過去編
過去編第1話 かわいい後輩ちゃん
「ねぇー。聞いてますか〜?
私、こんな退屈な時間を過ごすなんて嫌です!いー先輩は本読んでるし」
「おいおい。だって仕方ないだろ。
委員会の仕事だって言ったって誰も図書館に来ないんだから。」
「そんなの嫌です!せっかくいー先輩と図書館で放課後二人っきりなんですからなんかしましょうよ〜。」
私はいー先輩が好きだ。
来年いー先輩が卒業してしまうというのに私はまだ思いを伝えられていない。
本当はいー先輩に思いっきり甘えたい。
でもいー先輩は小悪魔系な女子が好きだって言ってたからわざわざ演じているのに...
「じゃあ、あと少しで委員会の仕事も終わって帰れるんですから、後でアイス奢ってくださいよ!」
「いや、今の流れからなんで俺がアイス奢らなきゃいけなくなるんだよ。」
「別にいいじゃないですか...」
「いーや、僕は奢らない。」
「そんなケチなこと言ってるから彼女ができないんですよ!」
「うぐっ、いや分かってるから...」
落ち込んでるいー先輩もかわゆい...
ごちそうさまです。いー先輩。
「私の青春が失われていく〜」
「俺だって帰りたいよ、
青春が失われてるかどうかは知らないけど」
「いーや、こうしてる間にも青春が失われていきます!こんな時間があったらモテる私は何回告白されていることか...」
「自意識過剰すぎじゃない?
実際お前モテるの?」
「むぅー。お前って言わないでください!
私のことはみきって呼んでください!」
「はいはい。で、みきはモテるの?」
「私ですか?自分で言うのはなんですがめちゃくちゃモテますよ。私。
今までだって何回も告白されてきましたし」
「ふーん。そうなんだ。」
「なんですかその薄い反応!
こんなかわいい後輩ちゃんと放課後二人っきりなのにドキドキしないんですか?」
「全然しない。」
ちょっとでも照れてくれればいいのに..
ちょっと悲しいな
そして沈黙の時間が続いた。
「やっと帰れますね。いー先輩!」
「そうだな。じゃ、おつかれ〜」
「いやいや、一緒に帰りましょうよ!」
「いや、別にいいけど。」
「じゃあ、決まりですね!
私、玄関の前で待ってますので」
「いー先輩〜何か話してくださいよ〜」
「別に話すことないしな、」
「二人きりで帰るの緊張してるんですか〜?
可愛いですね。いー先輩!」
焦ってるいー先輩もかわいい。
「じゃあ今、いー先輩好きな子とかいないんですか〜」
そう言ったとたん、いー先輩の顔がみるみるうちに真っ赤になっていった。
「どうしたんですか〜顔真っ赤にして。
本当は好きないるんでしょ。」
「いや、、、、別に、」
この反応は絶対にいる!
「誰なんですか?せめて学年だけでも!」
もしかして私?なんて思ってしまっている自分が恥ずかしい。
「分かったよ。言えばいいんだろ、
同じ学年の子だよ。」
えっ、
ショックで何も言えない。
口が動かない。
目が痛い。
「おい。せっかく言ったんだから何か反応してくれよ。」
「ご、ごめんなさい。
へ、へぇー珍しいな。いー先輩にも好きな子がいるなんて...
あっ、私こっちなんで帰りますね!」
「ちょっ、ま、」
後ろでいー先輩が何かを言おうとしていたけど私、もう無理だ。
もう、喋られない。
地面に涙がこぼれていく。
私はもう終わりなのかな...
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