第3話 「緊急事態宣言!!」

スマホを見ていたら総理がトンデモナイ事を言っている動画が出てきた。


総理大臣が「緊急事態宣言」を出したというのだ


言葉が出なかった。なんて言うのか「は?」と「え?」が打つかって心の中で砕け散って口まで出てこない感じだった。ボトルネックといったほうがいいのかな?

 

「バイオ(※1)みたいな事?」


実感がわかない・・・・。喚いてるのはメディアだけだし、家にいるだけなら静かそのもの。所謂”画面の中の話”と思っていた。


しかし職場(バイト先)で物品の仕入れ状況の変化(消費期限がすぐ切れる物等)が切羽詰まり始めた事や、リーダーが頭を抱える姿をみて少し実感した。


仕事が終わってからはもっと実感することになり、買い物に行った店からマスクが消し飛びその棚の部分だけ抉られたかのように空っぽになっていた。折角買いに来てショックだったのか”お爺ちゃんが座り込んでいた”。スマホ片手にぼそぼそと喋っているようだった。僕は目的の品が無いとなると最早ココに用はない。食品を漁り支払いを済ませて帰路に就いた。

 

夕食を気怠く済ませた後ウンザリするほどのマスコミの騒ぎ様を横目に僕は寝転がった。つぶやきサイトでは、”マスクが無い”とか”ティッシュが無い”とか阿鼻叫喚が響き渡っていた。

「こっちも無かっt・・・・・」



言葉が詰まった。 


「クソ!・・・・やられた!!」



ある議員がつぶやきサイト内で注意を呼び掛けていた内容に愕然とした。都内のO田区の議員でマスクの購入についてだった。


「皆さん気を付けてください!C国人の方々が開店前から列を作りマスクを購入しているそうです!そして、開店から閉店まで店内をうろつきマスクを根こそぎ奪っていくそうです。」


そう書き込まれたつぶやきには他の書き込みもあり、そこには「店内で座り込むお爺さんの写真」があった。

 

「みんなが買っていたんじゃなかった・・・・C国人が買い占めていたんだ・・・」

 

そう思った時は遅かった、すでに店も閉まってる。そして”彼ら”は金が絡むと手段を択ばない。こうなるとわかることがある。

 

”C国人がKウィルス感染拡大させるために日本国内のマスクを買い漁ってる・・・・・”

 

一応僕は仕事もしているし、主婦層だけじゃ店内で暴れるであろうC国人を止めることはできないだろう。(C国の転売ヤーが個数制限のレアモノ購入の際に店員を殴ったりしたニュースが過去にあった)


僕にはその先が読めた。

 

(これを他国に売り恩を売るつもりだ!)

 

漫画の悪党のお約束のパターンである。でもあながち間違いじゃないだろう。

これからはC国が汚いやり方で恩を売り有利に事を運ぼうとしている。


しかしどうする?自警団でも設立するか?いや無理だ!平和ボケした日本人にそんなことできる人間は少ない・・・・

 

どうしようもなかった・・・・・・・・

 

「こっちもやられました。他の方々も気を付けてください」

 

こんな書き込みしかできない自分が悔しかった・・・・・

 


 




※1)バイオとは僕の世代を中心に流行っているゲームシリーズで”バイオ・ファザーズ”の略で、生物学的危害を迎えた架空都市ラグーン街で起こる出来事に家族を守るため父親が立ち上がるストーリー。各家庭の父親が家族の危機に直面した時にダンディさに覚醒・発揮し、家族を守りながら合流し最後に街を脱出するストーリー。D(ダンディ)ゲージを貯めて発動するダンディアーツの演出が渋くてカッコ良く 葉巻を咥える等の演出を真似する人もいた

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世界の終わりを告げる声 庵乃 云(アンノウン) @full_hasuto

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