわいいな〜」


くっそこいつまじで、

こういう奴には少しでも痛い目

見てもらわないとな


「そういえば俺、転校する。

明後日にはもうこの中学にいないから」

そう言ったとたん一気に顔が曇った。

わかりやす!

「えっ、この時期にですか?

それ、本当ですか?」

「本当。お前と喋るのもあと一日。

今までありがとな」

今にも泣きそうな顔、

ちょっとやりすぎた感はあるけど日頃の恨みだ。

「それ、私をからかってるんでしょ

からかってるなら面白くないよ!」

「お前をからかってどうなるんだよ」




「いー先輩。私用事あるので帰ります。」


「えっ、言いたいことあ、え、」

俺の言おうとしたことを聞かずに走って帰っていった。

これ、俺やりすぎた?

明日しっかり謝ろう...



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